まるで“新コーナー”!? ブランパンGTアジア富士戦はショートカットコースで開催へ

2018年7月20日(金)19時19分 AUTOSPORT web

 7月20〜22日に、富士スピードウェイで開催されるブランパンGTシリーズ・アジア第7戦/第8戦。20日は45分間のフリープラクティスが2回開催されたが、今回のレースは急遽、ダンロップコーナーのレイアウトが変更され、ショートカットコースで開催されることになった。


 2017年から開催され、今季で2年目を迎えたブランパンGTシリーズ・アジア。6月30日〜7月1日に鈴鹿サーキットで開催された第5戦/第6戦に続き、7月20〜22日に開催される富士スピードウェイでのラウンドを迎えた。


 今回のブランパンGTアジアは、『ザ・ワンメイクレース祭り2018』のイベントのひとつとして開催され、多数の併催レースが行われるが、すでに19日から走行がスタートしていたランボルギーニ・スーパートロフェオの走行から、ダンロップコーナーのクリッピングポイントの縁石付近に、路面の剥がれが起きていることが判明した。折からの猛暑の影響なのかは不明だが、急遽補修が行われることになった。


 ただ、ブランパンGTアジアとスーパートロフェオでは安全性を考慮し、今回の富士ラウンドではダンロップコーナーの通常のコースを使わないことになった。このイベントで使用されるのは、外側に設けられているショートカットだ。これまでレースで使われたことはあったというが、大きなレースでの使用はほぼ初めてだろう。


 このレイアウト変更によって、ダンロップコーナーは速度域がまったく異なる右コーナーに変貌を遂げることになった。実際にフリープラクティスの際に見にいくと、まだ感覚を掴めていないドライバーが多いのかコースアウトも多く、巻き上げた土埃で非常にダスティ。ただ、今までにないコーナリングが観られ、なかなかエキサイティングなコーナーに変貌していた。


■ドライバーからは好評!?


「新鮮ですよね。(鈴鹿の)デグナーひとつめ……とまではいかないまでも、速くて楽しいコーナーになってますね。富士スピードウェイは全部コーナーの奥側が狭くなっていますが、あそこは外側が広くなっているので、アグレッシブにいけるコーナーが“できた”感じです」というのは、D’station Radingの荒聖治。


「3速で抜けるんですが、高速コーナーに近くて面白いです。すごく新鮮ですよ。ただ、あそこでオーバーテイクはできなくはなりますね」とチームメイトの星野敏も口を揃える。


 同じポルシェ911 GT3 Rを使うPorsche Team EBIの山野直也は、「僕はスポーツ走行で何度かあのレイアウトを走ったことがあるんです。イメージはあったので、GT3カーで走っても同じ印象ですね」という。

路面補修が行われたダンロップコーナーのひとつめのエイペックス
ダンロップコーナーのショートカットレイアウトを走るD’station Racingのポルシェ。コースアウトしていなくても非常にダスティ


「速く曲がれそうで曲がれない。エイペックスがこのコースのボトムで、そこから登りになっているのでいけるかと思いきや、立ち上がりで外側にはらみやすいです。あと、常にコース上あそこには砂利が落ちてましたね(笑)。そのせいもあってグリップしない」


「それと、続く13コーナーへのアプローチも、当然車速が高くなっているじゃないですか。ふだんより高いスピードで入っていくので、オーバーステアが出やすい」


 また、今季チームメイトとなる兄の山野哲也は「右コーナーだけど、先が見えづらい。アウトがどこまでいけるか難しい。エイペックスから立ち上がっていくところに、路面のアンジュレーションがあって、そこで四輪のグリップがバラバラになる。路面のうねりを味方につけないといけないですね」と評する。


 一方、「僕たちのフェラーリにとっては良い感じですね」というのは、CARGUY Racingのフェラーリ458を駆る横溝直輝。また、「新しいコーナーみたいになっていて、まだ手こずっていますね。13コーナーもまた別なコーナーになっていて、新鮮です」と同じくCARGUY Racingの木村武史も印象を語ってくれた。


■オーバーテイクは不可能か


 今回のダンロップコーナーのレイアウト変更により、この日のフリープラクティスでは、上位のマシンは1分38秒台を記録した。昨年の予選タイムが1分41秒台だったことを考えると、3秒近くタイムが上がっている。


 ただ星野のコメントにもあるとおり、ダンロップコーナーの速度域が上がったことで、オーバーテイクポイントとしてのコーナーではなくなってしまったように感じられる。一方で、13コーナーのブレーキングで並びかけるシーンは増えるかもしれない。また、現在のところ2速に落とすか、3速で曲がるかも試行錯誤しているドライバーが多いようで、レイアウト変更への“慣れ”も重要なポイントになりそうだ。


 いずれにしろ、不運な路面のダメージから生まれた今回のレイアウト変更により、見慣れた富士スピードウェイでまた別な走り、レースが観られるのかもしれない。なお、この週末開催されるGAZOO RACING 86/BRZ Race等のレースでは、通常どおりのコースレイアウトが使用される。

ショートカットが使用されるダンロップコーナーの外側ではコースアウトするマシンが多く、そのたびに土埃が巻き上がった
ダンロップコーナーのショートカットレイアウトを走るアウディとメルセデス。コースアウトしていなくても非常にダスティ


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