「トミヤスは気の毒だ」開幕2戦目で退場の冨安健洋　不可解なカード提示に大物OBからも擁護の声

冨安への判定には厳しすぎるとの声が相次いだ(C)Getty Images

　現地時間８月21日にプレミアリーグ第2節が開催され、アーセナルの冨安健洋は敵地で行われたクリスタル・パレス戦にスタメン出場を果たした。今季、最初の先発でのゲームだったものの、後半22分に、この日2枚目のイエローカードを受けて退場となった。試合はアーセナルが1-0で勝利するも、冨安本人、そしてチームにとっても後味の悪いゲームとなってしまった。

【動画】遅延行為で警告を受けてから7分後…冨安健洋が２枚目の警告で退場になったシーン

　試合終盤を前に痛恨の退場となった冨安はこの日、後半15分、スローインが遅れたことで1枚目のイエローカードを受ける。その7分後、今度はクリスタル・パレスFWのジョルダン・アイェウとの接触で再びイエローカードが提示され退場処分に。レッドカードを受けた直後、冨安は困惑の表情でピッチを後にしている。

　いずれも微妙な判定だったものの、特に1枚目のスローインでの遅延行為は、現地でも大きな話題に。英放送局『BBC Sport』では試合後、公式サイト上にて、審判の判定についてアーセナルのミケル・アルテタ監督など関係者のコメントを紹介している。

　その中で「タケヒロ・トミヤスの8秒間のスローインがレッドカードの一因となったことを受け、アーセナルのボス、ミケル・アルテタは『ストップウォッチを持ってプレーしなければならないかもしれない』と口にした」と指揮官の言葉を伝えている。

　また、対戦相手であるクリスタル・パレスのボス、ロイ・ホジソン監督は「アーセナルが2枚のイエローカードに不満を持つのは理解できる。選手を退場させるという点では機能しているが、それが正しいことなのかどうかは、審判自身に判断してもらうしかない」と語ったとしている。

　他にも、元リバプールのジェイミー・キャラガー氏のコメントを掲載。キャラガー氏からは日本人DFを擁護する言葉も聞かれている。

「トミヤスは気の毒だ。トミヤスが時間を無駄にしているとは思わない。彼はボールを走って拾いにいっていた」

　今回のトピックでは「今シーズン、審判は時間浪費と反則を取り締まるよう指示されている」と記しており、「開幕2週間で反則によるイエローカードは18枚、時間浪費によるイエローカードは14枚だった」と同メディアは指摘。その上で「シーズンの5%強でのイエロー32本に対し、昨シーズン全体ではイエローは174本だった。このままカードが続くと今季は608枚になる」と見通している。

　冨安は今季初のスタメン出場で、左サイドバックとして溌剌とプレーしていただけに悔やまれるゲームとなった。今回のトピックで指摘されている審判の判断基準の変化も、選手のプレーはもちろん、試合の結果、さらにはシーズンタイトルの行方に対しても、大きく関わってくるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]