SCB第3戦でトヨタ・カローラ復活の狼煙。ルーベンス・バリチェロ&リカルド・ゾンタが勝利

2021年6月23日(水)17時16分 AUTOSPORT web

 6月18〜20日にブラジル・サンパウロの内陸部に位置するヴェロチッタで開催されたSCBストックカー・ブラジル第3戦は、開幕から連戦のインテルラゴスでシボレー陣営に押される展開が続いてきたTOYOTA GAZOO Racingブラジル(TGRブラジル)勢が躍進。


 2014年シリーズチャンピオンのルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)がレース1を、2020年の開幕戦でトヨタ参戦初勝利を記録したリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)がレース2でそれぞれ勝利を挙げ、このヒートではカローラが表彰台を占拠するなどトヨタ陣営が復活の狼煙を上げている。


 土曜からクオリファイレースを開催する変則フォーマットを採用した今回のイベントでは、前戦ポール・トゥ・フィニッシュと好調のガブリエル・カサグランデ(A.マティス-フォーゲル/シボレー・クルーズ)に初戦こそ奪われたものの、続くヒート2ではバリチェロが復調を予感させる走りで勝利を挙げ、ゾンタもその背後に続くなど、TGRブラジル陣営にとっては日曜の躍進に期待が高まる初日となった。


 こちらは前戦同様、2ヒートともに30分+1ラップの決勝に向け計時予選を戦ったバリチェロは、前評判どおりレース1のポールポジションを獲得すると、スタート直後のアクシデントにも動じず。ルーティンピット時を除いてトップランを堅守する盤石のレース運びを披露し、2位のディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)と3位のカサグランデを抑え切り、見事ポール・トゥ・フィニッシュで今季2勝目を手にした。


「このインターバルの間は、クルマを改良するためワークショップで何週間も働いたから、ここで起こったことすべてにとても満足している。このレースで僕のカローラは非常にうまく機能してくれたよ」と、タイトル戦線にも復帰したバリチェロ。


「今回のポール獲得と優勝で50点を加算することができた。ランキング上位トップ6は規則に従ってウエイトを搭載することになるが、重りを積めるというのはなんと名誉なことだろう(笑)。チャンピオンシップのために戦うことこそ、僕の望みだからね」

レース前には現UFC世界ライト級王者チャールズ・オリベイラの表敬訪問を受けたフェリペ・マッサ(Lubrax Podium Stock Car Team/シボレー・クルーズ)だが、戦績は振るわず
ここヴェロチッタに拠点を構えるCrown Racingは、5冠の“帝王”カカ・ブエノと必勝を期したが、トップ10に絡めず
レース1に向けポールポジションを獲得したルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)が、30分+1ラップの決勝を完全に支配する
土曜の予選レースで勝利していたガブリエル・カサグランデ(A. Mattheis-Vogel/シボレー・クルーズ)は、レース1で3位に


■レース2ではリカルド・ゾンタのトヨタ・カローラが勝利


 このレース1では、表彰台圏外に名門ユーロファーマRCの2台が続き、4位にWEC世界耐久選手権レギュラーのダニエル・セラ、そして5位に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から復帰の開幕勝者リカルド・マウリシオが続く結果に。その背後にはバリチェロのチームメイトである隣国アルゼンチンのスター、マティアス・ロッシ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)がSCB自己最上位を更新する6位に入っている。


 続いて開催のレース2は、前戦10位フィニッシュでリバースポールを獲得したゾンタが、先輩のレース運びをお手本とするかのような“ライト・トゥ・フラッグ”を敢行する。30分間首位を守り抜いたゾンタの背後には、終盤に10番手発進のバリチェロが迫る驚異のパフォーマンスで連続表彰台を獲得。3位にもセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)が入り、TGRブラジル勢がポディウムを独占するリザルトとなった。


「土曜も2位に入れたし、ここで良いポイントを獲得できてとても幸せだ。チームの戦略とピットストップも決まって本当にクールだったね」と、レース1スタートでの出遅れを挽回する勝利を挙げたゾンタ。


「そう、レース1ではアウト側のラインを選んだけれど、タイヤが埃を拾って6つほどポジションを失ってしまったんだ。マシンはうまくセットアップできていただけに残念だ。ここは“プッシュ・トゥ・パス”での追い抜きも難しく、レース2に集中する戦略が功を奏したよ」


 一方で、今季フル参戦のトニー・カナーン(フルタイム・バッサーニ/トヨタ・カローラ)は21位とリタイア、ネルソン・ピケJr.(ピケ・スポーツ/トヨタ・カローラ)も同23位にリタイアと苦戦。こちらも今季初のフル参戦となるシボレー陣営、フェリペ・マッサ(ルブラックス・ポディウム・ストックカー・チーム/シボレー・クルーズ)も、両ヒートともトップ10圏外と厳しい戦いが続いている。


 この2021年は“PRO SERIES”とのサブネームを掲げるSCBストックカー・ブラジル。続く第4戦は7月9〜11日の週末に、パラナ州カスカバルで開催される。

レース1での失速を逆手に、このレース2に向けリバースポールを得たリカルド・ゾンタ(RCM Motorsport/トヨタ・カローラ)
今季から電撃フル参戦を決めたトニー・カナーン(Full Time Bassani/トヨタ・カローラ)は、現在ストックカー習熟中
母国のスーパーTC2000でもバリチェロの僚友を務めるマティアス・ロッシ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)。SCBでは逆の立場でエースを支える
優勝&2位表彰台を獲得したバリチェロは、週末のMVPに相当する“Man of The Race Claro 5G“も獲得した

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