【コラム】「今季のインテルは違う」…終盤の粘り強さに見るメンタル面の成長

2017年10月17日(火)17時58分 サッカーキング

ミラノ・ダービーを制したインテル。今季は8戦無敗と好調を維持している [写真]=Inter via Getty Images

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 激動のセリエA第8節だった。今シーズン序盤のセリエAを語るうえでのターニングポイントになった試合が多かった。

 ワールドカップ予選など各国で代表戦が行われた週明けのリーグ戦。ローマとナポリが激突した注目の一戦はアウェイのナポリに軍配が上がり、8戦全勝と絶好調を維持している。一方、ラツィオをホームに迎えた王者ユヴェントスは、イタリア代表FWチーロ・インモービレに2ゴールを奪われると、アルゼンチン代表FWパウロ・ディバラがラストプレーのPKを失敗し、初黒星を喫した。

 そんな中、単独2位に浮上したのが日本代表DF長友佑都が所属するインテルだ。

 こんなにスペクタクルなミラノ・ダービーをライブで取材したのは何年ぶりだっただろうか。7万8328人という観客数が、その期待度を物語っていた。開幕後、ほぼ足踏み状態であるミランより、ルチアーノ・スパレッティ監督率いるインテルに熱い視線が集まっていた。

「今シーズンのインテルは変わった」。確かにそう思い知らされる試合展開だった。このコラムでも何度も指摘し、長友にも何度か聞いたことがある。それはインテルの“悪癖”である試合終盤に失点するというパターンだ。集中力が途切れるのか、監督が誰になっても続いていた負の連鎖が、筆者としては気になっていた。それが今のインテルにはなく、逆に試合終了のホイッスルまでの残り15分で勝利をもぎ取るという逆転現象が起きているのだ。

 今回のダービーでも、インテルは後半終了間際にイタリア代表DFダニーロ・ダンブロージオが、スイス代表DFリカルド・ロドリゲスからファウルを受けてPKを獲得。アルゼンチン代表FWマウロ・イカルディこれを決めて、劇的勝利をものにした。

 9月24日の第6節ジェノア戦ではスコアレスドローの気配が漂い始めた87分にダンブロージオがヘディングで千金弾をマーク。その前の第5節ボローニャ戦でもイカルディが77分にゴールを決めて何とかドローに持ち込んでいる。第3節では引いて守る昇格組SPALに苦しみながら、87分にクロアチア代表FWイヴァン・ペリシッチが貴重な追加点を挙げて、2−0と試合を決定づけた。ペリシッチは第1節のフィオレンティーナ戦でも79分のゴールで勝利に貢献していた。

 スパレッティ監督の古巣、ローマとの対戦となった第2節のゲームでは、1−1で迎えた77分にイカルディ、87分にウルグアイ代表MFマティアス・ベシーノが得点を挙げ、3−1というスコアを生み出した。これらのデータを見ると、これまでにはないチーム全体の粘り強さ、そして勝利への執念が感じられる。

 ダービー後、長友にメンタル面で強さが加わったインテルについて聞くと「監督が勝利のメンタリティを植えつけてくれている。選手のメンタルコントロールがうまい」と絶賛した。

 前日の実践練習でもフォーメーションはほぼミックス、試合前のミーティングまで、誰が先発するのか予測しにくい環境を保っているのだという。そうすることでチームに緊張感と、いい意味でのテンションの高さを生み出すと話していた。

 次節はいよいよ、全勝で首位に立つナポリとの直接対決となる。スクデットへの期待が高まるナポリに対してインテルがどのようなアプローチを見せるか、興味津々だ。

文=赤星敬子

サッカーキング

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