世界のレースに果敢に挑む日本馬、過去最多92頭…「馬体重20キロ減」などコンディション維持に難しさも
2024年11月13日(水)5時0分 読売新聞
海外競馬に挑戦する日本馬が増加傾向にあり、中央所属では今月5日現在で過去最多だった昨年を上回る延べ92頭が遠征した。国内でも高額賞金のGI競走は多く実施されているが、なぜ海を渡る馬が増えているのか。
敗戦教訓に ノウハウ蓄える
日本中央競馬会(JRA)によると、同会所属で初めて海外へ遠征したのは、1956年の日本ダービーなどを勝利したハクチカラという
環境の変化に敏感なサラブレッドにとって、海外でコンディションを維持するのは容易ではない。出国前には普段過ごす
日本馬はハクチカラ以降、フランス競馬の世界最高峰レース、
賞金15億円
海外のレースを走るには、高額な遠征費用も障壁となる。海外競馬の登録業務を代行している公益財団法人「ジャパン・スタッドブック・インターナショナル」(東京)によると、中東諸国や香港の主催者は馬の輸送費のほか、馬主や調教師、騎手らの渡航費や宿泊費も負担する。待遇が手厚い背景には日本や欧米の有力馬を招待し、自国の競馬の格式を上げたい意向が働いていると指摘する関係者もいる。また、世界最高賞金のサウジカップ(GI)の1着賞金が1000万ドル(約15億3000万円)など、中東ではオイルマネーを原資とした高額賞金競走が複数あり、これらの地域で特に日本馬の出走が増えている。
「子が活躍」種牡馬 海外から注目
日本馬の海外での活躍は生産界にも好影響を与えている。2023年のドバイシーマクラシック(GI)で日本のイクイノックスがレース史上最速のタイムで圧勝し、国際競馬統括機関連盟が定めた世界ランキング1位に輝いた。イクイノックスが日本馬のレベルの高さを証明したことで、同馬の父、キタサンブラックが
一方、有力馬が海外へ渡れば、同時期に行われる国内のレースのレベル低下につながる懸念もある。JRAには、日本の強豪馬が国内の競走に出走したくなるよう、魅力的な競走を引き続き提供していく取り組みも求められている。