グアルディオラの次は?マンCの後任監督候補4人とその理由

2023年10月12日(木)12時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

現在マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督(52)は、間違いなくクラブ史上最も成功した人物として記憶されることだろう。


2016年の就任からプレミアリーグで5回(2017/18、2018/19、2020/21、 2021/22、2022/23)、FAカップで2回(2018/19、2022/23)、EFLカップで4回(2017/18、2018/19、2019/20、2020/21)ものタイトルを獲得。さらに昨2022/23シーズンには、クラブ史上初となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも優勝し見事3冠達成でシーズンを終えた。


2022年11月に、2025年までの新たな契約をシティと結んだグアルディオラ監督だが、満了後に離れる可能性があり現在後任候補として4人の名前が挙がっている。ミケル・アルテタ監督(アーセナル)、ロベルト・デ・ゼルビ監督(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)、アンジェ・ポステコグルー監督(トッテナム・ホットスパー)、ミチェル監督(ジローナ)だ。


ここでは、ボールポゼッション志向のチームを創るこの4人が、なぜシティの後任監督候補として選ばれたのか見ていこう。




トッテナム・ホットスパー アンジェ・ポステコグルー監督 写真:Getty Images

アンジェ・ポステコグルー監督(トッテナム・ホットスパー)


シティの後任監督候補1人目は、2021年に横浜F・マリノスからスコットランド1部のセルティックに移籍し、今2023/24シーズンからはトッテナム・ホットスパーで指揮を執っているアンジェ・ポステコグルー監督だ。


セルティック在籍時の2シーズンでは、スコットランド・プレミアシップのタイトルを2度獲得。2年目には国内タイトル3冠(プレミアシップ、スコティッシュカップ、スコティッシュ・リーグカップ)を達成し、2シーズン連続でPFAスコットランド年間最優秀監督賞とSFWA年間最優秀監督賞を受賞した。


今シーズンから率いるトッテナムは、強力なストライカーを失っている。2014年から9シーズン連続でクラブ内得点王を記録し、リーグ得点王を3回、アシスト王も1回獲得したイングランド代表FWハリー・ケインが、ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘンに移籍。プレミア初挑戦となるポステコグルー監督の前途は多難に見えた。


しかし同監督は、リーグのアシストランキングでトップタイを誇るイングランド代表MFジェームズ・マディソンや、得点ランキング2位タイの韓国代表FWソン・フンミンを中心にチームを作り上げ、チームは第8節終了時点で6勝2分と1位をマーク。また、昨年チームに加入するもこれまで目立った活躍ができていなかったマリ代表MFイブ・ビスマも、今シーズンは見違えるような素晴らしいプレーを見せている。


ポステコグルー監督は、短期間のうちに攻撃志向で魅力的なサッカースタイルをチームに浸透させることに成功しており、これもシティの監督候補に挙がっている理由と言えるだろう。英スポーツメディア『The Athletic』によると、横浜FMとも提携しているシティ・フットボール・グループ(CFG)も、同監督がセルティックに移籍する前から気に入っていたと報じている。




ジローナ ミチェル監督 写真:Getty Images

ミチェル監督(ジローナ)


シティの後任監督候補2人目は、2021年7月からラ・リーガ(スペイン1部)に所属するジローナで采配を振るっているミチェル監督だ。


ジローナはリーグに初参入した1933年以降、1部リーグに所属したのは今2023/24シーズンも含め4シーズンのみ。最高成績は10位である。2部リーグには22シーズン在籍し、それ以外の約60年間はさらに下のリーグで戦ってきた。


そんなジローナに就任した1年目、ミチェル監督は2部セグンダ・ディビシオンで昇格プレーオフを戦い、見事チームを1部リーグへと導いた。所属3年目となる今シーズンは、第9節終了時点で7勝1分1敗と好スタートを切り現在リーグ2位。トップに君臨する強豪クラブ、レアル・マドリードを追っている。


ボールを保持しながら攻撃を仕掛ける練習では戦術的なものが多く、様々なルールを課したミニゲームなどに取り組んでいるジローナ。そんなミチェル監督にグアルディオラ監督とその周囲も感銘を受けていると言われており、その信頼が後任候補に繋がっているのは間違いない。


アーセナル ミケル・アルテタ監督 写真:Getty Images

ミケル・アルテタ監督(アーセナル)


シティの後任監督候補3人目は、アーセナルのミケル・アルテタ監督だ。2016年夏から2019年まではシティのアシスタントコーチであった。


シティでは、プレミアリーグで2回(2017/18、2018/19)、FAカップで1回(2018/19)、EFLカップで2回(2017/18、2018/19)のタイトルを獲得している。グアルディオラ監督とは選手としてバルセロナの下部組織にいた頃に出会っており、今でも連絡を取り合う仲。以前からシティの後任監督候補として名前が挙がっているのは、このような背景が理由なのかもしれない。


2019年12月にアーセナルに就任したアルテタ監督だが、その年はFAカップで優勝。さらに昨2022/23シーズンは最も長い期間リーグ首位の座を守り、最終順位は2位でシーズンを終えた。一時は8位まで落ち込んだこともあるチームをタイトルが狙える位置まで回復させることに成功している。


『The Athletic』は「アルテタ監督がアーセナルで実力を証明する前の方が、グアルディオラ監督の後任になるチャンスは高かった」と報じた。チームが勢いに乗れば乗るほど、アルテタ監督がアーセナルから移籍するのは難しくなるだろう。しかし、この実績を見ればシティの監督候補にその名が挙がるのも無理はない。




ブライトン ロベルト・デ・ゼルビ監督 写真:Getty Images

ロベルト・デ・ゼルビ監督(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)


4人目となるシティの後任監督候補は、2022年9月からブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンを指揮するロベルト・デ・ゼルビ監督だ。


就任1年目から素晴らしいチームを作り上げ、ブライトンの歴代最高順位であるリーグ6位という成績を残した。さらに、クラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ(EL)の出場権も獲得している。


グアルディオラ監督は、同監督の大ファンで、緊密な関係にあることが知られている。「ロベルト(デ・ゼルビ監督)は過去20年間で最も影響力のある監督の一人だと思う。彼が(プレミアリーグに)来た時、その影響は大きいだろうという予感はあったが、これほど短期間でそれを成し遂げるとは思わなかった」とコメント。


グアルディオラ監督自身もその影響を受けており「ブライトンは私が多くのことを学ぼうと思うチームの1つであり、彼らの成功は賞賛に値する」と話している。シティが歴史的な3冠を達成した2022/23シーズンのプレミアリーグでは、第33節アーセナル戦で「センターバックが相手を惹きつけ、その前に2枚の守備的MFを置くビルドアップ」というデ・ゼルビ監督が行っている手法を模倣し、シティを勝利(4-1)に導いた。


いずれにしても、才能と資質を兼ね備えたグアルディオラ監督の後任探しが混迷を極めるのは明白だが、同時に誰がその大きすぎる穴を埋めるのか楽しみでもある。

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