19歳の冨安が不安でいっぱいの代表デビュー、先輩の吉田&槙野は称賛

2018年10月13日(土)11時39分 サッカーキング

若手有望株として期待される19歳の冨安健洋 [写真]=Getty Images

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 スタメンを伝えられたのは試合前のミーティングだった。「本当に何でかは分からないんですけど、試合が始まるまでボーッとしていたというか……」。念願の代表デビューを前にして、これまでに経験したことのない感覚が19歳の冨安健洋を襲っていた。

「ずっと調子も良くなかったんで、不安しかなかった。不安だったから、『よし、行こう』という感じで入れたわけではなかった」。いつもと違う自分がいる。何もかもが初めての状況に戸惑いながら、冨安は自身初の舞台に立った。

 そんな不安も、いざ試合開始の笛が鳴ると一気に吹き飛んだ。「始まってしまえば、自分が思っている以上に体も動いて、すんなりゲームに入ることができた」と堂々たるプレーを披露。188センチの高さを生かしてクロスを跳ね返せば、出足の鋭いプレスで相手のカウンターをつぶす。攻撃面では、前線の大迫勇也南野拓実に機を見て縦パスを通した。

 10代でのA代表デビューは2012年の宮市亮以来、センターバックでは初となる。東京五輪世代では先月のコスタリカ戦で先発した堂安律に続き2人目だ。隣でコンビを組んだ槙野智章は「ハイパフォーマンスを出してくれた。高さもあって、人にも強い。将来が楽しみ」と太鼓判を押す。不動のセンターバックとして君臨する吉田麻也は、「僕が思っている以上にやれると感じた。他のポジションに比べて競争が少ないので、もっと突き上げが必要」とポジション争いを歓迎した。

 当の本人は、胸中に手応えと課題を同居させていた。緊張から解放されたからだろうか、いつもより少しだけ饒舌に話を進める。

「無失点に抑えて勝つことができたので、ホッとした部分はありますけど、勝ったからこそポジティブに反省することもできる。細かいミスもありましたし、決してパーフェクトなゲームではなかった。映像を見返しながら、反省して、次に生かしたい」

 隣で優しく声を掛けてくれた槙野も、ベンチから温かく見守ってくれた吉田も、今後はライバルだ。「まだ1試合やっただけ。これでどうこうというわけではないと思う。また練習からアピールしないといけない」。この一戦を2年後の東京五輪、4年後のカタールW杯へ続く大きな1歩にしてみせる。

取材・文=高尾太恵子

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