F1 Topic:わずか3コーナーで母国レースを終えたガスリー、腐ることなく週末の課題をチームと共有

2018年6月27日(水)8時0分 AUTOSPORT web

 フランスGPのレース後、午後6時30分に予定されていたピエール・ガスリーの記者会見は延期された。スタート直後の事故に関して、レース審議委員会から呼び出されていたからだ。 


 ガスリーの会見が始まったのは、午後8時前のこと。約1時間半遅れで始まった会見だが、飛行機のフライトの時刻が迫っていたガスリーは大きなカバンを手に、帰り支度を済ませてやってきて、「5分間だけにしてほしい」(チーム広報)という状況で始まった。


——スタート直後に何が起きたのか教えてほしい。
「前方で接触があったみたいで、1コーナーと2コーナーが大混乱だった。そのため、多くのマシンがコース外に逃げていた。僕はコース上にとどまって、3コーナーに向かっていた。すると前方にエステバン(・オコン)のマシンが見えた。彼のマシンはダメージがあったみたいで路面から火花が散っていた。彼のマシンはコースのアウト側の左側を走っていて、インサイド(右側)が空いていたから、迷うことなくインに飛び込んだ」

2018年F1第8戦フランスGP ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)が決勝1周目にクラッシュし、リタイア


「すると突然、エステバンがコーナーのエイペックスに向かって、アウト側からイン側にマシンを寄せてきた。僕は接触を避けようと、できる限りのブレーキングをしたけれど、そこにはスペースがまったく残っていなかった。もう僕にはどうすることもできなかった。おそらく、彼は僕のことを見ていなかったんだと思う。たったコーナー3つで、母国グランプリが終了するなんて、最悪の気分。しかも事故を起こしたのがフランス人ドライバー同士なんて、なんといって言いのか……」


 そのあと、筆者は「なぜ、1時間半もレース審議委員会から帰ってこなかったのか?」と尋ねると、ガスリーはこう答えた。


「レース審議委員会に行った後、エンジニアたちとミーティングを行っていたんだ」


 スタート直後の3コーナーでリタイアしたガスリー。いったいどんなミーティングを行っていたのか? 田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターに聞いた。


「(ブレンドン・)ハートレーのほうは完走しているので、スタートから第1スティント、第2スティントの走りを振り返り、良かった点や課題を洗い出します。ガスリーはスタート直後にリタイアしてしまいましたが、フォーメーションラップは走っているし、レースもスタートは切っているので、その部分をレビューし、そしてアクシデントで何があったのかを話していました」


 ただし、ガスリーがエンジニアに語っていたのは、それだけではない。


「日曜日のレース後のミーティング(話し合い)は、レースのデブリーフィング(事後報告)だけでなく、週末を通しての課題はなんだったのかをチーム、パワーユニット、ドライバーで共有する時間にもなっています。だから、1周目でリタイアしたガスリーも、今週末感じていた課題をエンジニアに指摘していました」

ピエール・ガスリーの記者会見はきっちり5分で終了


 会見はきっちり5分で終了。そして、サーキットを後にした。会見の席で事故の不満を言うことより、次のレースに向けて、できるだけ長い時間をエンジニアとのミーティングに充てていたわけである。その姿勢が次に生かされることを願いたい。


AUTOSPORT web

「レース」をもっと詳しく

「レース」のニュース

「レース」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ