中嶋一貴、トヨタWECのレギュラードライバーから勇退。今週末のバーレーンが最終レースに

2021年11月3日(水)18時39分 AUTOSPORT web

 11月3日、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦しているトヨタGAZOO Racing(TGR)はリリースを発行し、同チームで8号車GR010ハイブリッドのドライバーを務めている中嶋一貴が、11月6日に開催される2021年最終戦バーレーン8時間レースをもって、WECレギュラードライバーとしての役割を終えると発表した。


 トヨタがWEC/ル・マンの最高峰クラスに復帰した2012年以来、LMP1およびハイパーカークラスに参戦を続けてきた一貴が、第一線から退くことになった。


 2014年のル・マンでは、日本人として初めて予選ポールポジションを獲得。2016年のル・マン24時間レースで“3分前の悲劇”の主人公となってしまった一貴は、2018年、セバスチャン・ブエミフェルナンド・アロンソとともに、トヨタと自身にとって悲願であったル・マン制覇を達成した。さらに2019年のル・マンも同ラインアップにより制し、2018/19シーズンの世界選手権タイトルも獲得している。


 2020年にはアロンソに代わってブレンドン・ハートレーが加入した8号車TS050ハイブリッドで、ル・マン3連覇。2021年は、新規定ル・マン・ハイパーカー(LMH)に合わせて新たに投入された『GR010ハイブリッド』でここまで5レースを戦い、僚友の首位7号車に15ポイント差のランキング2位につけている。


 一貴は2012年以来58レースに出場して16勝を挙げている。これはトヨタからWECに参戦してきたドライバーのなかで、ブエミに次ぐ数字となっている。


 リリースのなかでは「トップドライバーとしてだけでなく、信頼できるチームメイト、そして大事な友人として、この10年間、チームに多大な貢献をもたらしてくれた中嶋に、TGR WECチームとして感謝の意を表します」と一貴の功績を労う一文も記されている。


 また、一貴の今後については「WECレーシングドライバーとしてのキャリアは終えることになりますが、中嶋は今後もTGRの一員として、チームの成功に向けた協力とトヨタのモータースポーツを基点としたもっといいクルマづくりへの貢献を続けていきます」としている。


■「これからもずっとチームの一員だと思っている」と中嶋一貴


 一貴本人は、次のようにコメントしている。


「TGR WECチームのドライバーとして9シーズンを戦って来られたことは本当に光栄ですし、才能と情熱に溢れる、献身的な多くの仲間とともに数々のレースに勝ち、タイトルを獲得、ル・マンを制することができたのは幸運だったと思います」


「TGR WECチームと10年間にわたってレースを戦ってこられたことに、本当に感謝しています。辛い時も、楽しかった時も家族のように過ごして来たチームとは多くの忘れ難い想い出があり、これからもずっと、TGR WECチームの一員だと思っています」


「耐久レースも新たな時代に突入することになり、来年以降、多くのハイパーカーメーカーが参入してきます。と同時に私自身も新たな道を歩み始めることになります。これからもできる限りチームへのサポートは続けるつもりですし、さらにエキサイティングになる、耐久レース新時代が楽しみです」


 なお、2022年シーズンのドライバーラインアップについては、「数週間以内に追って発表予定」であると、リリースには記されている。

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