「オオタニに近い立場」米老舗誌の記者が井上尚弥のポテンシャルを激賞！ フルトン戦勝利を推挙「踏み台にしかならない」

フルトンという強敵に挑む井上。彼の勝利を目の肥えたアメリカの識者たちも信じてやまない。(C)Getty Images

　3日後に迫った世紀の一戦には世界が熱視線を送っている。

　7月25日に東京・有明アリーナでボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が、WBC＆WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン（米国）に挑戦する。

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　世界中にネットワークを誇るスポーツ専門局『ESPN』での中継が決まるなど、ボクシングの本場アメリカでも注目度は高まる一方だ。そうしたなかで創刊102年の歴史を誇る権威のある老舗専門誌『The Ring』は21人の海外識者に試合の勝敗予想を実施。タグ・フィッシャー編集長をはじめとする18人が井上の勝利を支持した。

　日本が生んだ“モンスター”の勝利が予想の大半を占めた。そのなかで興味深い意見を論じたのは、同誌のノーム・フロイエンハイム記者だ。井上について「彼の身長は決して大きくはない。だが、フルトンは、同胞たちの前でイノウエを倒すという壮大な目標に挑んでいるとしか言えない」と指摘し、挑戦者の持つ規格外のポテンシャルを称えた。

「最近、日本の笹川スポーツ財団が実施した世論調査で、イノウエは4番目に好きなスポーツ選手に選ばれた。彼は『日本のベーブ・ルース』であるオオタニではない。しかし、彼はそれに近い立場にいる。たしかにフルトンには経験がある。ベルトも2つ持っている。ジュニア・フェザーでの実績もある。しかし、日本では、3階級制覇王者（イノウエ）の踏み台にしかならないだろう」

　そして、フロイエンハイム記者は井上の戴冠を断言する理由も記している。

「技術力に優れたフルトンは、スコアカードでの争いに持ち込むうえで十分な力を見せるかもしれない。しかし、イノウエのパワーと精度、それとダイナミックさを混ぜ合わせた攻撃は、とくに後半ラウンドに威力を発揮するに違いない」

　いまや米スポーツ界でも知らない人はいないほどのアスリートとなった大谷翔平（エンゼルス）の名とともに称えられた井上。ワールドクラスのタレントになりつつある30歳は、フルトンといかに戦うのか。激戦必至のマッチアップの瞬間が刻一刻と迫っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]