【コラム】新シーズンへ向け積極補強を続けるローマ、その裏で抱える問題とは

2018年7月4日(水)17時32分 サッカーキング

ローマは積極的な補強で強化を図っている [写真]=Getty Images

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 ローマが夏のメルカートで着々と選手の獲得を続けている。

 早い時期に元オランダ代表FWパトリック・クライファート氏の息子、19歳のFWジャスティンを推定移籍金1800万ユーロ(約23億4000万円)で迎え入れた。下部組織から育ってきたアヤックスとの契約満了を受け、代理人のミノ・ライオラ氏が素早く仕事をした。そして、いずれはイタリア代表を背負うのではないかと期待のかかるMFブライアン・クリスタンテを2000万ユーロ(約26億円)でアタランタから、またパリ・サンジェルマンからはアルゼンチン人MFハビエル・パストーレを2500ユーロ(約32億5000万円)で獲得した。

 このほかにもインテルからイタリア人DFダヴィデ・サントン、ボローニャからはベテランのイタリア人GKアントニオ・ミランテが加入。エウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督としては、サッスオーロ時代の教え子であるイタリア人FWドメニコ・ベラルディも欲しいところだ。

 ただ、ローマのメルカート戦略はすべてが順調に進んでいるわけではなく、いくつかの問題も抱えている。

 まず、スポーツ・ディレクターのモンチ氏はそろそろ“売り”に出す選手について、スピードを上げていかなければならない。元ベルギー代表MFラジャ・ナインゴラン(→インテル)を売却したことで移籍金3800万ユーロ(約49億4000万円)が入ってきているが収支はマイナスで、できるだけゼロを目指すべきだろう。放出リストにはブラジル人DFホアン・ジェスス、同DFブルーノ・ペレスらの名前が挙がっている。

 もう一つの問題はレアル・マドリードやチェルシーからもオファーがあるブラジル代表GKアリソンの去就だ。同選手には昨シーズン終盤から国外の複数クラブが興味を持っているといわれ、ジェームス・パロッタ会長がナーバスになっていた時期もあった。放出する場合はナインゴラン以上の移籍金となる見込みで、クラブとしては大金を得るチャンスではある。しかし、セリエAとチャンピオンズリーグを戦っていかなければならないローマとしては、アリソンなしのチーム作りは考えにくいのも事実だ。

 そしてもう一人、2019年に契約が切れる右サイドバックのイタリア代表DFアレッサンドロ・フロレンツィの去就も問題だ。契約更新か移籍か。クラブ側は現在の250万ユーロ(約3億2500万円)という年俸のキープを望んでいるが、フロレンツィ側は300万ユーロ(約3億9000万円)以上の額が妥当だとしている。モンチ氏とフロレンツィの代理人アレッサンドロ・ルッチ氏による直接の話し合いはまだ実現していない。しかし、1週間以内にチームは始動する。合宿に入るまでに解決し、選手にはすっきりとした気分でトレーニングに臨んでもらいたいものだ。

文=赤星敬子

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