冨安健洋も立ち寄る?アーセナル本拠地周辺マニアックスポット6選

2023年11月10日(金)12時0分 FOOTBALL TRIBE

エミレーツ・スタジアム 写真:Molly

赤と青のアイコンに大きな大砲がイメージのサッカークラブと言えば、プレミアリーグのアーセナルだ。現在同クラブに所属する日本代表DF冨安健洋は、日本時間10月28日の第10節シェフィールド・ユナイテッド戦で所属後初ゴールを決め、10月の月間最優秀選手賞を受賞した。


世界的にも非常に有名なクラブの1つであるアーセナルには、137年を超える壮大な歴史が存在する(創設1886年)。また、イギリスのロンドンに位置するアーセナルのホーム、エミレーツ・スタジアムは、イングランドで5番目に大きなスタジアムだ(現在の収容人数60,704人)。


ここでは、そんなエミレーツ周辺を実際に散策して厳選したマニアックなスポット6選を紹介したい。アーセナルのフォトスポットからオフィシャルグッズショップ、選手達が通うカフェまで、所属選手のファン、クラブそのものを愛する人々、今後現地で本場のプレミアリーグ観戦をしたいと思っている人々にとって、役立つ情報となれば幸いだ。




エミレーツ・スタジアム裏手側 写真:Molly

1)ドレイトン・パーク駅周辺(フォトスポット)


エミレーツの正面入口側は、日本でも様々なメディアで写真が取り上げられているが、裏手側の入口周辺にはあまりスポットが当たっていない。実はそこには正面には無いフォトジェニックな景色が存在する。裏手の入口へは、いくつかある最寄駅の1つドレイトン・パーク(Drayton Park)駅で下車し、駅を背にして左方向へ進むと1、2分程度で到着する。アーセナルの大きなモニュメントが建ち、スタジアムを背景にとっておきの1枚を記念撮影することができる。


おすすめの時間帯は土日の朝!駅前という立地から平日は通勤する人々が行き交うため、休日の朝であれば比較的人通りが少なくベストショットを狙いやすい。またモニュメントを通過して間もなく、地域の街に溶け込むようにしてクラブ創設年「1886年」の文字を建物の間から見ることができる。年号が物語るアーセナルの歴史と、住宅地から漂う現代らしさ、この2つを同時に写真に収めることができるマニアックなフォトスポットだ。




アーセナル・スタジアム 写真:Molly

2)ハイベリー(旧ホームスタジアム)


アーセナルのかつてのホーム(1913-2006)アーセナル・スタジアム(愛称ハイベリー)は、ファンなら一度は実物を目にしておきたい。前述のドレイトン・パーク駅からエミレーツとは逆方向の住宅街へ進むと、白地に赤の窓枠、アール・デコ調の上品さを兼ね備えた門構え、雰囲気が大きく異なるハイベリーが突如顔を出す。一見すると煉瓦色に煙突のある周辺住宅街の並びに上手く収まっているのだが、やはり大物感を隠しきれていない雰囲気で面白い景観だ。


現在ハイベリーはアパート、幼稚園、フィットネス・スタジオなど、商業施設や地域のコミュニティーなどに活用されており、施設内部に入れるのは関係者のみ。しかし敷地内は誰でも自由に入ることが可能だ。実際に入ってみると、当時のスタジアムの名残が全体の骨組みや壁や窓などからどことなく感じられ、一方で近代的な雰囲気もあり不思議な空間が広がっている。ピッチ部分の敷地は、施設の中庭のような扱いで再利用されている。


敷地内を散歩中の方に、ハイベリーの活用についてどう思うかを聞いてみたところ「アーセナル自体が地域の誇り、アイコンのような存在なので、その元施設を再利用することは当たり前のこと」と、クラブが地域に深く根付いていると感じられる回答だった。日本はまだサッカーの歴史が浅く新しいスタジアムが多いが、今後ハイベリーのように歴史を重ねた時には、この先進的な取り組みを参考に再活用されることも期待したい。




アーセナル・サポーターズクラブ 写真:Molly

3)アーセナル・サポーターズクラブ


エミレーツの最寄駅の1つアーセナル駅周辺は、閑静な住宅が建ち並び非常に静かな印象だ。スタジアムからすぐ近くの駅ということもあり、ハイベリーが現役の頃は賑やかな雰囲気だったと想像できる。現在は落ち着いた住宅地の通りに、1軒の真っ赤な格子が印象的なアーセナル・サポーターズクラブの施設が存在する。


取材時は臨時休業のため内部を撮影することはできなかったが、毎週土日の10時から23時までオープンしており、中にある小さなバーでお酒を飲みながらアーセナルサポーター達と語り合うことができる。サポーター登録をしていない人も、飲み物だけを注文して外で立ち飲みも可能。しかし、地域の人々が運営しているため予定通りに開いていない場合もあり注意が必要だ。それもまた現地の面白さとして受け入れながら、訪ねた時に運よくオープンしていたら、ぜひ現地サポーターの人々と大いにアーセナル話を楽しんでほしい。




エミレーツ・スタジアム裏手側 写真:Molly

エミレーツ裏手の散策ポイント


ここまで紹介した3つスポットがあるエミレーツ裏手の地域を訪れる際は、荷物を最小限にすることをおすすめしたい。正面側と違って全体的に高低差があり、歩道はレンガを敷き詰めたタイプのため、仮にスーツケースなどを引いて歩くとタイヤが破損する恐れがある。宿泊地に荷物を預けるか、ロンドン市内の主要駅(キングスクロス駅がエミレーツに最も近い)に点在する荷物預かり場に預けると快適だ。加えて、日本とは違い現地周辺には水分補給場所やトイレがほとんど無いため、事前に最寄りのスーパーマーケットなどで飲み物を準備し、トイレはスタジアム近辺に行く前に済ませておこう。


では次にエミレーツ正面側の3スポットを紹介しよう。


セレブレーション・コーナー 写真:Molly

4)セレブレーション・コーナー(記念プレート展示スペース)


エミレーツ正面側1階にはアーセナルのオフィシャルグッズショップがあり、2階にはスタジアムへの入場口やプログラムを販売する小さな売店、著名な選手たちの銅像や壁画などが展示されている。ファンにとっては全てが魅力的だが、なかでも必見なのは「セレブレーション・コーナー」だ。ここでは、クラブに対する想いを薄い亜鉛素材のプレートに刻んで残すことができる。遠く離れた憧れのホームスタジアムに自分のメッセージを残すことで、いつでもアーセナルと繋がっている感覚になれるかもしれない!物理的な距離のある日本在住ファンにとっては嬉しいサービスだ。


展示されているプレートを眺めてみると、子どもの出産記念を兼ねたメッセージや父と息子が一緒に刻んだ親子メッセージ、昔から応援している選手のファンからなど、多種多様なメッセージが並んでいる。一生ものと言えるこの記念プレートは、アーセナルの公式ホームページから申し込み可能。サイズと価格は以下のとおり(1ポンド190円換算)



  • 標準サイズ:縦6cm×横16cm(約19,000円)

  • 大判サイズ:縦6cm×横32cm(約33,000円)

  • プレミアムサイズ:縦12cm×横32cm(約57,000円)




ザ・アーモリー店内 写真:Molly

5)ザ・アーモリー(オフィシャルグッズショップ)


次に紹介するのは、エミレーツ1階にあるオフィシャルグッズショップ「ザ・アーモリー(The Armoury)」。店舗前の小さな広場には、アーセナルを象徴する大砲のレプリカが設置されていて、入店前からアーセナルらしさを感じることができる。決して広いとは言えない店舗だが、限られたスペース内に商品がぎっしりと陳列されていて、展示用の什器や装飾がとてもユニークだ。例えばレプリカボールがタワー状に積み上げられていたり、壁紙もカラフルで賑やか!ここでしか見ることのできない黄金のレプリカ大砲はフォトスポットになっており自由に撮影できる。


店内スタッフに商品の数や種類を訊くと「相当な種類と数で具体的な数字を把握できていないのが正直なところ。人気商品はアーセナルの公式マスコット『ガナーザウルス』で、大人から子どもまで幅広く売れているよ』とのこと。店内を見渡して気づいたのだが、各選手グッズが存在していない。日本では選手ごとのキーホルダーやプラスチック製品をよく見かけるが、それらしい商品は見当たらない。確認すると「レプリカユニフォームにお気に入りの選手の背番号をプリントするサービスが、唯一の選手グッズになる」らしい。


スタッフの接客サービスも素晴らしく、入店後すぐチーフが出迎えてくれて「こんにちは!今日はスタジアムツアーにご参加ですか?それともお買い物ですか?」と、来店客がスムーズに動けるよう最初のヒントを教えてくれる。そのため、初めて訪れた人も安心して買い物が楽しめる。ここはグッズショップでありながら、ミュージアムのような雰囲気も味わえるおすすめの場所だ。




アーセナル MFマルティン・ウーデゴール 写真:Getty Images

6)リトル・ワンダーカフェ


ザ・アーモリーから道路を挟んですぐ向かいにあるのが、現地ファンを含めアーセナルの選手たちにも人気の「リトル・ワンダーカフェ(Little Wonder Cafe)」だ。約100年の歴史がある老舗カフェで、これまで長きにわたり選手たちの胃袋を支え、癒しの場を提供するなどクラブとは切っても切れない関係だ。今年9月には現キャプテンのMFマルティン・ウーデゴールが来店し、その様子が同店の公式インスタグラムで公開されている。私が訪れた日は惜しくも定休日で内部の様子を撮影することはできなかったが、エミレーツから徒歩2、3分の場所にあるので、試合観戦の前後や周辺散策の途中で気軽に立ち寄ってみたいスポットだ。


カフェでは目玉焼きに甘めの豆やソーセージが添えられた英国の代表的な朝食「イングリッシュ・ブレックファースト」など食事メニューのほか、ちょっとつまめるケーキやパン類もあり気軽に利用できるのも嬉しい。店舗前にはテラス席もあるので、エミレーツを眺めながら美味しい珈琲と食事を楽しむことができる。選手たちも通うカフェで上質な時間を過ごせば、より一層アーセナル気分を満喫出来そうだ。運が良ければ選手がふらりと来店するかもしれない!




エミレーツ・スタジアム 写真:Molly

アーセナルの魂が宿る場所を巡ってみよう


世界トップリーグの1つであるプレミアリーグを現地で観戦することは、それだけでも感動を得られる体験だ。しかし、それに加えておすすめしたいのが、今回ご紹介したスタジアム周辺の散策。クラブの歴史に紐づいた場所や建物を訪ね、アーセナルと共に暮らす地域の人々との交流を通して、試合だけでは得られないクラブの魂(スピリット)を感じることができるはずだ。ぜひチャンスをつくり、あなただけのアーセナルの旅を楽しんでほしい。

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