新庄ハムが近藤流出で味わう「三重苦」とは
2022年11月4日(金)11時0分 ココカラネクスト
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オフに入って補強を積極的に行っている日本ハムに再び朗報だ。
日本ハムからドラフト3位指名され、注目を集めていたメッツ傘下3Aシラキュースを自由契約となった加藤豪将内野手(28)が3日、千葉・鎌ケ谷にある球団施設を電撃訪問。新庄剛志監督(50)がかねてからラブコールを送っていた米国からの逆輸入内野手の入団が決定的となっている。
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加藤は施設見学のため鎌ケ谷の2軍施設を訪問。室内練習場でトス打撃、守備練習など、汗を流したという。
米カリフォルニア州生まれ。2013年には名門ヤンキースから2巡目指名を受け、今季はブルージェイズでメジャー初昇格を果たした。
日本ハムにとってはメジャー帰りの内野手加入で層も厚くなり、ポジションは左打ちの二塁手と今季埋められなかったポジションとあって、大きな補強となりそうだ。
オフに入ってすでに2件のトレードも成立。精力的に戦力補強を進めているが、懸案となっているのは主力の近藤健介外野手(29)のFA問題もある。
その近藤は3日、侍ジャパン合流前に取材に応じ、FA権行使について次のように語っている。
自身のFAについては「まずはジャパンなので。時が来たら話します。しっかり話して、決めたいと思います」と慎重な姿勢を見せた上で、決断で重視するポイントには「素直に他の球団が評価してくれていることも気になりますし、もちろんファイターズに愛着ありますし、そこは難しいですね。必要としてくれるチームの勝ちに貢献できるようにはしたいなと思うので、そういうところじゃないですかね」と話していた。
一方、近藤の置かれた状況についてはこういった声も上がる。
「残留する選手はほぼこの時期までに球団と合意して表明している。ここまで引っ張るということはすでに宣言を決めている、また移籍を意識しているということでしょう」(放送関係者)
日本ハムが誇る安打製造機の近藤が宣言すれば、特に2年連続V逸となっているソフトバンクが獲得に熱心とされる。主砲の柳田につなぐ選手として獲得を狙っている。
一方、このまま近藤が流出となればチームにとって大きな痛手となることは間違いない。
まず戦力面。チームで今季規定打席に到達したのは2人のみ。1人は打率・347で初の首位打者に輝いた松本剛、もう1人は打率・219に終わった清宮だ。近藤は規定打席に達しなかったものの、今季も打率・302と高い数字を残した。
「目立った成績を残したのは松本剛、近藤、ショートで存在感を示し始めた上川畑、キャリアハイの本塁打を放った清宮ぐらいのもの。トライアウトと位置づけて多くの選手を起用した結果でもありますが、近藤が抜ければ、打線形成はいよいよ厳しくなるでしょう」(同)
選手会長を務めるなどチームのまとめ役としても役割を果たしていた近藤。チームリーダー不在となることも危惧されている。
最後は他球団に流出することの影響だ。「これは移籍した選手誰でもいえることですが、元のチームの情報が丸裸にされてしまう。長年在籍し、投手のウイークポイントなども熟知しているとあって、日本ハムは戦いにくいでしょう」(同)
移籍にはつきものの事象とはいえ、近藤流出の穴は日本ハムにとって予想以上に大きなものとなりそうだ。本人の「決断」が待たれる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]