開幕以降アップデートを続け、空力を改善したアストンマーティンF1。ライバル勢との差は縮まったと確信
2021年8月18日(水)11時55分 AUTOSPORT web
2021年のF1は開発予算が非常に限られているうえ、ルールとレギュレーションが広範囲にわたって凍結されている。だがそれでもアストンマーティンは、今年のマシンについて大幅な開発を進めてきたという。
実際、チームのパフォーマンスディレクターを務めるトム・マッカローによると、外側から見た『AMR21』のほとんどの部分が、シーズン開幕以来ある程度の変更を施されてきたという。
「以前も今も、多かれ少なかれ終わりのない開発の繰り返しのプロセスだ」と今週マッカローはチームの半期報告のなかで語った。
「結果として、我々のマシンの外側にある目に見えるパーツのなかで、バーレーンからシルバーストンの間に改善されていないものはほぼひとつもない」
「違う言い方をすれば、我々のマシンが出て行くたびに、おそらく過去4カ月間のある時点でアップデートされたパーツが使われている」
第6戦アゼルバイジャンGPでセバスチャン・ベッテルが2位に入賞したことで、チームは目覚ましい成功を収めた。ベッテルは第11戦ハンガリーGPでも同様の結果を出したかに見えたが、マシンの燃料違反のために失格となってしまった。
しかしマッカローは、ポジティブな面を見ている。当初の結果はアストンマーティンの進歩の証拠であり、夏季休暇の後のシーズン後半ではさらなる前進が見られるだろうと指摘した。
「順調だ。我々のマシンがまだ最速ではないことは分かっている。だがマシンのパフォーマンスは、シーズン開幕時に比べると、我々の主要なライバルたちによりいっそう近づいている」
「これは慎重に進められた空力改善プログラムの結果だ。必然的に試行錯誤が行われたが、実際に結果をもたらすことができた」
「ボディワークは非常に印象的だ。これについては同僚たちに敬意を表したい」
またマッカローは、ベッテルが冬の間にフェラーリからアストンマーティンへ移籍し、マシンに慣れるまでに時間がかかったことを認めた。
「我らの新入りであるセバスチャンは、最初は我々のマシンの挙動と感触に不慣れだったので不利だった。その後バーレーンでのプレシーズンテストでは信頼性の問題にも苦しめられた」
「だがそれ以来彼はファクトリーのシミュレーターやサーキットで非常に熱心に取り組んだ。我々が前のレースの分析をして次のレースで最善を尽くすための準備をする手助けをしてくれた」
最近のレースパフォーマンスが改善しているものの、アストンマーティンは現在のマシンの開発においては終点にいるかもしれない。現在は、2022年の新ルールとレギュレーションに、確固たる焦点が置かれている。
「他のすべてのチームと同じように、夏季休暇の後は業務とリソースを、可能な限り競争力のある2022年のマシンを作るためのタスクに切り替える」とマッカローは認めた。