古橋亨梧、新生セルティックでの役割とは?攻撃変化まとめ【2023/24】

2023年8月9日(水)18時0分 FOOTBALL TRIBE

セルティック FW古橋亨梧 写真:Getty Images

セルティックは8月5日、スコティッシュ・プレミアシップの開幕戦でロス・カウンティと対戦し4-2で勝利した。注目を集めたのは、昨2022/23シーズンリーグ得点王に輝いたFW古橋亨梧の新しい役割だ。同試合でも2得点目を挙げた古橋だが、昨シーズンには見られなかった様々な動きがあった。


前アンジェ・ポステコグルー監督下(2021/22、2022/2023)で好調だったセルティック。同監督がプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーに就任したことに伴い、今2023/24シーズンはブレンダン・ロジャーズ監督が率いている。


北アイルランド生まれでリバプールやレスター・シティを率いた経験のあるロジャーズ監督は、過去にも(2016/17、2017/18、2018/19)セルティックを指揮している。2016/17シーズンには34勝4分の無敗優勝で1898/99シーズン以来となる偉業を成し遂げ、スコティッシュカップ、スコティッシュリーグカップタイトルを含め16年ぶりの国内三冠を獲得。翌2017/18シーズンも2年連続国内三冠を達成した。


ここでは2023/24シーズン開幕戦からわかる、攻撃時における新生セルティックの構成と、古橋の新しい役割を見ていこう。




古橋亨梧(左)ブレンダン・ロジャーズ(右)写真:Getty Images

昨シーズンから攻撃に大きな変化


監督変更に伴い、選手たちに求められることが変わることは多くある。今シーズンのセルティックはまさにそのチームの1つだ。開幕戦の1試合のみからでもチームの構造に多くの変更点が見てとれた。


たとえばまずは、昨シーズンまで中盤のサイド2人がピッチサイドまで開いて攻撃に参加していたが、開幕戦ではMFデイビッド・ターンブルとMFマット・オライリーがより中央でプレー。さらに昨シーズン頻繁に見られたような、ボールとは反対のサイドバック(同試合ではDFアンソニー・ラルストンとDFグレッグ・テイラー)が中央まで絞ってきてプレーすることもなかったことが挙げられる。




リエル・アバダ(左)古橋亨梧(右)写真:Getty Images

古橋のゴールとクレバームーブ


古橋は昨シーズン、リーグ戦36試合に出場して27ゴール2アシストを記録。常にワンタッチゴールが狙えるゴール正面にポジショニングを取り続けて結果を出した。特に多かった形は、サイドの選手が裏に抜け、オフサイドポジションや相手DFの背後に位置してフリーになっている古橋がパスを受け、ワンタッチでゴールを決めるというものだ。


今シーズンの開幕戦26分で古橋が挙げたゴールも、らしさ全開だった。相手GKのパントキックをDFアンソニー・ラルストンがヘディング。さらにターンブルがヘディングでFWリエル・アバダへスルーパス。相手GKを牽制してフリーだった古橋は、ゴール正面かつ相手DFの背後である「いつものポジション」を取り、右からのクロスをワンタッチでシュートしゴールネットを揺らした。


しかし、これ以降の時間は昨シーズンには見られなかった動きが多くあった。36分、中盤でセルティックがボールを保持。「いつものポジション」を取っていた古橋が意表をついたタイミングで下りていき、足元でボールを要求。受けた古橋はファーストタッチで前を向き、2タッチ目に、自身が開けたスペースに走りこんできたターンブルへパスを出したのだ。


これには現地の解説者も「クレバームーブ(賢い動き)」と古橋を絶賛。惜しくも得点にはならなかったものの、大きなチャンスを創り出した。


セルティック FW古橋亨梧 写真:Getty Images

ゴールから離れる新しい動き


40分、セルティックの3点目のシーンで、またしても昨シーズンにはあまり見られなかった動きがあった。古橋はゴールから離れてビルドアップに参加すると、その流れから左サイドの裏へ向けてスプリント。ワンタッチであげたクロスはDFに阻まれるも、すぐさま相手のクリアを拾ったオライリーとワンツーで左サイドを簡単に攻略した。そこからのクロスで、ターンブルがこの試合自身2点目となるゴールを決めた。


後半になっても古橋は様々な新しい動きを見せる。50分、DFキャメロン・カーター=ヴィッカースがビルドアップから少しボールを前へ運び出すと、古橋は相手DFとMFの間まで下りてきて、縦パスを受けたオライリーから3人目の動きでボールを受けた。前を向きフリーの古橋は、再びオライリーへパスをしてシュートチャンスを演出した。




セルティック FW古橋亨梧 写真:Getty Images

試合後コメントからわかること


昨シーズン36試合出場2アシストだった古橋が、開幕戦ではアシストも記録。73分、ビルドアップの流れでカーター・ヴィッカーズから縦パスを受けた古橋は、前向きで裏に抜ける準備をしていたオライリーへワンタッチでスルーパス。ボールに触れないままゴール近くに迫っていったオライリーが、チーム4点目となるボレーシュートを決めた。


試合後、中盤を担当したオライリーは「時々、亨梧(古橋)が深く降りることで、私と高い位置にいるミッドフィールダー、ウィンガーが少しだけ(前方方向に)走ることができるようになります」と英メディア 『デイリー・メール』に向けてコメント。このことから、ロジャース監督率いるセルティックの攻撃オプションとして「古橋のゴールから離れる動き」が共有されていることがわかる。


開幕戦の攻撃を観ると、セルティックの選手たちはボールを保持しているときに常に全力というわけではなく、時々休息をとっているようにも見受けられた。その結果1試合を通してしっかりとボールを支配し、鋭いカウンター攻撃も繰り出せていた。


この変化により古橋のゴール数は減少するかもしれないが、ロジャーズ監督は攻撃の多様性を求めている。開幕戦では、古橋がゴール前だけではなくポジションを下げて攻撃に参加することで、中盤やウインガーの選手らが得点エリアに顔を出し、ゴールに迫り実際に結果も出した。これらのことが正しく行われれば攻撃が効果的に機能することを示した。

FOOTBALL TRIBE

「古橋亨梧」をもっと詳しく

「古橋亨梧」のニュース

「古橋亨梧」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ