陣営内のタイトル争いが事実上決着「最後までふたりの戦いが続いてほしかった」とラトバラ代表

2023年10月29日(日)13時59分 AUTOSPORT web

 10月28日(土)、WRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』のデイ3がドイツの南東部の都市パッサウのサービスパークを中心に行われ、4台のトヨタGRヤリス・ラリー1を投入して今大会に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合2番手、チームメイトのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が総合4番手につけた。


 また、TGR WRCチャレンジプログラムにより非ワークスノミネートのマシンで出場している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組も総合5番手につける一方、総合3番手を走行していたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組はコースオフによりデイリタイアとなっている。


 26日(木)にチェコで開幕したCERの競技3日目は、ドイツとオーストリアが戦いの舞台に。計3本のステージを、ドイツのパッサウでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行し合計6本のSS、都合109.50kmで争われた。


 このデイ3の午前中は一時的に小雨が降り、路面はデイ1とデイ2に引き続き非常に滑りやすい状態となった。チェコで行われた前日のステージで、総合2番手のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に36.4秒差をつけて首位に立ったロバンペラは、ポジションを維持して迎えた2本目のSS10でブレーキングミスによるスピンで大きくタイムを失い、ヌービルとのタイム差が10.9秒に縮まってしまう。


 続くSS11では、今朝のSS9でベストタイムを刻み総合3番手につけていたエバンスが、集落内の右コーナーでコースオフを喫し小屋に激突。ドライバー、コドライバーともに無事だったもののマシンは大きく壊れデイリタイアとなった。ドライバーズタイトル争いにおいて唯一のライバルだったエバンスが戦列を離れたことにより、ロバンペラはリスクを減らすため同ステージ以降、意図的にペースを抑えた走りにシフトした。SS11で8番手タイムとなった結果、首位から総合2番手にポジションを下げている。


 ミッドデイサービス後、午後ループに入りの再走ステージが始まると、路面は全体的にドライに。それでも所々で湿っていたり、大量の泥が広がっていたりと依然トリッキーな状態が続く。とくに日没後に行われたSS14は非常に滑りやすい路面コンディションとなった。


 順位を下げたロバンペラは午後も確実性の高い走りを続けていたが、ナイトステージとなったSS14ではベストタイムを記録。首位ヌービルと26.2秒差の総合2番手でデイ3を走破した。

カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー


■オジエと勝田貴元が午後のループでスピードを示す


 また、前日のデイ2でホイールにダメージを負い大きく遅れたオジエは、午前中のステージを3、4番手のタイムで走行し、総合4番手まで順位を回復してみせる。さらに、午後の再走ステージでは2本のベストタイムを記録し、総合3番手につけるオット・タナック(フォード・プーマ・ラリー1)との差を31.1秒まで縮めて一日を終えている。


 勝田は午前中こそ思うようにタイムが伸びなかったものの、午後はスピードアップに成功する。ステージ5番手、4番手、3番手と確実にスピードを上げていき、総合5番手でデイ3を走りきってみせた。


 なお、コースオフを喫したエバンスのクルマは、サービスパークでの迅速な作業により修理が完了しており最終日デイ4での再出走が予定されている。


「チャンピオンシップを争う2人のドライバーがいる以上、今日のような事態は起こり得ることだ」と語るのは、TGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。


「エルフィン(・エバンス)の立場からすれば、トライするべき状況だったが、今回このラリーで見てきたように、このような難しいコンディションではミスをしやすい。彼らふたりの戦いが最後まで続いてほしかったと思うが、もちろんまだ完全に終わったわけではない」


「チームはエルフィンのクルマを修理することができたので、エルフィンは戦いを続けるために明日のパワーステージに全力で挑むことでしょう。それと同時に、カッレ(・ロバンペラ)がいいポジションにいて、状況をマネージする能力があることもわかっている」


「セブ(セバスチャン・オジエ)と(勝田)貴元は午後のステージで速さを示し、タイムも良かったので、明日も好調が続くことを楽しみにしている」


 その最終日デイ4は、パッサウのサービスパークを起点にオーストリアで1本、ドイツで1本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行するスケジュールとなっている。SS16の再走となるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。SS15〜18まで都合4本のステージの合計距離は67.24km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は278.24kmだ。

ヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

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