17台が0.9秒に入る混戦模様のなか、王者・野尻智紀が一番時計/第7戦もてぎ土曜フリー

　8月19日（土）、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の土曜フリー走行が行われた。午前9時20分からの90分のセッションでは、野尻智紀（TEAM MUGEN）が最速タイムをマークし、レースウイークをスタートさせている。

　第6戦富士スピードウェイから4週間、残り3戦を迎えたシリーズは、もてぎへと戦いの舞台を移した。昨年は1ウイーク2レース制で行われたもてぎ大会だが、2023年は土曜日に予選、日曜日に決勝という1レース制で開催されている。

　タイトル争いでは、ランキングリーダーの笹原右京（VANTELIN TEAM TOM’S）に、前戦でルーキーながら3勝目を挙げたリアム・ローソン（TEAM MUGEN）が1ポイント差に迫る状況。最終ラウンドの鈴鹿2連戦を前にしたこのもてぎ戦では、予選トップ3に与えられるポイント含め、タイトル争いを睨んだポイントの奪い合いに注目が集まる。

　なお今大会では、前戦を怪我のため欠場した大湯都史樹（TGM Grand Prix）が53号車のシートに復帰している。

■中盤に野尻が大きくタイムを更新

　朝から真夏の太陽が照り付け、気温30度／路面温度41度という暑さのなか、セッション開始時刻を迎えた。

　グリーンフラッグ直後から各車が周回を重ねるなか、序盤は阪口晴南（P.MU/CERUMO・INGING）が1分34秒685で暫定トップに立ち、これに宮田、関口雄飛（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）、坪井翔（P.MU/CERUMO・INGING）らトヨタエンジンユーザーが続く展開に。ここに大嶋和也（docomo business ROOKIE）も割り込んでくる。

　そんななか、最終コーナーで小高一斗（KONDO RACING）がスピンオフ、グラベルにストップしたことから、9時48分に赤旗が提示されセッションは中断となった。

　小高のマシンを牽引して回収した後、9時55分にセッションは再開。直後に佐藤蓮（TCS NAKAJIMA RACING）がヘアピンでコースオフを喫するも、自力でコースに復帰した。

　セッション中盤に入ると、ホンダエンジンユーザーが次々とタイムアップして上位に進出。タイトルを争うローソンが自己ベストを更新して首位に立った直後、大湯が1分34秒608を記録して暫定首位に。さらに佐藤が1分34秒249と大きくタイムを更新する。

　国本雄資（Kids com Team KCMG）が2番手へと食い込んでくるなか、10時15分には昨年王者の野尻が1分33秒488へとタイムを詰め、タイミングモニター最上段に躍り出た。

　ルーキーのジェム・ブリュックバシェ（TGM Grand Prix）が野尻に続く2番手、さらに同じくルーキーの太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）も3番手へとポジションを上げ、セッションは終盤を迎えた。

　ここから各車が次々とタイムアップ。関口雄飛（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）、大嶋らが相次いで上位に進出するなか、残り15分、牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）が2番手に飛び込むと、このタイムを宮田、国本が次々と更新。さらに小林可夢偉（Kids com Team KCMG）が1分33秒767と上回り、野尻に0秒279差まで迫った。

　ラスト6分を切って、いくつかの陣営はニュータイヤを装着して予選シミュレーションへと向かう。

　チェッカーが提示されるなか、まずは宮田が3番手へと一つポジションアップ。さらにチームメイトの笹原右京が5番手に上げる。

　そしてDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢が上位に進出。牧野が野尻に0秒044差まで迫る2番手に上げ、太田も4番手に進出する結果となった。

　セクターベストもマークしていた大湯はセクター4でアタックを中断してタイム更新ならず、リザルト上は下位に沈んでいる。

　これにより土曜フリー走行は中盤にマークしたタイムにより野尻が首位で終えることとなった。以下、牧野、可夢偉、太田、宮田、山本尚貴（TCS NAKAJIMA RACING）というトップ6となり、7番手国本と8番手のローソンはトップから0秒400差の同タイム。首位野尻から17番手の坪井までが0.9秒以内に入るという、相変わらずの混戦模様となっている。

　ノックアウト方式の第7戦予選は、このあと14時50分にセッションが開始される。