TOYOTA GAZOO Racing、ダカールラリーに向け『GRダカールハイラックスT1+』の準備を完了

2021年11月18日(木)0時54分 AUTOSPORT web

 TOYOTA GAZOO Racingは、2022年1月に開催されるダカールラリー2022に、新たに開発されたGRダカールハイラックスT1+で挑戦するが、ラリーに向けGRダカールハイラックスT1+の基本的な開発を完了したと発表した。また、2022年に参戦する車両のカラーリングも発表した。


 TGRでは、年明け早々にスタートが切られるダカールラリー2022へ向けてのGRダカールハイラックスT1+の改良は続けられるとしている。ダカールラリーへの挑戦を通じた『もっといいクルマづくり』を進めてきたひとつの成果として、この新型車両は、2011年から続けられているトヨタのダカールプログラムの中でも最も大きな技術的飛躍を遂げた。


 GRダカールハイラックスT1+に新たに搭載される3.5リッターV6ガソリンツインターボエンジンは、発表されて間もない新型ランドクルーザー300 GR SPORTに搭載されるものをベースとしている。これまで使用されていたものよりも低い回転域でのトルクを強化し、車両総重量こそレギュレーションで規定されている2000kgへと増加したものの、エンジン自体の軽量化により車両バランスなどの改善が図られている。


 レギュレーションにより最大出力は298KW(約400馬力)、最大トルクは660Nmと制限されているが、チームはエンジンに関してはほぼ市販状態のものをそのまま使うことができるという。ターボユニットとインタークーラーもトヨタの市販標準部品で、GRダカールハイラックスT1+ではインタークーラーの向きが変更されたが、もともと非常に高効率な部品であるため、インタークーラー自体は市販のものを使用しする。


 車体の大きな変更点のひとつはサスペンションで、ストロークはこれまでの280mmから350mmに延ばされ、32インチから37インチへと外形の大きくなったタイヤを最大限に活用できるようになった。また、タイヤ幅も245mmから320mmへと拡大される。


 タイヤの大径化に対応するため新たに採用されたアルミホイールも、T1+クラス開発における重要なポイントで、チームは排熱効果を考慮し、クリア塗装のみのアルミ地肌を活かしたフィニッシュとした。またボディは、2016年以来一貫してコア・コクピット・レイアウトと、フロントミッドにエンジンを搭載するレイアウトを採用している。


 カラーリングについては、TGRがWRCやWECで採用してきたものと共通の新カラーリングを採用した。また、2022年から新たに世界選手権となるFIA世界ラリーレイド選手権に参戦する新型ハイラックスもこのカラーリングとなり、TGRファミリーの一員として世界選手権に挑む。


 ラインアップは、ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組がレッドブル/TGRカラーで、ジニール・ドゥビリエ/デニス・マーフィ組、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組、シャミア・バリアワ/ダニー・スタッセン組が挑む。


 車両の調整は続けられており、その一環としてアル-アティヤとドゥビリエは2021年南アフリカクロスカントリーシリーズ(SACCS)の最終戦に選手権ポイント外で参戦。チームは南アフリカ国内での最終テストを終えた後、12月初旬にサウジアラビアへと車両を送るための準備に入る。


「我々の新型GRダカールハイラックスT1+はここ数ヶ月にわたる開発で目覚ましい進化を遂げており、ダカールラリー2022へ向けての準備は完璧に整った。開発段階から脱し、1月のレースへ向けた調整を続けて行くことになる。ランドクルーザーの新しいエンジンは信頼性が高く、市販状態のまま、エンジンにストレスをかけることなく最大のパフォーマンスを引き出すことができる」とチーム代表のグリン・ホールは語った。

GRダカールハイラックスT1+
GRダカールハイラックスT1+
2022年のダカールラリーに参戦するTOYOTA GAZOO Racing、の『GRダカールハイラックスT1+』
GRダカールハイラックスT1+
GRダカールハイラックスT1+

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