J1リーグ全18クラブの通信簿【2022シーズン総決算】13~18位

2022年11月17日(木)14時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

2022シーズンの明治安田生命J1リーグは、11月5日に行われた第34節をもって全日程を終了した。優勝を果たしたのは横浜F・マリノス。一方、J2リーグへ自動降格となったのは清水エスパルスとジュビロ磐田という、静岡勢の2チームとなった。


11月13日に行われたJ1参入プレーオフでは、J1で16位の京都サンガとJ2で4位のロアッソ熊本が最後の1枠を争い、1-1のドローで京都が残留を決めている。


ここでは、J1リーグの2022シーズン全日程での通信簿をご紹介。各クラブの最終順位に沿って1〜6位、7〜12位に引き続き、13〜18位のクラブ結果を見てみよう。開幕前からの期待や予算、昨2021シーズンの戦績などをふまえて「大変よくできました」「よくできました」「まずまずです」「今後に期待です」の4段階評価を加えている。


関連記事:J1リーグ全18クラブの通信簿【2022シーズン総決算】1〜6位


関連記事:J1リーグ全18クラブの通信簿【2022シーズン総決算】7〜12位




ヴィッセル神戸 MF山口蛍 写真:Getty Images

13位:ヴィッセル神戸


  • 34試合11勝7分16敗
  • 勝ち点40
  • 評価「今後に期待です」

2022シーズン半ばまでの深刻な低迷を考えると、13位で残留できたことは悪くないヴィッセル神戸。ただし昨2021シーズン3位に入り、開幕前に抱かせた期待値を考えると苦しいシーズンだったと言わざるを得ないだろう。なかでも得点数は昨年の62から35へと大幅に減少し、僅差の試合を落とす要因となった。


昨2021年7月までに15得点を奪っていたFW古橋亨梧、7得点を挙げたFWドウグラス、守備を支えたDFトーマス・フェルマーレンがチームを去り、実績豊富な日本人選手を中心に補強したものの結果として穴埋めには至らず。


それ以上に、今季だけでも三浦淳寛監督、リュイス・プラナグマ監督、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督、吉田孝行監督と、節操なく監督交代を繰り返したクラブの問題は深刻だった。再び上位に絡むには、ある程度の我慢が欠かせない。




アビスパ福岡 FW山岸祐也 写真:Getty Images

14位:アビスパ福岡


  • 34試9勝11分14敗
  • 勝ち点38
  • 評価「まずまずです」

昨2021シーズンの8位から順位を落とすことにはなったが、堅守を武器に2年連続のJ1残留を達成したアビスパ福岡。2022シーズン半ばまで中位を維持していたチームを襲ったのは、新型コロナウイルスだった。7月末から選手・スタッフに蔓延し、チーム全体のコンディションは明らかに低下。前線からはめ込んでいく守備は消え去り、ただただ押し込まれ続ける試合が続いた。


そのまま自動降格圏(17位)まで順位を落とすも、ブレることなく終盤には本来のサッカーを取り戻すことに成功。最後の5試合を3勝1分1敗と一気に巻き返し、自力をみせた。資金面には限りがあり、10得点を挙げたFW山岸祐也を筆頭に他クラブからの接触が多くなると予想されるが、すでに長谷部茂利監督の続投が発表されており、戦力を維持しつつピンポイント補強を狙いたい。




ガンバ大阪 MF宇佐美貴史 写真:Getty Images

15位:ガンバ大阪


  • 34試合9勝10分15敗(15位)
  • 勝ち点37
  • 評価「今後に期待です」

今2022シーズンに向けては、片野坂知宏新監督を招聘したガンバ大阪。大分トリニータ(2016-2021)を率いて攻撃的なチームを作り上げ、天皇杯準優勝(2021)に導くなど実績を残していた同監督に、上位への返り咲きを託した。


ところが、エースMF宇佐美貴史の長期離脱もあり低迷。6試合勝ちなしとなった8月17日、G大阪は残留のために松田浩監督への交代を決断した。守備の整備に定評のある松田監督は自身の代名詞、4-4-2の堅実なサッカーを展開。我慢強く戦い、最後の4試合を2勝2分で切り抜け残留に成功した。


ただクラブが掲げた本来の目標とはほど遠く、来季に向けた監督の選定と、その監督が志向するサッカーに適した選手を獲得できるかが復権へのカギを握る。


京都サンガ FWピーター・ウタカ 写真:Getty Images

16位:京都サンガ


  • 34試合8勝12分14敗
  • 勝ち点36
  • 評価「まずまずです」

曺貴裁(チョウ・キジェ)監督(2021-)のもと、12年ぶりとなるJ1に挑んだ京都サンガ。序盤戦はFWピーター・ウタカが得点を重ね、上位争いに絡むなどスタートダッシュに成功した。


ところがエースの得点がストップするとともに勝てない試合が多くなり、最終的には16位でJ1参入プレーオフにまわることに。J2ロアッソ熊本との激闘を1-1で引き分け、最後のJ1の切符こそ確保したが、最後まで得点力不足は解消されないままだった。


執筆時点で曺監督への続投要請が報じられており、継続性はポジティブな要素。来季は、どのチームを相手にしても安定した戦いができる一方で、決め手を欠き競り負けるという問題点を解消したい。




清水エスパルス FWチアゴ・サンタナ 写真:Getty Images

17位:清水エスパルス


  • 34試合7勝12分15敗
  • 勝ち点33
  • 評価「今後に期待です」

クラブ創設30周年を迎えた2022シーズン、清水エスパルスが目指したのは「タイトル」だった。そのために、シーズン前には日本代表のGK権田修一やMF白崎凌兵などを、夏場にはともに元日本代表のMF乾貴士やFW北川航也を加えるなど大型補強を敢行。


ところが試合終盤に失点を繰り返し、最終順位は17位。タイトルどころか、J2降格となってしまった。FWチアゴ・サンタナが得点王に輝き、プロ1年目のDF山原怜音が8アシストを記録するなど、個々の戦力が足りなかったわけではない。だが平岡宏章前監督、ゼ・リカルド監督ともに最適解を見いだせず、むしろ持て余した印象だ。


個を集めただけでは勝てないと、身をもって知ったことが今季の収穫か。J2は甘くないが、来季はJ1へ戻ることが最大にして唯一のタスクとなる。




ジュビロ磐田 FW金子翔太 写真:Getty Images

18位:ジュビロ磐田


  • 34試合6勝12分16敗
  • 勝ち点30
  • 評価「今後に期待です」

昨2021シーズンJ2を制し、3年ぶりのJ1復帰を果たしたジュビロ磐田。ところが同シーズンJ2得点王を獲得したFWルキアンがアビスパ福岡へ移籍し、攻撃のキーマンを失ったチームは苦しむこととなった。


伊藤彰監督のもと2022シーズン開幕当初こそ善戦したものの、FW陣の得点力不足と失点増に陥り、第25節の浦和レッズ戦で0-6で大敗した翌日に監督交代。後任の渋谷洋樹監督に残留を託したが、残留圏へと導くことはできず。最下位でのJ2降格となった。


渋谷監督も今季限りで退任となり、新任監督のもとJ1復帰を目指すこととなる磐田。ただし、FWファビアン・ゴンザレスの契約問題を巡り、国際サッカー連盟(FIFA)から補強禁止処分をくだされている。クラブはスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴しているが、裁定次第では来季は厳しいシーズンとなるかもしれない。

FOOTBALL TRIBE

「通信」をもっと詳しく

「通信」のニュース

「通信」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ