ホンダ田辺TD木曜インタビュー:「契約延長は最前線で戦ってる我々としても非常に喜ばしい決断」

2019年11月29日(金)14時2分 AUTOSPORT web

 前戦ブラジルGPでホンダの1−2勝利を果たした田辺豊治テクニカルディレクターは、レース後に改めてアイルトン・セナの墓に参り、勝利を報告した。そしてホンダは今週末のアブダビGPに先立ち、レッドブル、トロロッソとの2021年までの契約延長を正式に発表した。田辺TDはその決定をどう捉えたのか語った。


──ブラジルではレースの前後に2回、セナの墓に参ったと聞きました。
ホンダ田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):
ええ。レース前のお参りは去年も行ってますし、時間が取れれば毎年行くようにしてます。レース後は少し特別で、「勝ちました」という報告に行きました。その時に、表彰台の写真も供えました。


──田辺さんにとっても、特別な勝利でしたか。
田辺TD:
そうですね。レース前にMP4/4が走って、セナコールが起きて。ブラジルは昔いっしょに戦った偉大なドライバー、そしてホンダと日本と気持ちをひとつにして闘ったドライバーの故国ですから、特別な気持ちはあります。


──ブラジルのレース後にも少し言っていましたが、レッドブルとトロロッソ、違う2チームのドライバーによる1−2という勝ち方で、喜びはひとしおでしたか?
田辺TD:
ええ。トロロッソとは去年からいっしょにやってきてましたし、ガスリーは今年、すこし大変な時期を過ごしてきた。実はブラジルの彼は、木曜日の段階からすごく明るかったんですよ。


 やる気満々というか。そしてああいう結果を残せたことは、本当にうれしく思いますね。予選でもレースでも、終始中団グループトップの速さを見せてましたしね。最後のハミルトンとの競り合いにも、きっちり勝っていますし。


──今週末の最終戦は、ブラジルの勢いを持ち続けられそうですか。
田辺TD:
そうなるべく、全力を尽くします。まずは金曜日に、走ってみてですが。


──パワーユニット的にも、ここでマイレージぎりぎりまで使い尽くす感じですね。
田辺TD:
マイレージを考慮した上で、使える部分を残さないよう、適切にマネージメントして行こうと思っています。


──そこで攻め過ぎると、壊れてしまう恐れもある?
田辺TD:
その計算をきちんとやって、初日フリー走行からレースまでで使い切ろうということですね。


──2チームへの供給契約が、2021年まで延長されました。それについて田辺さんのお気持ちは?
田辺TD:
チームも、喜んでくれてますし、最前線で戦ってる我々としても非常に喜ばしい決断をしてもらったと思っています。


──2021年から技術レギュレーションが大きく変わることを考えると、このタイミングで延長が決まったこともよかったですか?
田辺TD:
技術面から言えば2021年というのは、目前とまでは言いませんが、すでに開発に入っている状況です。FIAの技術ミーティングでも、2021年の議論に私自身がずっと加わっていますし。なので議論しただけでサヨナラとならずに、実際にレースに関わることになってよかったと思っています。


 モータースポーツの頂点であるF1で、自動車メーカーがどんな役割を果たして行くか。新たなメーカーの参入を考えると、MGU-H(熱エネルギー回生システム)をなくした方がいいのではという議論もありました。


 しかし、我々としてはここまで苦労して信頼性と性能を上げてきた技術を、あっさり捨ててしまうことには悔しさもありました。市販車を含めた将来的なハイブリッド技術としても、非常に可能性を秘めたものだと思っていますので、その方向での意見も述べました。なので結果的にMGU-Hが残ったことは、よかったと思っています。


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