【日本ダービー】「皐月賞を勝った馬として、恥ずかしくない状態で挑める」ミュージアムマイルが勇気ある“抑えた”仕上げ

2025年5月29日(木)6時15分 スポーツ報知

ミュージアムマイル(中央)は僚馬(右)に先着

◆日本ダービー追い切り(28日・栗東トレセン)

 クラシック2冠目の第92回日本ダービー(6月1日、東京)の最終追い切りは28日、東西トレセンで行われた。皐月賞馬のミュージアムマイルは前走時同様の調教過程を経て栗東・坂路で追われたが、その内容の違いをヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。29日に枠順が確定する。

 一度は納得していた。ミュージアムマイルの調整過程を見ると、皐月賞の時に酷似している。今回はその前走と同じ中5週で臨む一戦。短期放牧からの帰厩日こそ数日違うが、本数や1週前に騎手騎乗で追い切るなど過程はほとんど同じだ。成功体験をいい形で踏襲していると思っていた。

 しかし、だ。最終追い切り後の高柳大調教師から思わぬ言葉を聞いた。「確かに近い形ではありますけど、今回の方が若干、抑えているんです」。今春は3月9日の報知杯弥生賞から始動。他の有力馬より、少し詰まったローテーションで祭典までたどり着いた。「今年3戦目で内面はもうできていると思います」。あくまで前回の調整過程をベースに、やり過ぎずを強く意識。中間の時計も前走時より、わずかながら遅めの追い切りが多い。

 この日の追い切りは栗東・坂路で皐月賞の時と同じスピリットライズ(3歳1勝クラス)が相手。前走で追走した相手に先行する形を選択した。序盤の1ハロン目は17秒0と非常にゆったりと入り、56秒4のタイムは前走時より1秒5も遅い。ラスト1ハロンは逆に0秒3速い12秒1。メリハリの利いた動きに成長を感じた。「今日は調整程度。やる気だけは残しておくという流れにしました」とうなずく。

 高柳大師から最後に「これはこれで勇気がいるんですけどね」と聞いた。万全の仕上げが求められる、しかも2冠のかかる大一番を前に“抑える勇気”は相当な覚悟がいる。だが、表情から不安は全く感じられない。「皐月賞を勝った馬として、恥ずかしくない状態で挑めると思う」。現状に満足しない。若きトレーナーの強い意志が皐月賞馬の仕上げに込められている。(山本 武志)

スポーツ報知

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