レアル加入後、負傷続きのベイル…原因は右サイド起用?恩師が言及
2017年10月12日(木)11時11分 サッカーキング
近年はピッチ上での活躍よりも負傷の方が話題となっているレアル・マドリードのウェールズ代表FWギャレス・ベイル。かつて同代表を指揮し、2006年にはサウサンプトンに所属していた同選手をデビューさせたジョン・トシャック氏も、愛弟子の状態を心配しているという。
2013年夏にトッテナムからレアル・マドリードに加入したベイルだが、度重なる負傷に見舞われている。スペイン紙『マルカ』によると、レアル・マドリード加入後の負傷数は「23」に達するという。現在も左足ふくらはぎを痛めて戦列を離れており、大黒柱を欠いたウェールズ代表は2018 FIFAワールドカップ ロシアの出場権を逃した。
レアル・マドリードを率いた経験も持つトシャック氏は、スペインのラジオ局『カデナ・セール』でのインタビューで、ベイルを欠くウェールズ代表の多大な戦力低下を説明した。
「ベイルはチームメイトに強い影響を及ぼす存在だ。負傷していたり出場できなかったりすると、チーム全体の活力が落ちてしまう。これはメンタル面の問題ではない」
トシャック氏はウェールズ代表がW杯出場を逃したことにも言及。9日に行われたW杯欧州予選最終節、ドローでもプレーオフ進出が決まる状況にあったにも関わらず、ホームでアイルランド代表に0−1で敗れたことを嘆いている。
「今はウェールズの全国民が悲しんでいる。なぜなら、最後の最後で良い結果を残せなかったからだ。全てが失われたような感覚だ。ウェールズ代表は、昨年のユーロではまだあまり知られていなかった。だが、あの大会でベスト4に進出したことで、研究されるようになってしまった」
一方、レアル・マドリードでのベイルについて質問されたトシャック氏は、思うように物事が進まない状況での心境を察した。
「ベイルはレアル・マドリードで実質的にポジションを失っている。公式戦のほぼ30パーセントに欠場しているのだからね。とてつもないフラストレーションを感じているはずだ。私の下で代表デビューしてからの数年間がキャリアで最も良い時期だったのではないだろうか。彼ほどの選手であっても、フィジカル面で100パーセント(の状態)になければ全てが難しくなってしまう」
トシャック氏はさらに「レアル・マドリードの人々は私よりも彼のことを知っている」としながらも、ベイルが負傷を繰り返す原因として、右サイドでプレーすることによる余計な負荷を挙げている。
「ベイルはかつて常に左サイドでプレーしていた。私が指導した当時はサイドバックだった。それが今では右サイドのウイングとしてプレーしている。一方、パオロ・マルディーニやロベルト・カルロスは右サイドでプレーしたりしなかった。少なくとも私は一度も見たことがない。ベイルのケガの多さには、ポジションが関係しているのではないかと思っている」
恩師であるトシャック氏から、適正ポジションについて言及されたベイル。レアル・マドリードのチーム事情を考えると今後も右サイドでのプレーが多くなりそうだが、かつてのように左サイドを圧倒的なスピードとパワーで突き抜ける姿も見てみたいものだ。
文=北村敦
2013年夏にトッテナムからレアル・マドリードに加入したベイルだが、度重なる負傷に見舞われている。スペイン紙『マルカ』によると、レアル・マドリード加入後の負傷数は「23」に達するという。現在も左足ふくらはぎを痛めて戦列を離れており、大黒柱を欠いたウェールズ代表は2018 FIFAワールドカップ ロシアの出場権を逃した。
レアル・マドリードを率いた経験も持つトシャック氏は、スペインのラジオ局『カデナ・セール』でのインタビューで、ベイルを欠くウェールズ代表の多大な戦力低下を説明した。
「ベイルはチームメイトに強い影響を及ぼす存在だ。負傷していたり出場できなかったりすると、チーム全体の活力が落ちてしまう。これはメンタル面の問題ではない」
トシャック氏はウェールズ代表がW杯出場を逃したことにも言及。9日に行われたW杯欧州予選最終節、ドローでもプレーオフ進出が決まる状況にあったにも関わらず、ホームでアイルランド代表に0−1で敗れたことを嘆いている。
「今はウェールズの全国民が悲しんでいる。なぜなら、最後の最後で良い結果を残せなかったからだ。全てが失われたような感覚だ。ウェールズ代表は、昨年のユーロではまだあまり知られていなかった。だが、あの大会でベスト4に進出したことで、研究されるようになってしまった」
一方、レアル・マドリードでのベイルについて質問されたトシャック氏は、思うように物事が進まない状況での心境を察した。
「ベイルはレアル・マドリードで実質的にポジションを失っている。公式戦のほぼ30パーセントに欠場しているのだからね。とてつもないフラストレーションを感じているはずだ。私の下で代表デビューしてからの数年間がキャリアで最も良い時期だったのではないだろうか。彼ほどの選手であっても、フィジカル面で100パーセント(の状態)になければ全てが難しくなってしまう」
トシャック氏はさらに「レアル・マドリードの人々は私よりも彼のことを知っている」としながらも、ベイルが負傷を繰り返す原因として、右サイドでプレーすることによる余計な負荷を挙げている。
「ベイルはかつて常に左サイドでプレーしていた。私が指導した当時はサイドバックだった。それが今では右サイドのウイングとしてプレーしている。一方、パオロ・マルディーニやロベルト・カルロスは右サイドでプレーしたりしなかった。少なくとも私は一度も見たことがない。ベイルのケガの多さには、ポジションが関係しているのではないかと思っている」
恩師であるトシャック氏から、適正ポジションについて言及されたベイル。レアル・マドリードのチーム事情を考えると今後も右サイドでのプレーが多くなりそうだが、かつてのように左サイドを圧倒的なスピードとパワーで突き抜ける姿も見てみたいものだ。
文=北村敦