エラー数ワースト2位でも阪神が首位快走する理由は?「数は意識していない」という“名将”岡田の意識改革にあり

2023年5月29日(月)6時0分 ココカラネクスト

岡田監督は昨年のインタビューで「負けるとエラーの数とかもクローズアップされる。だから数の意識はしてない」と語っていた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 猛虎の勢いが初夏の訪れとともに増している。5月28日に本拠地・甲子園球場で行なわれた巨人戦で阪神は4-1と勝利。苦汁をなめてきた伝統の一戦で約5年ぶりのスイープを決めた。

 岡田彰布監督は、5月の成績を出来すぎだと、珍しく自軍を褒めた。それも無理はない。怒涛の8連勝を決めたチームは、5月30日から始まる交流戦を前にセ・リーグ首位を堅持。貯金17と最高の状態にある。

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 好調の要因はさまざまに挙げられる。が、やはり肝となっているのは守備陣の安定ではないか。開幕9連敗など散々だった昨季はリーグ最低となる86個のエラーを記録。12球団トップのチーム防御率2.67を記録していただけに、岡田体制が発足する前から守備陣の安定こそが再建のカギと見られてきた。

 もっともエラー数が激減しているかと言えばそうではない。開幕から約2か月時点でのスモールサンプルに過ぎないが、28日時点での26個は中日(35)に次ぐリーグ2番目に多さである。

 それでも今季の阪神はエラーが敗戦に結びつかない。27日の巨人戦では、スコアレスの4回2死無塁の局面で今季から二塁手にコンバートされた中野拓夢がイージーなゴロを弾いて、出塁を許した。だが、先発の大竹耕太郎が後続の長野久義を1球で打ち取って、不穏な空気を断ち切ったのである。このシーンに代表されるように、いわゆる「適時失策」は4月20日広島戦(甲子園)の8回に大山悠輔が記録しただけ。ミスが致命傷になっていないのは明らかである。

 では一体何が変化をもたらしたのか。それは岡田監督が常々口にしてきた心持ちが影響しているのではないか。昨年11月に行なった『CoCoKARAnext』の独占インタビューで66歳の指揮官は“エラーの考え方”について、興味深い持論を語っていた。

「負けるとエラーの数とかもクローズアップされる。だから数の意識はしてない。今年はリリーフ陣で防御率1点台の投手もいたけど、そのブルペン陣で借金が10個あった。いかに大事な場面で、エラーが絡んでいるんじゃないかと見ている」

 どれだけエラーしても構わないというわけではない。もちろんミスをしないにこしたことはない。ただ、プレッシャーがかかるシチュエーションでいかにエラーを減らすかという点においては、ここまでの阪神は、岡田監督が進めた意識改革の効果が間違いなく出ている。

 虎党の悲願である18年ぶりの“アレ”を語るにはまだ時期早々だろう。それでもベンチにドシっと構える指揮官の下でミスを臆せず突き進む阪神には期待せずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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