もはやロングアイアンを超えた? 『JPX FLI-HI』は飛んで、止まって、コスパも抜群!

2024年9月27日(金)8時45分 ALBA Net

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。


ミズノが2024年9月13日に発売したユーティリティが『JPX FLI-HI』です。

“アイアンの流れを重視したユーティリティ。ロングアイアンの代わりを求めるゴルファーへ。”が、コピーです。そのままの文言で、インプレになりそうです。

2年前に発売した前モデルは、やさしく打てて、しっかりと距離が出て、グリーンに止められるユーティリティと大絶賛しましたので、新しい『JPX FLI-HI』も大いに期待が高まります。

新しい『JPX FLI-HI』も、前モデルと同じように、ソールも、フェースも、クラウンも、全てブラックで渋くクールに仕上がっています。

ラインナップを見てみると、ロフトは、19度、22度、25度、28度になっています。前モデルよりもロフトが1度ずつ立っています。飛距離が出て、やさしいユーティリティということなのでしょうか? 興味津々です。

『JPX FLI-HI』の第一のテクノロジーは、「ウェーブテクノロジーソール」です。ソールに、蛇腹状の溝があり、この構造が、ミスヒット時の初速のロスを防ぎ、芯が広くなったように感じさせます。

「スピードベベルソール」は、フェース下部のリーディングエッジに逆バンクのような角度をつけた構造です。ダフったときでも、ヘッドスピードが落ちずに、ヘッドを抜けやすくしています。

そして、「番手別形状設計」です。19度はヘッドシェイプを大きくして、フェアウェイウッドのような許容性の高さと重心深度を深くしています。28度はヘッドの幅を狭くして、シャープにすることで、アイアンとの繋がりに違和感がないようにしています。立っている番手から寝ている番手に流れるように形状を変えて、より構えやすく、より飛距離が出るようにチューニングしているのです。

コースには、19度〜28度までの4つの番手を全て持ち込みました。試打した日は、曇りのり晴れで、気温は23℃〜34℃。微風。使用したボールは、打ち慣れていて、クラブの影響だけに集中するために『TOUR B X』にしました。


【打感・打ち応え】
『JPX FLI-HI』の打音ですが、やや控え目の大きさで、濡れた鞭系に硬質が微かに混じる音で、心地が良かったです。打ち応えは弾き感があり、軽い感触。手応えは非常に敏感で、芯に当たったクリアな感触はミズノらしいと感じました。


【弾道・球筋・スピン】
『JPX FLI-HI』の弾道は、高弾道です。ボールを拾いやすく、美しい軌跡を描きます。曲げるのは簡単で、敏感ですが、基本的にはストレートに近いフェードか、ドローが得意です。スピン性能は、ユーティリティとしては、驚異的にかかるほうに分類されます。


【距離性能】
『JPX FLI-HI』は、ほぼキャリーで計算が出来る飛距離性能です。平均で、19度=195ヤード、22度=185ヤード、25度=175ヤード、28度=165ヤード(ラン含む)。特に、25度と28度はピンを狙って打って、結果も出るのでシビれました。


【ロマン派ゴルフ作家語る】
『JPX FLI-HI』は、まずアドレスで主張してきます。狙いたいところに、飛ばしたい弾道で、打ってください、という感じで、実にアドレスしやすく、イメージが出やすいのです。

ヘッドの大きさも小さすぎず、ちょうど良い感じです。特に良いのは、ネックの位置とヒールサイドの処理。自然で邪魔にならない感じは、それだけで合格だと思いました。

機能とは直結しませんが、付属のヘッドカバーも、番手ではなく、ロフトが表示されています。これがとても良い感じに見えるのです。

『JPX FLI-HI』は、ロングアイアンとして使えるユーティリティという開発コンセプトですが、今回のモデルチェンジで、代替品ではなくアイアンを超えた、と感じるゴルファーも多いと思います。
ロングアイアンではなく、ミドルアイアンも全て『JPX FLI-HI』にするという選択肢があることに救われる可能性は、僕も初めて実感しました。

ミスしても助けてくれるやさしさがあって、ボールが上がり、高さとスピンの両方でボールが止まるので狙える信頼感もある。『JPX FLI-HI』は、狙い通りに行きすぎて、ちょっと怖くなるぐらいでした。

『JPX FLI-HI』は、過去に試打したユーティリティの中で、コース上で最も結果が出たクラブになりました。

ヘッドスピード40m/s前後で、シャープなフォルムのユーティリティが好きなゴルファーに『JPX FLI-HI』はオススメです。フェアウェイウッドが苦手なゴルファーにも『JPX FLI-HI』をオススメします。アイアンのように使えるからです。

実は、当初、軽量スチールが付いた『JPX FLI-HI』に自信がありませんでした。使用してきたユーティリティは基本としてカーボンシャフトを装着していたからです。ところが、打ってみてビックリ。楽々打てるだけではなく、アイアンのように打てるのです。

ちなみに、『JPX FLI-HI』は、アイアンと合わせやすいように価格も合わせています。通常のユーティリティは、アイアンより高額ですが、『JPX FLI-HI』は同じ金額なのです。これはあり得ないことで、ミズノの企業努力に拍手を贈りたいと思います。ついでに書くと、カーボンシャフトとスチールシャフトも1000円しか差がありません。

文句なしの高機能と使い勝手の良さ、そして、コストパフォーマンスに滅茶苦茶に優れているのが、『JPX FLI-HI』です。

アイアンが『JPX』でなくとも、興味が少しでもあれば『JPX FLI-HI』を打ってみることをオススメします。1本は持っていても損はないユーティリティとして、『JPX FLI-HI』は完成されているのです。


【試打ギアスペック】
『JPX FLI-HI』

ヘッド素材 ソフトステンレススチール(SUS431)精密鋳造
フェース素材 ステンレススチール(SUS630)精密鋳造
ロフト 19度、22度、25度、28度
シャフト N.S.PRO 850GH neo スチールシャフト


【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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