ホンダ 2018スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

2018年11月12日(月)10時45分 AUTOSPORT web

Round 08
ツインリンクもてぎ 決勝
2018年11月11日(日)


#8 ARTA NSX-GTがポール・トゥ・ウイン。#100 RAYBRIG NSX-GTはドライバー、チーム両タイトルを獲得


 11月10日(土)〜11日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で2018年度SUPER GTシリーズ最終戦が開催されました。土曜日早朝まで降った雨は上がり、例年よりも高い気温のなか、走行が始まりました。


 #100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)は#1 KeePer TOM’S LC500(平川亮/N.キャシディ)とシリーズポイント同点トップでこのレースを迎え、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)と#36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)を加えた4チームでチャンピオンを争います。なおシリーズ最終戦では規則によりこれまで蓄積したウエイトハンディをすべて下ろし、全車規定の車両最低重量でのレースとなります。


 土曜日午前中の公式練習は、前夜降った雨の影響でウエット路面でしたが、途中から走行ラインが乾き、午後の公式予選はドライコンディションで行われました。


 Q1セッションでは出走した5台のNSX-GTのうち4台がQ2進出を果たし、Q2では#8 ARTA NSX-GTの野尻がコースレコードでポールポジションを獲得、2番手にシリーズチャンピオンを目指す#100 RAYBRIG NSX-GT、3番手に#64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮)が続いてNSX-GTがワン・ツー・スリーでスターティンググリッドに並ぶことになりました。また#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)も5番手に続きました。


 日曜日は快晴となりました。午後1時30分、前日に比較して気温が急激に上がるなか、クリーンスタートで決勝レースが始まりました。レース序盤はポールポジションの#8 ARTA NSX-GTの伊沢、#100 RAYBRIG NSX-GTの山本、#64 Epson Modulo NSX-GTのバゲットの順でNSX-GTがワン・ツー・スリー・フォーメーションを築きましたが、その後#38 ZENT CERUMO LC500、#1 KeePer TOM’S LC500が追い上げてきたため、#64 Epson Modulo NSX-GTは後退しました。

優勝した野尻智紀(左)、伊沢拓也(右)


 レース半ばで各車がドライバー交代のピットストップを終えると、#8 ARTA NSX-GTの野尻はトップの座を守ったものの、早めにピットインする戦略を採った#38 ZENT CERUMO LC500が2番手に進出、牽制しあって同時ピットインの#100 RAYBRIG NSX-GTのバトンが3番手、#1 KeePer TOM’S LC500が4番手となりました。#100 RAYBRIG NSX-GTと#1 KeePer TOM’S LC500はポイントランキングで同点なので、上位に入賞した方がシリーズチャンピオンを獲得することになります。


 レース終盤、#8 ARTA NSX-GTは#38 ZENT CERUMO LC500に、#100 RAYBRIG NSX-GTは#1 KeePer TOM’S LC500に激しく追い上げられて息詰まる接近戦となりました。


 しかしそれぞれ後続を僅差で突き放し、#8 ARTA NSX-GTがポール・トゥ・ウインで優勝、#100 RAYBRIG NSX-GTが3位に入賞しました。NSX-GT勢として今季4勝目、#8 ARTA NSX-GTは今季2勝目を記録。この結果、#100 RAYBRIG NSX-GTがドライバーズタイトル、#100 RAYBRIG NSX-GTを走らせたTEAM KUNIMITSUがチームタイトルを獲得しました。SUPER GTシリーズを戦うHondaにとっては、2010年の#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)以来となるチャンピオンでした。


佐伯昌浩 プロジェクトリーダー


「スーパーGT GT500クラス制覇を達成した山本尚貴/ジェンソン・バトン両選手と、高橋国光総監督をはじめとするチームおよび関係者の方々、そして、苦しい時期でもいつも応援してくださったファンの皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいです」


「特に、山本選手はスーパーフォーミュラとスーパーGTのダブルタイトル獲得という快挙を、またバトン選手はデビューイヤーにチャンピオン獲得と、今までにない結果を出してくれました。今シーズンを最高の結果で締めくくることができ、これまで支えてくださったすべてのみなさまに、心よりお礼申し上げます」

KeePer TOM’S LC500との死闘の末チャンピオンを獲得したRAYBRIG NSX-GT


野尻智紀(優勝)


「伊沢選手がレース前半、いいペースで走ってくれたので、後半は自分も自信を持って走り出すことができました。NSX-GTのパフォーマンスはすばらしく、38号車には追い上げられましたが、ギャップを見ながらタイヤをマネージメントする余裕があって、失敗はしていませんでした。優勝できたのはうれしいですが悔しい気持ちもあるので、来年は開幕戦からチャンピオンを目標に戦いたいです」


伊沢拓也(優勝)


「僕は決勝レース前半を担当しましたが、ピットアウトした際の位置取りなどを考えて早めにピットインする作戦を採り、それがうまくはまりました。その分、後半を担当した野尻選手は長く走ることになりましたが、最後まで安定したペースで走り切ってくれて、優勝することができました。ポール・トゥ・ウインはうれしいですが、チャンピオンを獲れなかった悔しさが残りました」


山本尚貴(チャンピオン)


「長い間、いいときも悪いときも支え続けてくださったファンのみなさま、そしてチームのみんなに感謝を伝えたいです。今回のチャンピオンは、JB(ジェンソン・バトン)がいてくれなければ獲れなかったと思います。彼には多くのことを学ばせてもらいました。個人としてはスーパーフォーミュラとスーパーGTの両方でチャンピオンを獲得でき、こんなに幸せなことはありません。特にこの数週間は緊張が続いていましたが、いいレースで、いい結果につなげることができました」


ジェンソン・バトン(チャンピオン)


「この一年間はチャレンジの連続で、今日も本当にタフなレースでした。でも最後まで走り切って3位に入ることができたし、その結果タイトルを手に入れることもできました。尚貴さんにとってはスーパーフォーミュラに続いてのタイトルだけど、僕にとっては9年ぶりのチャンピオン(2009年F1世界選手権チャンピオン)だから本当にうれしいです。これまでさまざまなレースを経験しましたが、スーパーGTは世界に誇れるすばらしいレースだと思います。すばらしいクルマを開発して乗せてくれたホンダとTEAM KUNIMITSUには感謝しています」

初チャンピオンを獲得したTEAM KUNIMITSUの(左から)ジェンソン・バトン、高橋国光監督、山本尚貴


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