ラリー・フィンランドは接戦に。ヒョンデのタナクが首位浮上も、ラッピが僅差で追う/WRC第8戦

2022年8月6日(土)11時18分 AUTOSPORT web

 前日に北欧フィンランドのユバスキュラで開幕した2022年WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・フィンランド』は8月5日、競技2日目のSS2〜10が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が順位をひとつ上げて総合首位に立った。地元在住の日本人WRCドライバー、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手につけている。


 第7戦エストニアと同様に、“超高速”グラベル(未舗装路)イベントとして知られる伝統のラリーにおける本格的な戦いが5日金曜からスタートした。デイ2のオープニングステージとなったSS2を制したタナクは、この段階で前日の首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)を逆転し総合トップに浮上した。


 その後、SS4とSS7でステージ優勝を果たしたタナクは、SS2終了時点で総合2番手に順位を上げてきたエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に最大8.3秒のリードを築く。


 しかし、地元フィンランド出身のラッピも、朝のSS3をはじめ計4つのステージでベストタイムをマーク。1日の終盤に設定されたSS8からSS10にかけては3連続ステージ優勝を飾り、ラリー・フィンランドを過去2回制しているエストニア人にプレッシャーをかけた。


 ベストタイム回数こそライバルを下回ったタナクだったが、この日は全ステージでトップ3につける安定感が光った。このため最終的には3.8秒差でトップの座を守り抜き、競技3日目に駒を進めている。


「予想以上の結果だ。このような戦いに加われるとは思っていなかったので、この位置で1日を終えられたことは非常にポジティブだ」と語ったタナク。


「他のドライバーは目覚めるのが遅かったが、トヨタ勢は徐々にあるべき姿に近づいているように感じる」


 接近戦を演じたふたりの後方では、ラッピのチームメイトであるエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続いた。SS2で総合5番手から3番手にポジションを上げた彼は、デイ2の全ステージをトップ5タイムで通過。最終的に首位と19.3秒差の総合3番手につけている。


 そのエバンスから1.7秒遅れて総合4番手に入ったのは、今季すでに5勝をマークしているカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)だ。21歳のフィンランド人はいつものように“路面の掃除役”を担うことになりトラクションの確保に苦労した。また、何度か危ないシーンも見られたが、出走順が好転するデイ3に向けて好位置を確保してみせた。

首位と3.8秒差の総合2番手につけているエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド


■ソルベルグのラリー・フィンランドは早々に終了


 クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)は、トップと32.5秒差の総合5番手でMスポーツ・フォードWRT陣営の最上位につけた。3.9秒後方にはトヨタGRヤリス・ラリー1を駆る勝田が迫るが、その後方のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とは約15秒のギャップがある。


 総合8番手はMスポーツのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)、僚友ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が続き、総合10番手にはWRC2クラス首位のテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)が入った。


 母国フィンランドでラリー1デビューを果たしたヤリ・フッツネン(フォード・プーマ・ラリー1)は、SS7まで総合8番手につけていた。しかし、無情にもマシントラブルが発生。燃圧のトラブルにより順位を総合21番手まで下げることとなってしまった。


 また、チームメイトのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)はSS3でのアクシデントでステアリングアームを破損。走行を続けることはできたが、後にパワーステアリングが効かなくなっため大幅にタイムを失い、最終的に総合36番手となっている。なお、彼にとって幸いだったのは、この日は2度のサービスが設定されていたため終盤には問題が解決されたことと、パワステなしで臨むはずだったデイ2最長21.69kmのSS5が安全性の確保のためにステージキャンセルとなったことだ。


 ヒョンデのオリバー・ソルベルグはSS2のスタートから300m地点の左コーナーでクラッシュを喫した。このアクシデントによってヒョンデi20 Nラリー1は横転。チームは再出走に向けて修復を試みたが、ロールケージにダメージを受けていたため再スタートは不可能と判断されている。


 ラリー・フィンランドの競技3日目、6日(土)のデイ3はサービスパークの南側に広がる森林地帯が戦いの舞台となり、“パイヤラ”“ラプスラ”“パタヨキ”“ヴェックラ”という4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。計8本のステージの合計距離は150.30kmで、これは4日間で最長となる。リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は626.70kmだ。

クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド
SS2でのクラッシュにより今戦からリタイアすることとなったオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド

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