豪州SCの2015年王者マーク・ウインターボトム、13シーズンを過ごしたティックフォードを離脱

2018年11月6日(火)5時54分 AUTOSPORT web

 VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2015年チャンピオンで、シリーズを代表するドライバーのひとりであるマーク・ウインターボトムが、13シーズンを過ごしたティックフォード・レーシングから2018年限りで離脱することを表明した。


 2006年にフォード陣営の一員となり、2013年にはバサースト1000ウイナーにもなったウインターボトムは、2018年シーズンも残り2戦となった第15戦オークランド・スーパースプリントのパドックで、ともに通算38勝を記録したフォードからの離脱を発表。パドックに大きな衝撃をもたらした。


 今季のバサースト1000を終えるまでは、ティックフォードとの契約続行が濃厚だと見られていた37歳のウインターボトムだが、ここへきて急転直下。チャーリー・シュワルコート率いるチーム18、プレストン・ハイア・レーシングへの移籍を決断し、2019年からはホールデン陣営で戦うこととなった。


 この離脱に際し声明を発表したティックフォードは、その文面でもウインターボトムの愛称である“フロスティ”の呼称を用いて、チームの功労者に対し最大限の気持ちを込めた惜別の言葉を贈った。


「彼は2019年シーズンにティックフォードには残らないことを決めた。“フロスティ”は2006年以来、私たちの家族の一員でありともに夢のような13シーズンを過ごしてきた」


「バサースト1000を制覇し、130以上の表彰台を獲得し、2015年にはシリーズタイトルも手に入れた。ドライバーとチームのコンビネーションでここまで成功を収めた例は数えるほどしかないだろう」


「そのパートナーシップが今季限りで終わることを、とても悲しんでいる。しかし我々がともに成し遂げた成果は今後も輝きを失うことはないだろう。まだ我々の仕事は残っている。最終戦も、彼とともに最後の栄光を勝ち獲るために全力を尽くす」

第15戦の木曜に発表を行ったマーク・ウインターボトムは、家族を伴ってサーキット入り
今季は最終2戦を前にランキング13位、表彰台わずか1回と不振に喘いでいた
オークランドのパドックでは、フォード・オーストラリアがサプライズで感謝の意を示すイベントを催した


 このチームステートメントに対し、両者合意で離脱を決断したウインターボトムも「本当に感動的で、思わず感傷的になった」と、その胸の内を語った。


「想像してみてほしい。13年間もともに働いた仲間たちと別れることが、どんな気持ちにさせるかを。それは単なる仕事ではなく、家族として心と魂を通わせた時間だった」とウインターボトム。


「本当に難しい決断だったが……それはどちらかの意思というわけではなくお互いに合意をしてのことだが、こうして惜別の思いを受けとるのは格別な瞬間だ。チーム内の環境は最高で、今も本当の家族のような関係が続いている。そのことを誇りに思うよ」


「我々は素晴らしい旅を経験したし、過去の栄光や最高の瞬間は一生忘れないだろう。彼らと成し遂げた記録は、お互いに敬意を持って仕事に取り組まなければ、決してなしえなかったレベルのものだ」


 またウインターボトムは、ときを同じくしてトリプルエイト・レースエンジニアリングの株式15%を取得した現王者ジェイミー・ウインカップを引き合いに出し、それは「とてもエモーショナルで、理解できる行動」だとも語った。


「彼も自分と同じ2006年からトリプルエイトで戦っている。その場所から立ち去るのは本当に難しいことなんだ。だから彼がレッドブル・レーシングの未来に投資し、さらにその関与を強めたいと願う気持ちはよくわかるんだ」とウインターボトム。


「これは裏表の話なんだ。挑戦を続けているからこそ、ときに離別の“コール”をしなくてはいけないときもある。僕の使命は2019年にプレストン・ハイア・レーシングのホールデン・コモドアZBで競争力とスピードを見せつけることだと思っている」

フォード・パフォーマンス、プロドライブ・レーシングと名称が変わっても、「チームとは家族のように過ごしてきた」とマーク・ウインターボトム
この発表に先立ち、RBRAの株式を取得した王者ジェイミー・ウインカップ(右)は「マークの決断を心の底から尊重する」と語った
2019年はチーム18、プレストン・ハイア・レーシングへ移籍。現ドライバーのリー・ホールズワースは離脱が確定的となった


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