エリクセンが1100日ぶりの欧州選手権で復活弾 心停止の悪夢を振り払う

2024年6月17日(月)10時24分 スポーツニッポン

 ◇欧州選手権1次リーグC組 デンマーク1—1スロベニア(2024年6月16日 ドイツ・シュツットガルト)

 デンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(32=マンチェスター・ユナイテッド)が心停止以来の欧州選手権で悪夢を振り払うゴールを決めた。前半17分に敵陣右サイドの深い位置からスローインを得ると素早くリスタート。ペナルティーエリアに走り込んで味方のヒールパスを受けたエリクセンは胸で落としたボールのショートバウンドを右足のつま先で押し込んだ。

 「とても満足しているよ。もうユーロ(欧州選手権)では2度と得点できないかもしれないと思っていたけどね。自分のゴールでチームを助けられてうれしいよ」とエリクセンは喜びをかみしめた。

 1100日前、フィンランドと戦った前回21年大会1次リーグ初戦で試合中に意識を失って倒れ、一時的に心停止となった。ピッチ上で救命措置を受けて一命を取り留めたが、チームの4強躍進はベッドから見守った。半年後には練習を再開したが、植え込み型除細動器(ICD)を使用した状態ではセリエAでプレーできないためインテル・ミラノを退団。22年1月にブレントフォード(イングランド)に加入し、2カ月後の代表復帰を経て半年後にはマンチェスターU(同)へステップアップした。同年のW杯カタール大会出場も果たしていたが、悪夢を払拭するには同じ舞台で活躍してこそ。エリクセンは「幸運にもあの出来事からたくさんの試合を重ねてきたからね。自信を持っていた。ユーロでプレーするのはいつだって特別だ」と感慨深げに振り返った。

 試合は後半に追いつかれて引き分けに終わったが、蘇った司令塔はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。「今大会は前回とは異なる物語になる」。前回4強に続く上位進出に向けてデンマークが新たな一歩を踏み出した。

スポーツニッポン

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