「HS40m/sでは気合いを入れて打たないと難しい」のに今までで一番好きと感じた『P7CB』アイアン

2024年10月17日(木)19時45分 ALBA Net

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。


テーラーメイドは『P7CB』を2024年9月6日に発売。今までは『P7MC』というマッスルキャビティアイアンがありましたが、『P7CB』というキャビティバックという名称のアイアンは初めてになります。

『P7CB』のコピーは“ツアープレーヤーが追い求める卓越したフィーリング”です。いわゆるツアーキャビティという分類のアイアンであることがわかります。ここまでの前文を読むと、難しそうなイメージがありますが、テクノロジーを見ると、許容性を高めている感じがします。

『P7CB』の注目すべきテクノロジーは、ソールに穴を開けて中空構造にして、3番〜6番までは、トゥ側にタングステンウェイト、センターからヒール側にセラミックコアを入れて、7番〜PWはセラミックコアのみを入れていることです。蓋をしているので、全く見ることは出来ません。

中空にするだけではなく、重量配分を適切にするタングステンウェイトで、低重心化と許容性の向上を狙い、深い打感を得るためのセラミックコアを入れるというテクノロジーは、2024年のアイアンのトレンドの一つでありますが、見た目ではそれを感じさせないところが良いのです。

見た目はシャープなヘッドで、ツアーキャビティらしい雰囲気に溢れています。通常の2倍の2000t圧プレス機で、5回叩くという軟鉄鍛造で製造しているので、軟鉄の密度が上がり、やわらかく研ぎ澄まされた打感が生まれたそうです。

テーラーメイドの『P』シリーズのアイアンには、新しいモデルが出るたびに、見た目も機能だと考えている哲学を感じさせます。『P7CB』も例外ではありません。まずは、ヘッドをじっくりと眺めていたくなる美しさがあります。

『P7CB』は、他の『P』シリーズのアイアンとのコンボセットを組むことを前提に作られています。納得できる部分もありますが、まずは、『P7CB』単体として、アイアンとしての機能に興味津々になりました。

試打した日は、晴れで、気温は24℃〜31℃。風ややありでした。試打ラウンドをした『P7CB』は、5番〜PW、N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 (S)です。使用したボールは、使い慣れていてクラブだけに集中できる『TOUR B X』です。


【打感・打ち応え】
『P7CB』の打音ですが、音量は控えめ。乾いた低音でカチッとした気持ちが良い音です。打ち応えは軽く、乗り感があります。一瞬、乗り感で時間が止まるような感触です。手応えは敏感で、芯感はクリアで快感を得られます。


【弾道・球筋・スピン性能】
『P7CB』の弾道は、少し低めの高弾道。左に行きにくいチューニングはツアー用で、油断すると右にすっぽ抜けるほどです。曲がりには敏感に反応します。どちらかと言えばフェードが得意です。スピン性能は、その場で止まろうとする通好みの効きになっています。


【飛距離性能】
『P7CB』は、7番アイアンのロフトが33度。ロフト通りの飛距離です。番手間を安定して打てるやさしさは強く感じます。


【ロマン派ゴルフ作家語る】
『P7CB』は、ヘッドが小さめで、バックフェースのデザイン、アドレスビュー、全ての面でシャープで本格的です。いわゆる、雰囲気があるアイアンとして隙がありません。

テクノロジーの説明を知るとやさしいのかと油断しましたが、ツアーアイアンとしてチューニングされていて、しっかり振れないと機能してくれませんので、まず、ご注意ください。僕のヘッドスピード40m/sでは、かなり気合いを入れて打たないと厳しい感じでした。とはいえ、結果として、試打ラウンドを終える頃には、今まで打ったテーラーメイドのアイアンの中で『P7CB』が一番好き、という結論になっていました。

『P7CB』の最も素晴らしいポイントは、打感と弾道、そして、結果が見事にリンクする快感を得られるアイアンだということです。打感と弾道がリンクしないアイアンのほうが市場には多いので、まず、それだけでも高評価ですが、それに、結果である方向と飛距離が見事にリンクします。まとめれば、ツアーキャビティアイアンとしての完成度がトップレベルに高いということです。

『P7CB』を、キャビティと分類して良いのか、という疑問は棚上げして、ツアーキャビティとして完成しているアイアンが欲しいゴルファーに『P7CB』をオススメします。

最初に書いたように、もっとパワーがあれば、『P7CB』のポテンシャルをフルに引き出せるのに、という悔しさもありましたが、完成度に拍手を贈りたいと思いました。ハードに振ることが出来るゴルファーにも『P7CB』はオススメです。

試打ラウンドで、2ホール目ぐらいから『P7CB』の打ち方がわかって、距離の打ち分けが思い通りに出来て、アイアンでもタッチが出ているプレーが出来ました。打ち手の技量に合わせて、アイアンが仕事をしてくれている感触は、かなりの快感でした。

『P7CB』は、ツアーアイアンです。強烈な完成度の高さで、アイアンを使う気持ちの良さを堪能できるのが魅力です。ある意味で、見た目が裏切らないハードなアイアンを打ちたいゴルファーに『P7CB』は打って欲しいと思いました。


【試打ギアスペック】
『P7CB』

ヘッド素材 軟鉄(S25C)+内蔵タングステンウェイト(#3〜#6))+内蔵セラミックコア
ロフト #5/26度、#6/29度、#7/33度、#8/37度、#9/41度、P/46度
シャフト N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 (S)


【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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