【コラム】期待に反して勝ち星なし…インテルの問題点は?

2018年8月28日(火)13時1分 サッカーキング

昨シーズンは4位でフィニッシュした [写真]=Getty Images

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 セリエA第2節が終了して、ネガティブな意味でのサプライズとなってしまっているのが、2敗のラツィオと勝ち星がなく勝ち点1のインテルだ。ラツィオに関しては初戦でナポリ、そして第2節でユヴェントスと対戦相手がビックグラブだったため、まだこれからだろう。一方のインテルはどうだろうか。

 第1節のサッスオーロ戦でまさかの敗戦を喫し、満を持して迎えた本拠地、サン・シーロ・スタジアムでのトリノ戦は、前半に2点をリードして折り返しながらも後半の13分間で立て続けに2失点。その結果、ドローというお粗末な結果となった。3万7000の年間指定席を売り上げ、この日も5万9000人以上の観客が入り、インテリスタの期待は最高潮に高まっている今シーズンの出だしがこんな形でつまずくとは、誰が想像しただろうか。

 トリノ戦の立ち上がりは上々だった。マウロ・イカルディのアシストでイヴァン・ペリシッチがキックオフ早々に先制点を挙げ、続いて前半32分にはステファン・デ・フライのゴールで2−0とした。このまま順調にいけば、サッスオーロ戦の敗戦を帳消し、インテリスタの期待に応える初勝利となるはずだった。しかし、ここから“悪い意味”でのインテルらしさが出てしまう。

 ルチアーノ・スパレッティ監督はこの日、最初は3バックの布陣をとったが、インテルの問題点の一つは両サイドバックにある。ジョアン・カンセロ、ダヴィデ・サントンを放出したため、ダニーロ・ダンブロージオ、クワドォー・アサモア、ダルベルトだ。彼らはセンターバックのミラン・シュクリニアル、デ・フライ、ミランダらに比べて、どうしても不安定な印象が残る。またアンドレア・ラノッキアが未だに残留しているのも謎だ。

 あえて“戦犯”を名指しする。ブラジル人DFのダルベルトは昨シーズン、ニースから移籍金2000万ユーロ(約26億円)でインテルに移籍してきたが、完全な期待外れだ。イタリアのサッカーに慣れるための準備期間は十分に終わっているはずなのに、サッスオーロ戦ではドメニコ・ベラルディを抑えられなかった。そしてトリノ戦ではスタメン落ちながら後半21分、アサモアに代わって出場。しかし、またもやトリノのイアゴ・ファルケにやりたい放題にされてしまった。

 オフェンス面を数字で見ると、インテルは前半シュート8本、後半5本に対し、トリノは前半2本から後半11本と攻撃的になり同点に追いついた。両エースにも差が出ている。イカルディのシュートはわずか2本だったが、トリノのアンドレア・ベロッティは4本で、そのうちの1本がゴールにつながった。

 インテルの弱点がはっきりと浮き出たこのトリノ戦。問題点はサイドバックを主とした守備面の見直しと、昨シーズンからの課題である得点力をイカルディとペリシッチ頼みにしないこと。さもなければ、チャンピオンズリーグも戦わなければならない今シーズンを台無しにしてしまうだろう。

文=赤星敬子

サッカーキング

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