STCC第3戦は快速ダールグレンが連勝。アウディのエングマンはデビューウインを達成

2021年8月25日(水)16時0分 AUTOSPORT web

 長い夏休みが明けたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の2021年第3戦が、8月21〜22日にゲラーローゼン・アリーナことカールスクーガで開催され、PWRレーシングのロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が6戦連続ポールポジション獲得とブレイク明けも好調を維持し、僚友ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)を従えて、2ヒート連続の1-2フィニッシュを達成した。


 一方、週末最終のレース3では、前週に同地で開催されたインシーズン“サマー”テストから、ハンス・モーリンの後任としてブリンク・モータースポーツに新加入のケビン・エングマン(アウディRS3 LMS)が、チーム代表のトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)とともにこちらも1-2を決め、シリーズデビュー戦で早くも初優勝を手にしている。


 今季開幕から6戦4勝、全レースで表彰台を記録するなど、自身3度目のタイトル奪還に向け視界良好のダールグレンだが、このラウンドでもSTCC独自の“サクセスバラスト”搭載が課され、全車中最大となる50kgの重りが載せられた。


 しかしレース1のグリッドを確定する予選Q1でも1分05秒348と最速タイムを刻んだダールグレンは、続くレース2向けのQ2でもさらにタイムを縮める速さを見せ、1分05秒295とラップレコードを更新するタイムで今季100%、6戦連続の最前列を確保して見せた。


 明けた日曜のレース1でもダールグレンが盤石のスタートを決めてターン1を制すると、その背後ではフロントロウ2番手につけていたミカエル・カールソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)を出し抜き、2列目3番手だったコチュリンスキーが先輩の背後に浮上。


 事前テストで最速を争ったコチュリンスキーとカールソンふたりの勝負は、スタートからその結果どおりの展開となり、テスト最速だった彼女が前に出て、PWRが早くも1-2体制に持ち込んでいく。


 そのカールソンはスロースタートにより、マティアス・アンダーソン(リンク&コー03 TCR/MA:GP)やオリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)らにも先行され一時5番手に下がると、ここから中段勢による肉弾戦が勃発。

事前テスト最速だったミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(Cupra León Competición TCR)も、予選Q2で僚友に並ぶ2番手を獲得した
R1で表彰台を争ったマティアス・アンダーソン(Lynk&Co 03 TCR/MA:GP)やオリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/Lestrup Racing)だったが……
R2も連続ポールシッターのダールグレンと、Q2でフロントロウ確保のコチュリンスキーが盤石のスタートを決め17周を走破


■PWRが無傷で1-2達成も、激化した3位争いでアクシデント発生


 2周目のホームストレートで僚友をパスしたカールソンは、追い上げてきたヒューゴ・ネルマン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/カヤード・レーシング)とヒットし、ネルマンの方が10番手まで大きくドロップオフしてしまう。


 一方、3番手争いを繰り広げたリンク&コーのアンダーソンとフォルクスワーゲンのセーデルシュトレームも、ヘアピンの攻防で激しく接触し、スピンしたリンク&コーはリタイアに。ひどく損傷したゴルフをなんとかフィニッシュまで運んだセーデルシュトレームだったが、9位フィニッシュがやっとの状態に終わる。


 この結果、3位カムバックを果たしたカールソンだったが、レース後に「アンフェア・ドライビング」により7.4秒加算のタイムペナルティが課され、カヤード・レーシングのネルマンが繰り上がりの3位を獲得。


 その13秒前方ではPWR艦隊が無傷の1-2を決め、続くレース2も連続ポールシッターのダールグレンと、Q2でフロントロウを確保したコチュリンスキーが盤石のスタートから17周を走破。こちらも3番グリッド発進からポジションを守り通したセーデルシュトレームとともに、2戦連続の表彰台に上がっている。


 このレース2結果によるリバースグリッドで争われた16時過ぎからの最終ヒートは、前戦8位のブリンクに続き7位の新人エングマンと2台のアウディがフロントロウに並んでターン1へ。


 しかし蹴り出しが鈍ったチーム代表は、背後のエングマンばかりか3番手のネルマンにも先行され、リバースポールの優位性を手放す事態に。後方では再び接触上等のバトルが繰り広げられるなか、コチュリンスキーが力強い進捗を見せてサバイブし、7番手グリッドから3番手ブリンクの背後にまで浮上してくる。


 新人エングマンを追い掛け逆転勝利を狙っていたネルマンは、レース終盤のターン1で致命的なブレーキングミスを犯し、これで背後のブリンクとコチュリンスキーが表彰台圏内に浮上。そのまま17周のチェッカーを迎え、ブリンク・モータースポーツ勢が新人デビューウインに華を添える1-2フィニッシュを達成。


 3位コチュリンスキーも自身初の週末全戦ポディウムを獲得し、このレースで5位に終わった選手権首位ダールグレンに続くランキング2位の座を固めている。


 こうしてシーズン再開が切られた2021年のSTCCことTCRスカンジナビア・シリーズは、早くも次週9月4〜5日にアンダーストープでの第4戦が控えている。

「ここまで強力なリザルトは予想外だった」とダールグレン。コチュリンスキーも週末全戦表彰台を達成した
ハンス・モーリンの後任としてBrink Motorsport(ブリンク・モータースポーツ)に新加入のケビン・エングマン(アウディRS3 LMS)がR3で快走
Brink Motorsport(ブリンク・モータースポーツ)勢が新人デビューウインに華を添える1-2フィニッシュを達成した

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