小林可夢偉、2020年デイトナ24時間参戦決定。東京・有楽町での優勝記念イベントで発表

2019年7月19日(金)17時34分 AUTOSPORT web

 7月19日、東京・有楽町の商業施設で小林可夢偉のデイトナ24時間制覇を祝した記念イベント『コニカミノルタ presents デイトナ24時間レース 小林可夢偉優勝イベント supported by ウェイン・テイラー・レーシング&J SPORTS』が行われた。この催しに登場したウェイン・テイラー・レーシング(WTR)代表兼オーナーであるウェイン・テイラーから、可夢偉の2020年デイトナ24時間レース出場が発表されている。


 可夢偉は今年1月、アメリカ・フロリダ州で行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースにWTRから初参戦。フェルナンド・アロンソらと総合優勝を飾った。“世界三大耐久レース”のひとつに数えられるイベントにおいて、日本人ドライバーとして4人目、27年ぶりの快挙だった。


 その偉業を記念して開催された今イベントでは冒頭、コニカミノルタの山名昌衛代表執行役社長兼CEOが登壇し、「弊社はウェイン・テイラー・レーシングのメインスポンサーをしております。そのWTRチームが参戦する世界3大耐久レースのひとつであるデイトナ24時間に、日本人として小林可夢偉選手が参加してくれ、見事に優勝を果たすという結果を残してくれました」とコメントした。


 また、山名社長はデイトナ24時間を前に可夢偉がコニカミノルタのオフィスを訪れた際のエピソードを紹介。「可夢偉選手が『必ず勝って帰ります』と高らかに宣言して、まさしく有言実行です」と改めてその偉業を讃えている。


 続いて登場した可夢偉は「本当のことを言うと、このレースを勝つと高級時計“ロレックス・デイトナ”がもらえるという単純な理由で、『よし出よう!』という感覚だったんです」と会場を和ませた。


 そのデイトナに出場したことで、アメリカのモータースポーツに触れた可夢偉は、その印象について「エンターテインメントを追求し、お客さんを喜ばせるために、どうするかというのがすごく考えられたレースの内容で、かつファンとの近さをヨーロッパ以上感じました。こんなレースがあるんだと驚く半面、これがレースじゃないかなと思うところもありましたね」と語っている。


 レースの振り返りでは、アロンソとWTRのレギュラードライバーであるジョーダン・テイラー、レンガー・バン・デル・ザンデとの組んでの勝利に「勝てるときというのは本当にチャンスが巡ってくる。逆に勝てないときは勝てない。そのなかでどうすれば勝てるのかをフェルナンド(・アロンソ)たちと一緒に考えていました」と語った可夢偉。


「正直なところ世界三大耐久レースというのはなかなか一回で勝てるレースじゃないので、そういう意味ではラッキーでもあったし、勝つためにドライバーやチームが努力が実って優勝を実現できたことをたくさんの人に感謝したいと思います」と述べた。


■展示された10号車キャデラックDPi-V.Rはレースを戦った本物


小林可夢偉と花束を贈呈した山名昌衛代表執行役社長兼CEO

 また、可夢偉も自身初めての経験だっというオーバルコースの特徴として、身体に独特なGがかかることを説明。


「実際に立ってみると壁みたいに感じるあのバンクを大体300km/h近い速度で行くと、Gの影響で首が勝手に下を向くんですよ。だから見る目線がいつものレースと全然違うんです」


「しかし、そういう新しい経験もしながら『どうしたら抵抗なくバンクに行けるかな』などをドライバー同士で共有していたので、僕も(対応に)時間をかけずに走れました」


 イベントの会場には2019年のデイトナを制した4人の名が記された10号車キャデラックDPi-V.Rが展示された。


 可夢偉によれば、このマシンは展示用のモックアップではなく実際のレースを戦ったマシンであるといい、WTRは今回、2019年シーズンで使用しているレース用シャシーを日本に空輸。2週間後に行われるシリーズ第9戦ロード・アメリカでは、もうひとつのシャシーでレース車両を組み立てるという。


「来年もこのシャシーでレースをするかもしれません。結構レアなものが来ているのでぜひ、みなさんとそれを共有できればと思います」と可夢偉。


 その来年についての重大発表はWTRのボスで、アメリカレース界のレジェンドでもあるテイラー氏から発せられた。


「2019年最初に行われたレースで優勝を飾ったことを大変光栄に思っている」と語ったテイラーは、「その優勝はここにいる可夢偉がいたからこそ成し遂げることができたんだ」と続けた。


 かつてはドライバーとして活躍し、チーム代表として長年に渡ってレースを戦ったきたテイラーだが、コニカミノルタのサポートを受けてきたなかでも、日本人ドライバーと一緒に仕事をしたのは今回が初めてだったという。


 テイラーは自らラブコールを送った可夢偉について、「本当に彼は世界で一番速いドライバーだと感じ、それだけでなく性格も素晴らしくい。一緒に仕事ができたことを光栄に感じているよ。この場を借りて感謝したいと思う」


 その後、可夢偉とともに展示車両のアンベイルを行ったテイラーは、満を持して可夢偉とふたたびデイトナ24時間に挑むと発表。


「この場で、世界で初めての発表となる。2020年も可夢偉に我々のチームから参戦してもらう」と宣言したテイラーは、これとあわせて引き続きコニカミノルタがのサポートを受けることを明かしている。


 2年連続でデイトナ24時間に参戦することになった可夢偉は、改めてその心境を問われると「デイトナ24時間に初めて出て勝てたからといって、また来年チャレンジしてもそう簡単には勝てないと思いません」とコメント。


「ですから、そのための準備をしっかりして、まずは気を引き締めて勝つためにはどうしたらいいかを考え、2年連続でデイトナで勝てるように臨みたいと思います」と意気込みを語った。

アンベイルされた10号車キャデラックDPi-V.R
イベントに登場した小林可夢偉とこの日のために来日したウェイン・テイラー


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