首位追走を図る名古屋グランパス、新潟戦の勝因3選【J1リーグ2023】

2023年8月7日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

名古屋グランパス MF森下龍矢(中央)写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第22節の計9試合が、8月5、6日に行われた。現在3位の名古屋グランパスは5日、5万7,058人の大観衆が詰めかけたホーム国立競技場でアルビレックス新潟と対戦。最終スコア1-0で勝利した。


前節では京都サンガに敗北(1-2)し、首位追走へ連敗を避けたい名古屋。一方の14位新潟は、リーグ戦直近3試合で2勝1敗と好調をキープしていた。同試合の振り返りと名古屋の勝利の要因を解析していく。




国立競技場 写真:Getty Images

名古屋VS新潟:試合ハイライト


名古屋VS新潟の第22節の試合は、立ち上がりから両チーム激しいプレッシングで幕を開ける。


前半14分、名古屋が早速先制点を挙げた。右サイドでMF野上結貴からMF稲垣祥へ。稲垣のボールキープからDF藤井陽也へ、藤井のボールを受けたMF和泉竜司が右サイドを突破しクロスを上げると、先で待っていたMF森下龍矢がダイレクトで合わせてゴール。トップ下で起用された和泉が早速結果で応えた。


前半31分、新潟にもチャンスが。GK小島亨介からボールを繋ぎ中盤へ渡ると、MF秋山裕紀が名古屋ディフェンスと入れ替わる形で前を向きながらボールを運び左サイドのDF田上大地へ。田上がダイレクトでシュートを狙うも名古屋GKランゲラックが防いだ。その後はチャンスが訪れず前半は1‐0。名古屋がリードで折り返す。


アルビレックス新潟 GK小島亨介 写真:Getty Images

後半のファーストチャンスは後半8分に名古屋に。ボールをつなぐ新潟に対し前線から圧力をかけ、MF内田宅哉がスライディングでボールをカット。それをFWキャスパー・ユンカーへ繋ぎゴールを狙うも、新潟GK小島に防がれる。


後半13分、前線からの圧力をかけ続ける名古屋は、プレスをかけたMF米本拓司がペナルティーエリアで倒されPKの判定を得た。キッカーであるユンカーのシュート。またも小島がファインセーブで防ぐ。


後半29分、名古屋の攻撃は続く。新加入のFW中島大嘉がヘディングでそらしたボールに対し、同じく新加入のFW前田直輝が抜け出し合わせてシュートを放つ。しかしボールはゴール枠外へ。


そのままスコアは動かず、結果1‐0で名古屋が勝利した。では名古屋目線から3つの勝因をみていこう。


名古屋グランパス FWキャスパー・ユンカー 写真:Getty Images

勝因1:ペナルティーエリアへ相手と同数で侵入


クロスに対する中の選手の入り方として、ニアサイド(クロスを上げる人に近いエリア)とファーサイド(クロスを上げる人に対し遠い人)の両方を確保することが基本とされている。そんななかで名古屋はクロスに対し、新潟と同じ人数を各ポジションに配置することで確実にゴールを奪った。


象徴的なシーンは先制点の前半14分だ。和泉のクロスに対し、ゴール前ではユンカーと森下が構え、ファーサイドにはMF永井謙佑が走りこんでいた。このように攻撃に対し、ペナルティーエリア内では人数をかけることで得点の可能性をあげている。




名古屋グランパス DF森下龍矢 写真:Getty Images

勝因2:守備時に5枚でブロック形成


守備の時になると名古屋は、両サイドの森下と野上が最終ラインまで戻り、5枚で最終ラインを形成した。こうすることでボール保持率で優位であった新潟は、名古屋ゴール近くまで侵入する回数が少なくなり、ロングボールを放り込むしかなくなる。


象徴的なシーンは後半6分。新潟は右サイドでMF高宇洋とDF藤原奏哉が崩そうとするもできず、高は裏に走りこんだMF三戸舜介へロングボールを入れるも決定機にはならなかった。名古屋は守備ブロックを作ることで相手攻撃の選択肢を減らすことができていた。




名古屋グランパス MF米本拓司 写真:Getty Images

勝因3:前線の守備強度


後半8分と13分の名古屋のチャンスシーンは、どちらも前線からの守備から生まれた決定機であった。名古屋は闇雲に走って前から追いかけているわけではない。それはチーム走行距離からわかるが、走行距離だけ比較してみれば、名古屋と新潟は走っている距離は同じである。


違いは前線の選手たちのスプリント回数(時速25km以上のスピードで1秒以上走った回数)だ。特にMF同士で比較すると、名古屋の方が新潟よりも平均3倍ほどスプリント回数が多かった。これは攻撃のみならず、守備でもスプリントしていることが要因の1つだろう。効果的にスプリントすることで、名古屋は前線から圧力をかけることができていたと言える。

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