編集部試乗記:比類のない乗り心地を実現した7人乗り本格SUV『プジョー5008』

2021年8月24日(火)15時8分 AUTOSPORT web

 大型のフレームレスグリルが際立たせる迫力と近未来感を兼ね備えたフロントマスクに、ステアリングを握れば3列シートSUVということを感じさせない身軽さ。そして比類のない乗り心地を実現する足回りの完成度の高さを備えた『プジョー5008』というクルマはautosport web編集部員の購買欲を強く刺激する一台だった。


 プジョーは2列シートの『3008』と、3列シートの『5008』の2種類のSUVをラインアップしている。2016年にデリバリーが開始された3008/5008だが、今回試乗したのは2021年1月より販売される5008のマイナーチェンジモデルであり、ディーゼルエンジン搭載グレードの『GT BlueHDi』だ。


 全長4640mm、全幅1840mm、全長1650mmというサイズからもわかる通り、前回の編集部試乗記で搭乗したコンパクトSUV『ニッサン・キックス』とはまったく異なるコンセプトであり、最大乗員7名のまさに巨大なSUVだ。


 まず、大型で迫力があり近未来的なデザインのフロントグリルに目を奪われた。ボディの大きさもさることながら、マイナーチェンジで新たにフレームレス化されたフロントグリルはワイド感が際立つ。間近で目にすると精巧なデザインも相まって、マイナーチェンジ前のモデルよりもSUVらしい力強さを感じた。


 ただ、猛獣のような力強さだけが引き立っているわけではなく、近未来的でもあり、洗練されたプジョーのブランドイメージを体現する役割も果たしていると言える。その力強さと近未来感の演出にはLEDデイタイムランニングライトの形状も役立っている。ヘッドライトから下方に向けて縦に配列されたLEDライトは“ライオンの牙”をモチーフとしているということだ。


 autosport web編集部では7月17〜18日に開催されたスーパーGT第4戦の取材も兼ねて、東京都新宿区にある編集部から、栃木県芳賀郡茂木町にあるツインリンクもてぎまでを5008で往復し、走行性能を体験することにした。


 首都高速道路に至る前から感じたのは乗り心地の良さ、足回りの完成度の高さだ。その気づきはツインリンクもてぎから宿泊地までの間にある数十キロのワインディングロードで確信へと変わった。Rのきついコーナーでの左右の動きも滑らかであり、路面の段差などで生じる突き上げるような縦ゆれもなく、乗り手を不快に感じさせる要素がなかったからだ。


 車高も高く、車重も1720kg(試乗車両はオプションのパノラミックサンルーフ装着車であり、通常は1690kg)と決して軽くはないなか、車重や車高の高さを感じさせない地を這うような滑らかな走りは編集部員を5008の虜にするには十分だった。


 今回搭乗したグレード『GT BlueHDi』のエンジンは2リッターの直列4気筒ディーゼルターボ。最高出力は177馬力/3750rpmながらレスポンスも良く快適だ。ディーゼルエンジン搭載車となればエンジンノイズが気になることもあるが、5008では意識的に聞き耳を立てたければノイズも際立たず、静音性も確保されている。


 インテリアでは、プジョーはドライビングキャビンのレイアウトを探求し、快適性を高める独自のコックピットレイアウト『プジョー i-Cockpit』を展開している。5008の小径ステアリングホイールは握りやすく、12.3インチのデジタルヘッドアップインストルメントパネルは視認性がよく、必要な情報が目に入りやすい。


 また『GT BlueHDi』はテップレザー&アルカンターラシートとなり、手触りのよさと高いホールド性を発揮し、長時間のドライブでもストレスを感じることはなかった。


 これらの要因から編集部員はプジョー5008 GT BlueHDiという車両に購買欲を強く刺激されたのだが、気になる点がまったくないということではない。


 5008には走行車線の車線マーカーをカメラが検知し、車両が車線を逸脱する可能性があると判断したときに警告表示とハンドル操作を自動修正する運転支援機能『レーンキープアシスト』が搭載されているが、この機能が敏感だった。


 十分に車線内を走行しているにもかかわらずレーンキープアシストがたびたび動作し、警告を表示するということが多々あったからだ。足回りの完成度の高さに思わず笑みが出るほどで、エクステリアもインテリアも高品質と感じていただけに、この点はかなり気になってしまった。


 今回搭乗した『プジョー5008 GT BlueHDi』はメタリックペイント、パノラミックサンルーフ、ナビゲーションシステム、ETCといったオプション装備を搭載し、5,488,330円(消費税込)となる。これらのオプションを装着しない場合は5,016,000円(消費税込)から。なお、1.6リッターガソリンターボエンジンを搭載する 『プジョー5008 GT』は4,672,000円(消費税込)からだ。


 編集部員はこの価格に見合う、ところによっては価格以上の価値がこのクルマにはあると考えている。お財布事情やら家族との相談という壁が立ちはだかるだけにさすがに即決というわけにはいかないが、この巨大なSUVの魅力を知るという点では十分な試乗だったと感じる。7人乗りのSUVを探している方にはおすすめしたい1台だ。

マイナーチェンジで新たにフレームレス化されたフロントグリル
快適性を高める独自のコックピットレイアウト『プジョー i-Cockpit』
プジョー5008 GT BlueHDiのフロントシート
プジョー5008 GT BlueHDiのセカンドシート
プジョー5008 GT BlueHDiのサイドビュー

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