レクサス一騎打ちか、それともライバルが一矢報いるか。スーパーGT最終戦ツインリンクもてぎGT500プレビュー

2017年11月8日(水)11時54分 AUTOSPORT web

 DTM3メーカーの来日走行やDTMを運営するITR代表のゲルハルト・ベルガーの来場など、とにかく話題が豊富な今週末のスーパーGT最終戦の第7戦ツインリンクもてぎ。チャンピオンのかかった最後の戦いはどんな戦いになるのか。


 ポイントから見れば、GT500のドライバーズチャンピオンの候補は5台。4台のLC500チームと1台のGT-Rに絞られ、さらに自力優勝が可能なチームに絞ると、わずか1チームという状況になる。現在のドライバーズランキングのポイント差は次のとおりだ。


1位/69pt/37号車/平川亮、ニック・キャシディ
2位/63pt/6号車/大嶋和也、アンドレア・カルダレッリ
3位/61pt/23号車/松田次生、ロニー・クインタレッリ
4位/53pt/36号車/ジェームス・ロシター
5位/51pt/38号車/立川祐路、石浦宏明


 1戦で獲得できる最大ポイントがポールポジションの1pt+1位20ptなので、21ptとなるため、現在の5位までがタイトル候補となる。そしてさらに、1戦の2位のポイントが15ptになるため、自力タイトル獲得が可能となると37号車、KeePer TOM’S LC500のふたりだけは2位に入ってもチャンピオンとなることから、唯一の存在となる。


 チャンピオン大本命のKeePerではあるが、エースドライバーの平川亮にとっては久々のタイトル争いとなる。平川は2012年に全日本F3でチャンピオンになって以来のタイトル争い。最終戦を目前にし、本人はどの程度、プレッシャーを感じているのだろう。


「スーパーGTでは初めてのタイトル争いになりますし、トップカテゴリーでのタイトル争いも、ランキングトップで最終戦を迎えるのも初めてになります。全日本クラスではF3以来になりますので、5年ぶりという形になりますね」


「プレッシャーは感じてはいるんですけど、そんなにドキドキしているわけではありません。プレッシャーなのか、いつもよりトレーニングの両をちょっと増やしたりしている程度です。とにかく実戦練習ができないスポーツなので、ひたすら時を待つしかない状況ですしね」と、いつもと変わらぬ落ち着いた口調で話す平川。


 それでもオートスポーツ本誌に掲載されたコメントでは、タイトル獲得確率を『99パーセント』と自己申告している。


「いや、あれはもう、言わされた感があるので(笑)。でも、普通にレースができれば、今年の僕らのレースを振り返ればタイでも半分のウエイトハンデ(WH)であれだけ速かったですし(独走優勝)、そのWHが最終戦のツインリンクもてぎではゼロになるますので、普通に走れればタイトルが獲れると思っています」と平川。


 結局のところ、自信はかなりあるようだが、不安要素がまったくないわけではない。

逆転に次ぐ逆転でウエットの第7戦予選でポールを獲得したKeePerの平川亮と、越智メカニック。


「不安要素があるとすれば、道具が大部分を占めるスポーツなので、何が壊れるか分からないし、ふたりのドライバーで競うのでどちらかのドライバーがミスをするかもしれない。ピットでのタイヤ交換もあっていろいろな要素が含まれているので、そう簡単にすべてが上手くいくとは思っていませんが、いつも通りできればタイトルは獲れると思っています」


 独走するKeePerを追う筆頭マシンは、同じレクサスのWAKO’S 4CR LC500。今シーズンはまだ優勝こそないものの、表彰台を4度獲得、そしてWAKO’Sをメンテナンスするチームルマンは、スーパーGTでこのツインリンクもてぎをめっぽう得意としており、毎年のように上位争いに絡んできている。


 同じレクサス陣営同士といて、KeePerとWAKO’Sの一騎打ちという展開になりそうな気配も漂っているが、ニッサン、ホンダも当然、一矢報いる覚悟で最終戦に臨んでくる。


 ニッサンの筆頭はタイトル獲得の権利を保有しているMOTUL AUTECH GT-Rだ。KeePer、WAKO’Sが装着するブリヂストンタイヤと異なる、ミシュランタイヤを装着していることからも、当日の路面コンディション次第ではミシュランタイヤがマッチングしてブリヂストン陣営を凌駕する、という可能性も考えられる。


 また、極端に気温が下がったり雨になった場合、躍進してきそうなのがホンダ陣営だ。ミッドシップのNSXはリヤのウォームアップ性に優れており、LC500,GT-Rとは異なる特性を備える。今季のNSXは予選では速く、決勝になるとアクシデントやトラブルなどで順位を下げる展開が多かった。


 第4戦、第5戦とNSXは今季2勝を挙げていることからも、気温が低くなってタイヤかすが取れなくなるピックアップの症状が起こらなければ、NSXが存在感を示す展開が見られるかもしれない。


 いずれにしても、最終戦を制するにはまずは予選で上位グリッドを獲得し、そして決勝レースでコンディションにマッチしたタイヤ選択を行うことが大きなポイントになる。ウエイトハンデがないイコールコンディション、ガチンコの正攻法での戦いで、今シーズンの最強チーム、ドライバーコンビがどこなのかを見極めたい。


 開幕2戦で表彰台を独占して「春のレクサス祭」として始まった2017年シーズンのGT500クラス。果たして、ツインリンクもてぎ戦を制するのはどのチーム、そしてドライバーなのか。そして、年間チャンピオンに輝くのは、どのドライバーなのか。今週末、いよいよ最後の戦いが火蓋を切る。

第7戦タイで2位表彰台を獲得したWAKO’S 4CR LC500

第5戦富士でZENT CERUMO LC500の猛攻を防ぎ、2位表彰台を手にしたMOTUL AUTECH GT-R


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