ヒョンデが2023年ラインアップを発表。タナクの後任は、トヨタから移籍のラッピ/WRC

2022年11月19日(土)6時45分 AUTOSPORT web

 TOYOTA GAZOO Racingが2023年のラリー参戦体制を発表した11月18日、ライバル陣営であるヒョンデ・モータースポーツも、来季のWRC世界ラリー選手権における新しいドライバーラインアップを明らかにした。


 2022年ーズンのWRCでマニュファクチャラー選手権2位となったヒョンデは、昨年オフに“ダブルエース”のティエリー・ヌービル、オット・タナクと複数年契約を結んだ。しかし既報のとおり、タナクは韓国のメーカーとの契約が残っている今季末の段階でチームを離れることを決断。チームもこれを認めた。


 また、育成ドライバーからワークスに昇格し、チームメイトとサードカーをシェアする“パートタイム参戦”のかたちで今シーズンを戦ってきたオリバー・ソルベルグも陣営を離れることが決定しており、ヒョンデは来季に向けて新しい布陣を敷くことが確定していた。


 そんななか明らかにされたドライバーラインアップでは、エースのヌービルと“仕事人”ダニ・ソルドの2名はそのままに、エサペッカ・ラッピの新加入と、クレイグ・ブリーンの復帰がアナウンスされた。トヨタから移籍してきたラッピは、タナクの後任ドライバーとしてフルタイムシートを獲得。今季、パートタイム参戦ながら表彰台を3度獲得した31歳のフィンランド人にとって、シリーズフル参戦はMスポーツ・フォード在籍時の2020年以来、3年ぶりとなる。

TGR WRTから移籍し、3年ぶりのフルタイムシートを獲得したエサペッカ・ラッピ


 一方、Mスポーツ・フォードから“出戻り”となるブリーンは、ソルドと3台目のヒョンデi20 Nラリー1をシェアしながらシーズンを戦っていく。彼も2022年に2度表彰台に登ったが、自身初のフルタイムシートを獲得した年に1年を通しての一貫性を示すことができず。事実上、Mスポーツを放出されるかたちでの古巣復帰となっている。


「2023年のWRCシーズンに向けてヒョンデ・モータースポーツに合流することは、僕にとって里帰りのような気分だ」と、2019年から21年にかけてヒョンデ陣営で戦ってきたブリーンは語った。


「何度かの準優勝を含め、僕たちは過去にとても記憶に残るような結果を一緒に出してきた。だから、今度はそれを『さらに前進させられたら』と思っている」


 2度目のトヨタ離脱を決断したラッピは、「人生は驚きに満ちている!」と述べた。


「ヒョンデ・モータースポーツに参加しWRCにフル参戦するチャンスを得たことは、僕たちにとって予想外のことだった。まさに夢のようであり、またとない機会だ」


「チームはこの1年、シーズン中にマシンを大きく開発する能力があり、あらゆる路面で勝利するチャンスがあることを示した」


「聞いた話だと2023年は非常に有望なようだ。もちろん、やるべきことがたくさんあることはわかっている。ヤンネ(・フェルム/コドライバー)と一緒に全力を尽くすよ」


 トヨタに続きヒョンデが体制発表を行ったことで、2023年のラインアップを確定させていないマニュファクチャラーはMスポーツ・フォードWRTのみとなった。順当に行けば、ブリーンが空けた席にヒョンデを離れたタナクが収まるもの思われる。しかし、万が一にも2019年王者がレギュラーシートを獲得できないとなれば、2021年にラッピがそうしたようにプライベーターとしての参戦、若しくは浪人という選択をする可能性も考えられる。

ダニ・ソルドとサイドカーをシェアするクレイグ・ブリーン

エースとしてチームを牽引するティエリー・ヌービル。2022年最終戦ラリージャパンではチームにシーズン5勝目をプレゼントした
2023年も今季と同様にパートタイム参戦となるダニ・ソルド
契約を1年残してヒョンデを去るオット・タナクの去就は……

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