大谷翔平に世界が“魅了される理由”は何か? 「小さくても、価値のある行動」に秘められた数字に表れない凄み
2023年9月5日(火)7時0分 ココカラネクスト
チームメイトと談笑する大谷。こうした素朴な振る舞いも彼の魅力だろう。(C)Getty Images
今や日本の国民的大スターと言っても過言ではない大谷翔平(エンゼルス)。その一挙手一投足はワイドショーなどでも連日のように報じられ、ニュースを目にしない日はないと言っても過言ではない。
なぜここまで多くの人々が大谷に魅了されるのか。
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無論、「規格外」や「唯一無二」と称される投打二刀流による目に見える実績は大きな要素と言える。メジャー6年目の今季は、先月23日に右肘側副靭帯の損傷によって「投手」を断念せざるを得なくはなったが、史上初となるシーズン40本塁打&2桁勝利を達成。さらに「打者」としては、いまだアメリカン・リーグにおいて8部門でトップに君臨し、日本人選手史上初の本塁打王にも迫っている。
誰もが「無理」と考えていたメジャーでの二刀流を成立させる偉才に見惚れているのは間違いない。しかし、彼が世界で寵愛を受ける理由はそれだけではないはずだ。でなければ、敵地で敬遠をされた際に、地元ファンが「勝負をしろ」と痛烈なブーイングをするわけがない。
「他の選手が二刀流をやりたいと思ったときに道が狭くなることだけはしないように頑張りたい」とは、昨年10月に開かれた会見で大谷が語った言葉だ。どれだけの功績を残そうとも驕らず、謙虚に次の挑戦を見据える姿勢が垣間見えた。ここに人気の秘訣があると言えよう。
実際、世界は大谷の人となりを「他の選手とは違う」と評価する。メキシコの地方紙『Diario de Yucatan』のガスパール・シルベイラ記者は、「今シーズンのオオタニは議論の余地もなく史上最高だ」と強調。そのうえで「彼は特別かつ驚異的な才能の持ち主だ。しかし、仕事への情熱、そして献身性や規律、試合中に見せる敬意がなければ、MLBを征服し、多くの人を魅了する選手にはならなかったはずだ」と論じた。
さらにメキシコ・リーグの古豪プエブラ・パロッツでコーチを務めていたルイス・ホルヘ・ブルゴス氏は、『Diario de Yucatan』で、こう語っている。
「あの姿勢こそが違いを生むんだ。もしも、オオタニに規律がなかったら今の彼はなかっただろうね。彼は紳士だし、野球を尊重している。彼をあそこまで成長させたのは、そうした小さくても、価値のある行動の積み重ねなんだと思う」
単に成績を残す選手はメジャーリーグにごまんといる。そうしたスターたちの中で大谷が「トップクラス」と考えられる理由は、数字だけでは見えない“魅力”にある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]