“チャレンジャー”として日韓戦へ U-21日本代表、タフに粘り強く“決め切る”仕事を

2022年6月12日(日)15時6分 サッカーキング

リラックスした表情も見受けられた [写真]=川端暁彦

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 AFC U23アジアカップウズベキスタン2022はノックアウトステージの戦いに突入している。グループDを2位で突破したU−21日本代表の次なる相手はU−23韓国代表。2歳年長の「アジアのライバル」(MF斉藤光毅)を向こうに回してのゲームは、日本時間12日22時から幕を開ける。

 マジョルカで久保建英とも共演しているMFイ・ガンインら、2019年のU−20ワールドカップ準優勝メンバーが中核となっている韓国は、誰もが認める今大会の優勝候補。セレッソ大阪で活躍したことでも知られるファン・ソンホン監督に率いられたチームは組織的な練度も高く、間違いなく強敵だ。

「昔は放り込んできていたイメージですけれど、今の韓国は蹴って放り込めるし、パスも繋げる怖さがある」

 そのU−20で唯一韓国と対戦した試合に出場しているGK鈴木彩艶(浦和レッズ)はそう警戒を深める。タフに戦える選手がいるのは当然ながら、テクニカルな選手も多く、今大会のゴールや決定機のほとんどは中央でのコンビネーションから生み出しているチーム。多くの、特に古くからのサッカーファンが“韓国代表”と聞いてイメージするチームカラーとはかなり異なった仕上がりになっている。

 もちろん、いわゆる“韓国っぽさ”が消えているチームというわけではない。「強度の高い相手なので間違いなく難しくなる」とFW藤尾翔太(徳島ヴォルティス)が語り、MF山本理仁(東京ヴェルディ)が「今までやってきた相手以上にデュエルのところはアジアの中で一つ上のランクにある」と分析するように、コンタクトプレーを含めたタフネスが問われる試合になるのは間違いない。

 とはいえ、単に殴り合うだけになってしまうようだと勝機も薄くなる。斉藤が「どんな相手でもボールを握れて、自分たちのサッカーができるようにというのが自分たちのやろうとしていること。どんな相手でもそこは変えずにやっていきたい」と語ったとおり、主導権を完全に握るのは難しくとも、握る時間帯は確実に作っていきたい。

 守備に関してはゴール前での踏ん張りも当然期待したいが、できれば最終ライン手前で韓国の得意とする中央突破を阻止したいところ。「そこで勝つことができればゲームを支配できる」とMF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)が意気込むように、日本の中盤中央に位置する3選手が、どこまでボールを奪い取れるかはキーファクターになりそうだ。

 そして最後はゴール前の精度とパワーの勝負となる。日本はFW細谷真大(柏レイソル)、藤尾が共に好調で得点の期待感は十分。ハイライン志向の韓国に対して、二人とも動き出しから裏を取るプレーを得意としているのも好材料だ。ここまで切り札として起用され、第3戦では結果も出たFW中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)、「勝負強さがある」と指揮官も認めるMF松木玖生らを含め、攻撃陣には“決め切る”仕事を期待したい。

「日韓戦」になってある種の重みが伴う試合だが、2歳年少の日本の立場はやはりチャレンジャー。チームとして積み上げた時間もそう多くはないだけに、まずは自分たちの全力を出し切ってぶつかることにフォーカスしたい。その上で臨機応変の戦いから勝利をもぎ取れるかどうか。日韓戦という場の力によって日本のパリ五輪世代のポテンシャルが引き出されるような、そんなゲームになる予感がしている。

取材・文=川端暁彦

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