S・ラモスの怪…レアルでは23回の退場劇も、スペイン代表ではゼロ
2017年8月22日(火)14時38分 サッカーキング
退場処分を受けるのが今回でキャリア通算23回となったS・ラモスは、2位の元スペイン代表DFフェルナンド・イエーロ氏の12回、3位の元スペイン代表MFグティ氏の10回に大差を付け、レアル・マドリードのクラブ最多記録を更新し続けている。
また、このうちリーガ・エスパニョーラでの退場処分は18回を数え、セビージャなどで活躍したパブロ・アルファロ氏およびサラゴサでキャリアの大半を過ごしたシャビ・アグアド氏と並び歴代最多タイとなった。
退場劇が半ばお約束のようになってしまっているS・ラモスだが、実はこれはレアル・マドリードでの試合に限った話である。逆にスペイン代表では1回も退場処分を受けていないという、全く異なる様相を呈している。出場数がレアル・マドリードの526試合に対してスペイン代表の143試合と、母数に大きな差があることを割り引いても、奇奇怪怪と言わざるを得ない。
一方、レアル・マドリードでの23回の退場処分の内訳に目を向けると、リーガ・エスパニョーラでは405試合で18回(22.5試合に1回)、コパ・デル・レイでは39試合で2回(19.5試合に1回)であるのに対し、チャンピオンズリーグでは103試合で3回(34.3試合に1回)と、国内外で頻度に差があることが伺える。
実際、S・ラモスも今回の退場劇を受け、「納得はいかないけれども、主審の意見は尊重する」と述べつつも、試合の裁き方に関しては国際大会や他国リーグから良い部分を吸収するべきとの提言を行っている。
「UEFAやFIFAの大会の方が判定は寛容だ。個人的にはイングランドのシステムが気に入っており、ファウルを流してプレーさせる所などは学ぶべきだと思っている」
なお、S・ラモスはセビージャ時代も1回も退場処分を受けておらず、荒々しいファウルをする選手というイメージが、国内屈指の注目度を誇るレアル・マドリードでプレーすることで定着したことが、審判の判定に大きく影響していると言えそうだ。
文=北村敦