ポルシェ、『911』60周年を記念する『911S/T』を受注開始。最軽量ボディにマニュアル駆動のピュアスポーツモデル
2023年8月2日(水)16時41分 AUTOSPORT web

ポルシェジャパンは8月2日、ブランドのアイコンである『911』の60周年を記念したモデル『911 S/T』の予約受注を全国のポルシェ正規販売店で開始すると発表した。1963台限定で生産される『911 S/T』は、ドライビングを最大限に楽しむためのピュアスポーツモデルとして、公道での走行にフォーカスした再設計が施されている。
エンジンは、公道用ハイパフォーマンスモデルの『911 GT3 RS』と同じ4.0リッター自然吸気エンジンを搭載し、新設計の軽量クラッチを採用。さらに、525psの高回転エンジンにはクロスレシオの6速MTが組み合わされ、爽快なドライビングフィールを実現する。
『911 S/T』専用部品として新しく開発された軽量クラッチは、シングルマスフライホイールとの組み合わさることで、回転質量が10.5kg軽量化されている。これにより、自然吸気エンジンの応答性は大きく向上され、『911 GT3』よりもクロスレシオの6速MTと組み合わせることで停止状態から100km/hまでわずか3.7秒で加速し、最高速度は300km/hに達する。
また、『911 S/T』が純粋なスポーツモデルたる所以として特徴的なのは、徹底した軽量化だ。ボンネットやルーフ、フロントフェンダー、そして目立つインレットを備えたドアなどの外装部品は、軽量の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で製造される。
ロールケージ、リアアクスルのスタビライザー、シアパネル(リアアクスルの補強エレメント)なども同様にCFRPで構成され、車両のあらゆる部分に軽量設計を施している。そのほかにも、回転部であるホイールやブレーキにはマグネシウムホイールやPCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)を採用することで、回転質量を低減。
さらに、リチウムイオンスターターバッテリー、軽量ガラスを標準装備し、断熱材の削減やリアアクスルステアリングの省略、軽量クラッチの採用によるパワートレインの軽量化など、徹底的な車体全域の再構成を行ったことで、車両重量は992世代のなかで最軽量となるわずか1380kgとなっている。
エクステリアデザインとしては、ポルシェが1969年に『911 S』に追加したレースバージョンの『911 ST』(社内呼称)にインスピレーションを受けている。このレースバージョンには、大型スポイラーやその他の空力補助装置が採されていなかったため、その呼称に基づく『911 S/T』もシンプルなスタイリングを継承している。
エアロダイナミクスもサーキットではなく公道向けに最適化されており、標準装備として、展開式リアスポイラーのガーニーフラップが装着される。ホイールには、フロントに20インチ、リヤに21インチの軽量センターロック式マグネシウムホイールが採用されている。また、CFRP製フルバケットシートも標準装備となり、追加料金なしで4way調節機能付スポーツシートプラスが装着可能だ。
そして『911 S/T』には、販売オプションとして専用のヘリテージデザインパッケージが用意されており、新しいエクステリアカラーであるショアブルーメタリックとホイールリムカラーのセラミカがこのモデルの専用カラーとして設定されている。さらに購入者の要望に応じて、ドアに0から99までのスターティングナンバーと、デコレイティブホイールセンターキャップを取り付けることができる。
『911 S/T』の希望価格は4118万円(税込)。8月2日より全国のポルシェ正規販売店にて予約受注が行われる。
●ポルシェジャパン:https://www.porsche.com/japan/jp/
■新型ポルシェ911 S/T価格(2023年8月2日付)
車種 | トランスミッション | ハンドル | 希望小売価格(消費税込) |
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911 S/T | 6速MT | 右/左 | ¥41,180,000 |