“レースを風物詩にする”ことが理想。スーパーフォーミュラ、2019~21年開催日程で他シリーズと協力

2018年5月26日(土)18時40分 AUTOSPORT web

 全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は5月26日、スポーツランドSUGOで定例の記者会見を開催し、2021年までの3シーズン分のレーススケジュールをスーパーGTやピレリ・スーパー耐久など他シリーズとも協力しながら作り上げていくとの意向を示した。


 2018年の国内レーススケジュールについては、5月には国内トップの人気を誇るスーパーGTが2戦、国内トップフォーミュラのスーパーフォーミュラが2戦行われ、実質上4連戦の状況に。加えて6月1日から富士スピードウェイでスーパー耐久の24時間レースが行われるなど、ビッグレースが集中している。


 この過密日程に対してはドライバーやチーム関係者から批判の声が出ているほか、ファンにとっても各レースを観戦するのが難しくなるなど好ましくない状況を生んでいる。


 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は第3戦鈴鹿で行った定例記者会見で「すぐにカレンダーは出ないが、各団体とJAF(日本自動車連盟)と話をしていきたい」とコメント。他シリーズと協力する意向を示しており、今回、JRPとしてもその考えを再度示した形となった。


 また、2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるため、その会期を見据えたスケジュール調整が必要になる。そのためJRPとしては2019〜2021年までの、3カ年のスパンでスケジュールを考えていくという。


「GT鈴鹿に出向いて、(GTA代表の)坂東さんと来期以降のカレンダーについて話をしてきました」と語るのはJRPの倉下明代表取締役社長。


「再来年(2020年)にオリンピックがありまして、そのオリンピックの年を含めた来年からの3カ年について、我々としてこういう形でカレンダーを作っていきたいと話をしました」


「我々は2&4というレース(形態)を持っていますので、二輪(のレース統括団体)との調整があります。またS耐に関してもチームだけでなくメカニックも参戦する人員が重なってきている状況です。そこを踏まえた調整も必要です」


「スーパーGTについてはチーム、ドライバーが重なっていますので当然、同時開催はできません。ただ、今年の5月のような“4連戦”はファンのみなさんのためにも作ってはいけないものです」


■「レースがある種の“風物詩”になる状況」を見据えたカレンダーづくりを目指す


 JRPとしては「1年を通してバランスよくレースが配置されること、同じ季節に同じサーキットでスーパーフォーミュラのレースがある、レースがある種の“風物詩”になっていくような」状況を理想としているといい、そのための調整を関係各所と進めていくという。


 なお、2020年の東京オリンピックでは富士スピードウェイが自転車競技の会場となっているため、これまでどおりの7月開催は実質的に不可能であり、開催時期の見直しを行うとのこと。ただし、そのほかの大会についてはオリンピック・パラリンピックの会期に重なっていないため、概ね現在の開催時期が維持されそうだ。


 また、スーパーフォーミュラはWEC世界耐久選手権やFIA F2など、海外レースとの関連が強くなっており、チャンピオンシップ上位を争うドライバーがシリーズを掛け持ちした結果、スーパーフォーミュラ全戦に参戦できないような状況も生まれつつある。


 これについて倉下社長は「世界戦のスケジュールが決まるのが大変遅いこと、スーパーGTや我々のレース(日程)が動くと大きな影響や軋みが出て、結果的に5月のような(4連戦)状況を招いてしまう」として、まずは国内各シリーズの日程調整を念頭に置いていく考えを示した。


「できれば重複は避けたいですが、海外戦を考慮せず、国内の二輪、S耐、スーパーGTだけを考えていっても、相当に厳しいカレンダーになっています」


「まずベースとなる国内カレンダーを持った上で、海外レースとの重なりを避けていく。また、ル・マンのように開催時期が明確なレースについては(重複を)回避していく考えです」


 先日のGTA会見と同様に、国内プロモーターが協力していくことが改めて示された2019年以降のスケジュール。関係各所の協力の上、ファンがレースを楽しみやすいスケジュールになることを願うばかりだ。

定例記者会見に出席したJRPの倉下明代表取締役社長


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