ひとり3ストップ作戦を成功させディクソンが2連勝【順位結果】インディカー第15戦WWTR決勝レース
2023年8月28日(月)7時22分 AUTOSPORT web
ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されたNTTインディカー・シリーズ第15戦。27日に行われた決勝レースは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が大きなリードを築いて2連勝を飾った。
今季ラストレースに挑んだ佐藤琢磨(チップ・ガナッシ)は、レース中盤にクラッシュを喫しリタイアで今シーズンを終えている。
前日のストームで予選が午前中に行われ、現地15時30分より260周のレースがスタートした。今回のWWTR戦では、ロード/ストリート同様にソフトタイヤとプライマリータイヤの2種類を使用す新たな試みが行われている。
ポールのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)を先頭に2列縦隊でスタート。ニューガーデンがホールショットを決めるも、後方でベンジャミン・ペデルソン(AJフォイト)がクラッシュを喫しイエローコーションとなる。
10周目にレースは再開。ニューガーデンがトップをキープし、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)が2番手、6番手スタートのデイビッド・マルーカス(デイル・コイン)は3番手に上がる。4番手から6番手はマクラーレンの3台が続いていく。
ニューガーデンがリードしていく展開でレースはこう着状態に。44周目あたりから最後尾のエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)にニューガーデンが追いついていく。
琢磨は50周を走行していち早くピットイン。ハードタイヤを再び選択する。琢磨はペース上がらず、ニューガーデンに交わされラップダウンとなる。
56周目、ハータがペースを落としたところにマクラーレン勢が襲い掛かり、交わされたハータはすぐにタイヤ交換へピットに向かっていく。
57周を走行してピットインしたアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)はここでソフトタイヤをセレクト。61周終わりでトップのニューガーデン、2番手のマルーカスもピットインし、レッドタイヤに履き替える。
ステイアウトしていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソンも入り、再びニューガーデンがトップに浮上する。2番手にハータ、パト・オワード(アロウ・マクラーレン)、マルーカス、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)と続いていく。
70周目にオワードがハータをオーバーテイクし2番手に浮上。ペースアップしたオワードはニューガーデンを0.5秒差に捉えるも、オーバーテイクまでには至らず、ニューガーデンがレースをリードしていく。
100周を過ぎソフト勢が2度目のタイヤ交換へと向かう。ニューガーデン、オワードも103周終わりでピットインを行う。
トップはハータ、マルーカス、ローゼンクヴィストと続く展開に。ハータは113周を走行しピットイン。ここで燃費走行をするディクソンが再びトップに立つ。
123周目、佐藤琢磨がクラッシュを喫し、2度目のイエローコーションとなる。琢磨の2023年のレースはここで終了となってしまった。
ピットレーンがオープンとなり、ステイアウトしていたトップのディクソンがピットイン。2番手のニューガーデン、3番手のオワードも続く。
レースは、ディクソン、ニューガーデン、オワード、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)の順でレースは136周目にリスタート。
リスタートでオワードがアウトからニューガーデンに迫る。2台が接触するもニューガーデンが2番手をキープ。ディクソンはトップを走行し、レースは残り100周に。
オワードは165周目でピットイン。ローゼンクヴィストも続く。ニューガーデンも167周目にピットインし、続々とピットへと向かう中、ディクソンはステイアウトしてトップを走行していく。
燃費走行をし3ストップ作戦を目指すディクソン。それをパワーが7秒差で追いかけ、ストラテジーの違うピットイン組はオワード、ニューガーデンが争う展開となる。
190周目にパワーがピットイン。ディクソンはペースが落ちるも196周を走行しラストピットへ。
これでオワードがトップに浮上。ニューガーデン、ロッシ、マクラフラン、マルーカスと続き、ディクソンはトップと9秒差の11番手でコースに復帰する。
残り52周でニューガーデンがピットイン。しかし、トラックに戻ったニューガーデンはアウトに膨らみウォールにヒット。ピットに戻ってマシン修復を試みるもリタイアとなった。
トップのオワードも214周目にピットインし、8番手でコースに復帰。ハータも220周でピットに向かい、再びディクソンがトップに浮上する。パワーが0.5秒の僅差でディクソンを追いかけ、オワードはディクソンと20秒差、その後ろのロッシは1ラップダウンとなり逆転は厳しい状態に。
レースは残り25周。パワーが徐々に近づくもディクソンをオーバーテイクするまでの速さを出すことができない。3番手にカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート)、4番手にオワード、5番手に1ラップダウンでマルーカスが続く。
244周終わりでカークウッドがピットイン。オワードは3番手に浮上するもディクソンとの差を詰めることができず、その差は23秒差と開いていく。
セーフティカーを願っていたパワーも247周でピットイン。ディクソン、オワード、マルーカス、ロッシ、マクラフランというトップ5に。
ライバルがいなくなったディクソンは、ひとり3ストップ作戦を成功させると大きなリードを築いて2連勝。パロウのチャンピオン獲得を阻止することに成功した。
2位はオワード、マルーカスが3位に入り2年連続の表彰台を獲得した。パロは7位となり、リタイアしたニューガーデンがチャンピオン争いから脱落となった。
■NTTインディカー・シリーズ第15戦ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ決勝レース結果
Pos. | No. | Driver | Team | Engine | Laps | SP |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | S.ディクソン | チップ・ガナッシ | H | 260 | 16 |
2 | 5 | P.オワード | アロウ・マクラーレン | C | 260 | 3 |
3 | 18 | D.マルーカス | デイル・コイン・ウィズ・HMD | H | 260 | 6 |
4 | 7 | A.ロッシ | アロウ・マクラーレン | C | 259 | 7 |
5 | 3 | S.マクラフラン | チーム・ペンスキー | C | 259 | 10 |
6 | 26 | C.ハータ | アンドレッティ・オートスポート | H | 259 | 2 |
7 | 10 | A.パロウ | チップ・ガナッシ | H | 259 | 14 |
8 | 6 | F.ローゼンクヴィスト | アロウ・マクラーレン | C | 259 | 4 |
9 | 12 | W.パワー | チーム・ペンスキー | C | 259 | 8 |
10 | 8 | M.エリクソン | チップ・ガナッシ | H | 259 | 15 |
11 | 21 | R.ヴィーケイ | エド・カーペンター・レーシング | C | 259 | 20 |
12 | 28 | R.グロージャン | アンドレッティ・オートスポート | H | 259 | 5 |
13 | 14 | S.フェルッチ | A.J.フォイト・レーシング | C | 259 | 26 |
14 | 20 | R.ハンター-レイ | エド・カーペンター・レーシング | C | 259 | 23 |
15 | 27 | K.カークウッド | アンドレッティ・オートスポート | H | 259 | 22 |
16 | 30 | C.デイリー | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 259 | 11 |
17 | 45 | C.ルンガー | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 259 | 19 |
18 | 60 | L.ルンドクヴィスト | メイヤー・シャンク・レーシング | H | 258 | 12 |
19 | 29 | D.デフランチェスコ | アンドレッティ・スタインブレナー | H | 258 | 18 |
20 | 15 | G.レイホール | レイホール・レターマン・ラニガン | H | 258 | 21 |
21 | 51 | S.R.ロブ | デイル・コイン・ウィズ・RWR | H | 258 | 24 |
22 | 78 | A.カナピノ | フンコス・ホーリンガー・レーシング | C | 258 | 28 |
23 | 06 | H.カストロネベス | メイヤー・シャンク・レーシング | H | 257 | 13 |
24 | 33 | E.カーペンター | エド・カーペンター・レーシング | C | 254 | 27 |
25 | 2 | J.ニューガーデン | チーム・ペンスキー | C | 210 | 1 |
26 | 11 | 佐藤琢磨 | チップ・ガナッシ | H | 119 | 17 |
27 | 77 | C.アイロット | フンコス・ホーリンガー・レーシング | C | 58 | 9 |
28 | 55 | B.ペデルソン | A.J.フォイト・レーシング | H | 0 | 25 |