清水エスパルス、J1昇格へのカギを握る期待の3選手【J2リーグ2023】

2023年7月10日(月)21時30分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

7年振りにJ2リーグを戦う2023シーズンの清水エスパルス。開幕前の清水は多方面から「J2では圧倒的な戦力」と評価されていた。しかし、始まってみれば開幕から5連続引き分けを含む7戦勝ち無し。第7節(4月1日)のヴァンフォーレ甲府戦終了後には、昨年途中からチームを率いていたゼ・リカルド監督の解任にまで至るなど、前評判とはかけ離れた序盤戦を過ごした。


その後、秋葉忠宏監督体制になり3度の大勝を含む8戦負けなしで息を吹き返したが、序盤の取りこぼしの影響も大きく自動昇格圏に入っていない状態が続く。だが、初めてJ2を戦った2016シーズンを思い起こせば、後半戦は怒涛の9連勝などで大きく勝ち点を積み上げ昇格を果たしている。


ここでは、そんな2016年の追い上げを再現するためにも、2023シーズン前半戦は怪我の影響で出場機会が伸びなかったものの、後半戦での活躍が期待される清水のJ1昇格のキーマンを3名紹介していく。




清水エスパルス DF山原怜音 写真:Getty Images

DF山原怜音


昨2022シーズンはルーキーイヤーながら、不動の左サイドバックとして躍動したDF山原怜音。最前線に構えるFWチアゴ・サンタナと強力なホットラインを形成したほか、精度の高いボールを数多く前線へ供給し、チームトップとなる8アシストをマークした。その実力ゆえ、チームの降格に伴いJ1クラブへの流出も懸念されたが、今季も清水で戦うことを選んでいる。


しかし、チームが不調にあえいでいた第6節(3月29日)で無念の負傷交代。その後クラブより8週を要する離脱の発表がなされ、前半戦での復帰は叶わなかった。6月7日の天皇杯で一旦は戦列に復帰したものの、以降未だリーグ戦での出場は無く7月9日に第25節が終了した。


山原の魅力は高いキック精度だが、もう1つ大きな武器として挙げられるのが縦への推進力だ。山原不在の現在、左サイドバックはDF吉田豊やMF西澤健太らが務めている。守備面では吉田の経験値も負けていないが、攻撃面(特に推進力や突破力)ではやはり山原が勝る部分が多い。


秋葉監督のアグレッシブなスタイルを実現するには、両サイドとも矢印を縦に向けられる選手の起用が不可欠。山原が怪我から復帰し、昨年以上の活躍を見せられれば、自ずと結果が付いてくると言っても過言ではなく、後半戦のキーマンの1人になることは間違いない。


清水エスパルス MF成岡輝瑠(SC相模原所属時)写真:Getty Images

MF成岡輝瑠


2021シーズンはSC相模原、昨2022シーズンはレノファ山口と、期限付き移籍した2クラブで経験を積み、今年の冬に清水へ帰還したMF成岡輝瑠も2023シーズン後半戦のキーマンの1人と言えよう。


前半戦は開幕前の怪我で出遅れ、4月に再び負傷した影響もありリーグ戦出場はわずかに2試合。だが、そのわずかな出場時間でも武者修行の成果とその高い能力の片鱗を見ることはできた。縦へ付ける意識の高さ、出足の鋭い守備、ワンタッチで前を向ける技術、いずれの能力も現在チームが必要とするものではないだろうか。


特にパスによるゲームメイクについては、現状高い創造性と確かな技術でゲームを作るMF乾貴士の負担軽減に繋がることもチームにとっては大きなプラス要素だ。また、昨年山口での活躍を振り返れば、出場試合数はわずか7試合にとどまったものの、その限られた時間の中で3ゴールをマーク。うち1本は綺麗にコースを突いたミドルシュートだった。わずか1本ではあるものの、ミドルレンジから効果的なシュートが少ない今の清水にとっては希望の光に見える。


近い将来、クラブの中核を担える存在なだけに、J2で苦しむチームを救う活躍と成長に期待したい。




清水エスパルス MFヘナト・アウグスト 写真:Getty Images

MFヘナト・アウグスト


負傷により2021シーズンからの長期離脱を余儀なくされたMFヘナト・アウグスト。今季5月3日の第13節徳島ヴォルティス戦で待ちに待ったリーグ戦復帰を果たし、6月28日の第21節ではブラウブリッツ秋田との試合でセンターバックとして後半途中までプレーしている。


これほどの長期離脱からの復帰となれば、当然、試合勘の戻りが大きな懸念材料となるだろう。だが、出場した2試合ではいずれも安定感のある冷静なプレーを見せており、今後さらなる活躍が十分に期待できると言えよう。


本職であるボランチは、今季MFホナウドやMF白崎凌兵、MF宮本航汰が主軸となっているが、対人守備や守備範囲の広さ、純粋な高さなどヘナトが上回る部分も多くある。加えて、機を見た攻撃参加も大きな魅力。屈強なフィジカルを活かした強引な突破やミドルシュートなど、度肝を抜いたプレーの数々を覚えているファンやサポーターも多いことだろう。


センターバックへのポジションチェンジやアンカーとしての起用も考えられるため、秋葉監督になって以降度々見られる試合中のシステム変更にも柔軟に対応できるだろう。また、より攻撃的な選手の投入が可能になることも、現監督のアグレッシブなスタイルを形成する重要なピースと言える。完全復活には多くの時間を要するだろうが、1年でのJ1復帰を実現するためにも、後半戦での復調を願うばかりだ。

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