グリッケンハウス、WEC“ハイパーカー”プログラムの詳細明かす。エンジンはOEMで調達か

2019年6月27日(木)12時14分 AUTOSPORT web

 アメリカに拠点を置くスポーツカーコンストラクター、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)のジェームズ・グリッケンハウスは、WEC世界耐久選手権の2020/2021年シーズンから導入される“ハイパーカー規定”に向けた、同チームのプログラムが最終決定に至る過程にあると語った。


 ニュルブルクリンク24時間などで活躍するSCGは現在、2020年9月にスタートするWECの最高峰カテゴリーへの参戦に向け、新型プロトタイプマシンの準備を進めている。


 グリッケンハウス氏は、『SCG 007』と呼ばれる新型ハイパーカーの組み立てを2019年9月に開始する予定であるとし、来年1月か2月の本格的なロールアウトに間に合わせるため、今年後半にはテストを開始させたい考えであることを明かした。


 また、グリッケンハウス氏によるとチームは現在、WECのOEMメーカーとエンジンに関する契約交渉を進めており、エンジンタイプはV6ツインターボユニットを検討しているという。


「(WECの)新しいルールが完成した。そして同時に、我々もクルマのデザインとエンジンに関して、自分たちがやろうとしていることが明確になった」とグリッケンハウス氏。


「事実、我々のもとには、SCGにエンジンを提供することに興味を持っている、非常に大規模でメジャーなOEMがいくつか存在する。新たなルールではプロトタイプカーであっても、ロードカー用のエンジンを使いやすくするための規則が定められているんだ」

2019ニュルブルクリンク24時間に参戦したSCG 003C


「私は先週末のニュルブルクリンク24レースで、いくつかのメーカーと契約に関する話を始めた。彼らのなかには、SCGにレース用エンジンを売ることはできないとはっきり言った人もいた」


「しかし、ある人は我々の提案に興味があり、当該メーカーがル・マン用にクルマを作っていないので、『エンジンを供給することに問題はない』と言っていたよ」


■SCGは予定どおり、ハイブリッドシステムを搭載へ


 2019年のル・マン24時間で明らかにされた改正版ハイパーカー規定によって、ノンハイブリッド車の参戦が正式に許可されたものの、SCGでは当初の予定どおり、ガソリンエンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムの搭載を望んでいる。


「我々はおそらくハイブリッドカーを作ることになるだろう。それは600馬力のガソリンエンジンと前輪に150馬力のパワーを送る電動ハイブリッドの組み合わせになるはずだ」


「そして、我々はSCG 007を(ロードカーベースではない)プロトタイプ規則にあわせて制作する予定だ」


「安全基準を満たす、セーフティセルとしてのモノコックを設計すれば、(その他の部分は)プロトタイプ規則に合わせてクルマを作り上げるのは容易だ。また、ロードカーからレースカーに仕立て直すよりもはるかに簡単で安価にできる」


「我々は2台目のSGCマシンとなったP4/5コンペティズィオーネで、ハイブリッドシステムに関するおおくの仕事をやり遂げている。そして、この分野がレースにとって非常に興味深いものだと考えているんだ」


「ブレーキで失う運動エネルギーをモーターで回収し、それをパワーに変換する真のハイブリッド車が好ましい。我々はこのプログラム


「ブレーキエネルギーを回収し、それを馬力に変換する、真のハイブリッド車が好きです。楽観的な考えかもしれないが、我々はこのプログラムが本当に良いものになると思っていんだ」

2018年7月に公開されたプロトタイプカー『SCG 007 LMP1』


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