【SFチャンピオン候補インタビュー】ホンダ勢唯一のチャンピオン候補、山本「小さくならず、思い切って」

2018年10月25日(木)17時50分 AUTOSPORT web

 今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権も残すは1戦のみ。その全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦『第17回JAF鈴鹿グランプリ』にドライバーズチャンピオン自力獲得の権利を残した者は3人である。決着戦へ向けての思いを3人の王者候補に聞いた。まずは、ランク3位、5年ぶり2回目の王座獲得を目指す山本尚貴(TEAM MUGEN)だ。


 今季の最終戦鈴鹿は、1レース制。決勝250kmレースの優勝者は最終戦ボーナス3点を含め13点獲得でき、ポールポジション得点と合わせて最大14点を最終戦で獲ることができる。


 タイトル獲得の可能性を有するのは、ポイントランク首位で現在29点のニック・キャシディ(KONDO RACING)、25点の石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、24点の山本、そして17点で並ぶITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛と平川亮までの5人だ。


 ただし関口と平川は、最終戦の優勝が最低条件で、しかも他力待ちという厳しい状況。自力王座の権利は上位3人のみがもつ。


 ランク3位の山本の場合は、仮にキャシディがポールポジションを奪った場合、その時点で自力王座の権利が消滅するという注釈がつくが、ポール・トゥ・ウインなら確実に自力王座獲得である(キャシディがポールを獲らない限りは、山本も勝てば自動的にチャンピオン)。


 今季の山本は、実質開幕2連勝でシーズンの主導権を握りながらも、ここ3戦については表彰台獲得がなく最高7位という展開で最終戦を迎える。それだけに「自力の可能性は残りましたけど(現在ランク3位ということで)状況は良くはないですよね。シーズンの流れも含めてそう思います」と本人は悔しそうに振り返る。


 しかし、「もちろん、ここはもう気持ちを切りかえて、最後に勝つ(ポール・トゥ・ウインする)ことだけを考え、やるべきことをやるだけだと思っています。ハードルは高いですけどね」と、視線は自力逆転に向けられている。


 山本は、今季開幕戦の鈴鹿でポール・トゥ・ウインしており、鈴鹿での好成績が多いことでも知られる選手。自力逆転への手応えは充分あってもいい状況に思えるが、決して楽観はしていない。


「開幕戦の鈴鹿で速かったから最終戦でも速いとは限らない、それが今のスーパーフォーミュラの難しさだと思いますし、自分が鈴鹿を得意としているのは確かですけど、これまで勝った時も際どいところで勝ってきた感じですからね。最終戦は、チャンピオン争いに関係ない人もいますので、そこも難しい要素になってくると思います」


 最終戦鈴鹿で警戒する相手についてはこう語る。


「もちろんタイトルを争っているキャシディや石浦、強いところは強いと思いますし、それぞれのチームメイトも速いでしょう。あとはダンディライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)勢も尖った速さをもっていますので、手強いと思います」


 たしかに鈴鹿で待っているのは困難な戦いである。しかし、一定以上の自信も山本にはあるはずだ。


「そうですね。自信をもって臨みたいですし、臨まないといけないと考えています。本当に、簡単ではないです。でも、やるだけやって、その時を楽しみたい、とも思っています。ボタンをかけ違わずに、かといって小さくならず、思い切って戦いたいですね」


 2013年にスーパーフォーミュラのシリーズ名における最初のチャンピオンとなって以来、5年ぶり自身2度目の王座を目指す山本尚貴選手。ホンダ勢で唯一、今季の王座獲得の可能性を残すドライバーでもあり、戴冠となればホンダにとっても5年ぶりとなる。


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