C大阪4位に浮上。川崎戦勝利の要因3選【J1リーグ2023】

2023年9月4日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第26節の計9試合が、9月2日、3日に開催された。セレッソ大阪は2日、ホームのヨドコウ桜スタジアムで川崎フロンターレと対戦。最終スコア3-0で勝利した。


前節では名古屋グランパスとの上位対決も制し、3位浮上を射程圏内に捉えたC大阪。一方の川崎は、リーグ戦直近3試合で1分2敗と不調の上、天皇杯からのスケジュールの影響で中2日と日程的にも厳しい状態でこの試合を迎えた。


ここでは、J1第9節C大阪VS川崎の試合を振り返り、C大阪が勝利した要因を解析していく。




川崎フロンターレ FWレアンドロ・ダミアン 写真:Getty Images

C大阪VS川崎:試合ハイライト


同試合のファーストチャンスは、8分に川崎に訪れた。C大阪のMF喜田陽がボールを受けるところに、川崎MFジョアン・シミッチがプレスをかけボールを奪取。そのままゴール前へ持ち運び、FWレアンドロ・ダミアンへラストパスすると、ダミアンがダイレクトでシュート。しかしGKヤン・ハンビンがセーブし、得点を許さない。その後もしばし同様の展開が続いた。


28分、再び川崎に決定機。MF脇坂泰斗が入れた縦パスを、FW瀬川祐輔からダミアンへと繋ぎ、再び瀬川へ。瀬川のクロスに対し、脇坂が飛び込むもシュートはゴール上へ大きく外れる。川崎らしいボールの繋ぎで迫ったと言える。


41分、C大阪に決定機。MF香川真司があげたコーナーキックのボールをDF船木翔が頭でつなぎ、最後はDF進藤亮佑がヘディングシュートでゴールに迫る。GK上福元直人が防いだ。0-0のまま後半へ。


セレッソ大阪 FWレオ・セアラ 写真:Getty Images

後半開始早々46分から、C大阪に得点の匂いがし出した。右サイドでボールを前に運んだMFジョルジ・クルークスが川崎ディフェンスライン前でフリーになったFWレオ・セアラにパスすると、ワントラップでシュート。惜しくもポストにはじかれた。


52分、C大阪が先制点。香川から右サイドのクルークスへ。クルークスがシンプルにクロスを上げると中でL・セアラが競りに行く。これが川崎のDF高井幸大にあたり、オウンゴールとなる。


C大阪が徐々にペースをつかみ始めた66分、クルークスのクロスが川崎DF山村和也の手にあたり、PKを獲得。これをL・セアラが確実に決め、2‐0とリードする。


2点を追いかける川崎は、飲水タイム後に4枚替えを実行。83分、交代で入ったFW小林悠がDF大南拓磨のクロスに反応しヘディングシュートを放つも、ヤン・ハンビンがセーブし得点を許さない。


後半アディショナルタイムにも、左サイドから仕掛けたC大阪のMF新井晴樹がペナルティーエリア内で山村に倒されPKを獲得した。このPKをFW渡邊りょうが確実に決め3‐0とし、試合終了となっている。


これにてC大阪が3連勝し、4位に浮上。川崎は9位と、厳しい状況が続いている。


では、C大阪目線から勝利した3つの要因をみていこう。


セレッソ大阪 小菊昭雄監督 写真:Getty Images

要因1:川崎の3バックへの対応力


川崎は、8月30日に行われた天皇杯準々決勝から先発メンバーを8人入れ替え、通常[4‐3‐3]のフォーメーションから、今節は[3‐5‐2]でスタート。C大阪はこれへの対応に時間がかかり、前半は川崎ペースで進んだ。選手間の距離が遠く、C大阪はうまくボールを前線に運ぶことができていなかった。


ハーフタイムでC大阪は、川崎の[3‐5‐2]への対応方法を変えることを選択。これがうまくいった。小菊昭雄監督も試合後「サイドバックのポジショニング、ボランチの関わり方を全員で共有したことで、立ち位置での位置的優位を取って、有効に前進できたシーンが多くなった」とコメントしている。


51分のパス交換のシーンは象徴的だ。右サイドでボールを受けたDF毎熊晟矢は、サイド側ではなく真ん中方向にポジショニングをとる。そこに近い距離で香川と喜田が絡んでセンターでボールを動かす。こうすることでセンターに川崎ディフェンスが寄っていき、サイドのスペースが空く。すると個人技に優れているC大阪のサイドアタックが活きるようになる。




セレッソ大阪 GKヤン・ハンビン 写真:Getty Images

要因2:GKヤン・ハンビンの守備力


この試合、前半45分のうちに川崎が得点を挙げていたら、結果は分からなくなっていただろう。それを防いだのがGKヤン・ハンビンである。試合を通してもMVPにあたる活躍をしたのは間違いない。


特に19分のシーンでは、MF橘田健人のシュートを防いだ後、ボールをこぼす場所とこぼした後のセカンド処理の速さが際立っていた。こぼれ球にはFW山田新がC大阪のディフェンス陣より早く反応するも、ヤン・ハンビンの速さが上回った。上位進出へ向け、守護神の存在は不可欠である。




セレッソ大阪 MF新井晴樹 写真:Getty Images

要因3:交代カードの有効性


また、87分に投入され、アディショナルタイムのPKによりC大阪の3点目を演出した2名、MF新井晴樹とFW渡邊りょうは、共にこの7月に加入した選手でありチームへのフィットを示した。


新井は、C大阪は2度目の加入となる。クロアチアリーグ(HNKシベニク2022-2023)でのプレー経験もあり、C大阪にとってサイド攻撃の選択肢が増えたことは間違いない。渡邊は、J3アスルクラロ沼津(2019-2022)藤枝MYFCでJ2昇格(2022-2023)と、下部リーグからステップアップを図り、今2023シーズンJ1まで上り詰めた。この2人が優勝戦線に残るラストピースとなるか。今後、注目である。

FOOTBALL TRIBE

「川崎」をもっと詳しく

「川崎」のニュース

「川崎」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ