下部組織出身の有望株たちの今 ~チェルシー編~

2018年11月30日(金)18時4分 サッカーキング

チェルシーの下部組織で育った選手たち [写真]=Getty Images

写真を拡大

 欧州トップクラブの下部組織で育ち、“期待のホープ”と称された選手たちの現況を紹介するシリーズ。第4回目は、FAユースカップ5連覇中で、19歳以下のクラブチームによって競われるUEFAユースリーグを2度も制覇、「イングランド最強のアカデミー」との呼び声も高いチェルシー編をお届けする。

*2013年以降にクラブの下部組織に在籍した選手を対象とした
*カッコ内は(生年月日/国籍/所属クラブ/ポジション)

写真=Getty Images

■ジャマル・ブラックマン

(1993年10月27日/イングランド/チェルシー/GK)
経歴:チェルシー→ミドルズブラ(レンタル)→エステルスンド(レンタル)→ウィコム・ワンダラーズ(レンタル)→シェフィールド・ユナイテッド(レンタル)→リーズ(レンタル)→チェルシー

各年代別のイングランド代表歴を持ち、2011−12シーズンには、FAユースカップでPKをセーブするなど優勝に貢献。2012年夏のアメリカツアーではトップチームに帯同した。しかし、公式戦での出番はなく、レンタル移籍を繰り返す日々が続いている。今季は2部リーズへ貸し出されたが、試合中にすねを骨折したため、レンタル契約が打ち切りとなった。

■アンドレアス・クリステンセン



(1996年4月10日/デンマーク/チェルシー/DF)
経歴:チェルシー→ボルシアMG(レンタル)→チェルシー

アーセナルやマンチェスター・Cも関心を寄せる中、2012年にチェルシー加入。2014年10月にトップチームデビューを飾った。ブレイクを果たしたのは昨季のこと。ボルシアMGでの2年間の武者修行を経てチェルシーに戻ると、ダヴィド・ルイスに代わって3バックの中央を任されることに。公式戦40試合に出場し、ロシアW杯でも全4試合でピッチに立った。しかし、マウリツィオ・サッリ新体制となった今季は出番が激減し、厳しい状況に立たされている。

■ネイサン・アケ



(1995年2月18日/オランダ/ボーンマス/DF)
経歴:チェルシー→レディング(レンタル)→ワトフォード(レンタル)→ボーンマス(レンタル)→チェルシー→ボーンマス

2011年にフェイエノールトからチェルシーの下部組織に加入。2013年にはクラブの年間最優秀若手賞を受賞した。さらに、2015−16シーズンにレンタル移籍していたワトフォードでも、年間最優秀若手に輝くなど、確かな実績を残している。しかし、レギュラーとして常時試合に出ることを望み、2017年にチェルシーからボーンマスへ完全移籍。目論見通り、現在はほぼ毎試合プレーしている。

■オラ・アイナ



(1996年10月8日/ナイジェリア/トリノ/DF)
経歴:チェルシー→ハル・シティ(レンタル)→トリノ(レンタル)

2007年からチェルシーに在籍し、FAユースカップを2度、UEFAユースリーグを2度制覇するなど“最強世代”の一員として輝かしい実績を残してきた。昨季、自身初のレンタル移籍を決断すると、ハル・シティでリーグ戦44試合に出場。今季は活動の拠点をイタリアに移し、セリエAで活躍中だ。各年代でイングランド代表に選出されてきたが、A代表はナイジェリアを選択し、昨年10月にデビューを果たしている。

■ジェイク・クラーク・ソルター



(1997年9月22日/イングランド/フィテッセ/DF)
経歴:チェルシー→ブリストル・シティ(レンタル)→サンダーランド(レンタル)→フィテッセ(レンタル)

「ネクスト・テリー」とも称される若手センターバック。2006年にチェルシーの下部組織に入団すると、2013年にU−18チームに昇格。FAユース杯3連覇とUEFAユースリーグ2連覇を経験し、その間にはキャプテンも務めた。2016年4月のアストン・ヴィラ戦でトップチームデビューを果たしたが、その後はレンタル移籍で経験値を高めている。今季はフィセッテに加入し、自身初の海外挑戦にトライしている。

■フィカヨ・トモリ



(1997年12月19日/イングランド/ダービー・カウンティ/DF)
経歴:チェルシー→ブライトン(レンタル)→ハル・シティ(レンタル)→ダービー・カウンティ(レンタル)

U−8カテゴリーからチェルシーに在籍。2015−16シーズンにFAユース杯とUEFAユースリーグでダブル連覇を果たすと、最終節のレスター戦でプレミアリーグデビューを飾った。また昨年夏には、ジェイク・クラーク・ソルターとともにセンターバックを組んでU−20W杯優勝を経験している。今季はダービー・カウンティにレンタル移籍。チェルシーのレジェンドであるフランク・ランパード監督から直々に指導を受けている。

■ルーカス・ピアソン

(1994年1月20日/ブラジル/チェルシー/MF)
経歴:チェルシー→マラガ(レンタル)→フィテッセ(レンタル)→フランクフルト(レンタル)→レディング(レンタル)→フルアム(レンタル)→チェルシー

「カカ二世」として、チェルシーの下部組織に迎え入れられたのが17歳のとき。2012年にはトップチームデビューを飾り、同年のクラブ年間若手最優秀選手にも輝いた。しかし、その後は欧州各国にレンタル移籍を繰りかえす日々。今季は所属先が決まらずに残留したが、トップチームの背番号は与えられず、将来は不透明なままだ。

■ナサニエル・チャロバー



(1994年12月12日/イングランド/ワトフォード/MF)
経歴:チェルシー→ワトフォード(レンタル)→ノッティンガム・フォレスト(レンタル)→ミドルズブラ(レンタル)→バーンリー(レンタル)→レディング(レンタル)→ナポリ(レンタル)→ワトフォード

8歳でチェルシーに入団。2012年にはFAユースカップ優勝を果たしたチームのキャプテンを務めるなど、アカデミーでは中心選手として活躍した。しかしトップチームでは2016−17シーズンに公式戦15試合に出場したのみ。6度のレンタル移籍を経験したあと、昨年夏にクラブからの契約延長オファーを拒否してワトフォードへの完全移籍を選んだ。

■ルイス・ベイカー



(1995年4月25日/イングランド/リーズ/MF)
経歴:チェルシー→シェフィールド・ウェンズデイ(レンタル)→MKドンズ(レンタル)→フィテッセ(レンタル)→ミドルズブラ(レンタル)→リーズ(レンタル)

2005年にチェルシーの一員となり、2014年1月のFAカップでトップチームデビュー。すると同年のクラブ年間若手最優秀選手に輝いた。翌シーズンは、ジョゼ・モウリーニョ監督率いるトップチームへ昇格。さらなる飛躍が期待されたが、青いユニフォームを着てスタンフォード・ブリッジのピッチに立つ機会はまだ訪れていない。今季は通算5度目となるレンタル移籍で、2部リーズに所属する。

■ルベン・ロフタス・チーク



(1996年1月23日/イングランド/チェルシー/MF)
経歴:チェルシー→クリスタル・パレス(レンタル)→チェルシー

8歳からチェルシーに在籍し、2014年のCLスポルティング戦でトップチームデビューを果たした。昨季はキャリア初となるレンタル移籍を決断。すると、リーグ戦24試合出場2得点の成績を残して、ロシアW杯のイングランド代表メンバーにも選出されるなど、飛躍のシーズンとなった。チェルシー残留が決まった今季は、勝負の1年となる。

■チャーリー・ムソンダ

(1996年10月15日/ベルギー/フィテッセ/MF)
経歴:チェルシー→ベティス(レンタル)→セルティック(レンタル)→フィテッセ(レンタル)

ザンビア人の両親のもとベルギーで生まれ、2012年にチェルシー入団。翌年にプロ契約を締結するも、トップチームは選手層の壁が厚く、2016年1月のベティス移籍を皮切りに武者修行を繰り返している。昨年秋には、青田買いを繰り返しながらもトップチームでのチャンスを与えないクラブの現状に対して不満を吐露。自身のインスタグラムに「(努力への)見返りは何もない」と想いをつづった。

■ケイシー・パルマー



(1996年11月9日/イングランド/ブラックバーン/MF)
経歴:チェルシー→ハダースフィールド(レンタル)→ダービー・カウンティ(レンタル)→ブラックバーン(レンタル)

2013年にチャールトンからチェルシーの下部組織に加入すると、FAユースカップとUEFAユースリーグで2度の優勝に貢献するなど、主軸のひとりとして活躍。トップチームでの出場はないが、2016年4月にはベンチメンバーに名を連ねた。昨年夏には、2021年までの長期契約にサイン。クラブは将来性を高く買っており、レンタル先での成長が期待されている。

■ジェレミー・ボガ



(1997年1月3日/コートジボワール/サッスオーロ/MF)
経歴:チェルシー→レンヌ(レンタル)→グラナダ(レンタル)→バーミンガム(レンタル)→サッスオーロ

12歳でチェルシーのアカデミーに入団。次第に頭角を現し、FAユースカップ準優勝やU−21プレミアリーグ優勝を経験するなどアカデミーの中心選手として活躍した。しかし、トップチームに定着することは叶わず、フランスやスペインへのレンタル移籍を経て、今夏に正式に退団することを決意。セリエAに新天地を求め、サッスオーロで新たなスタートを切った。

■メイソン・マウント



(1999年1月10日/イングランド/ダービー・カウンティ/MF)
経歴:チェルシー→フィテッセ(レンタル)→ダービー・カウンティ(レンタル)

6歳でチェルシーの下部組織に入団。攻撃的MFとして各カテゴリーで活躍すると、昨季レンタル移籍したフィテッセでは、クラブ年間最優秀選手に選出される好パフォーマンスを披露した。イングランド代表でも、2017年のU−19欧州選手権で優勝と大会MVPを獲得。今年10月には2部ダービー・カウンティに在籍しながらもA代表に初選出されている。チェルシーでのトップチームデビューが待ち望まれる選手の1人だ。

■ドミニク・ソランケ

(1997年9月14日/イングランド/リヴァプール/FW)
経歴:チェルシー→フィテッセ(レンタル)→リヴァプール

各年代別のイングランド代表に選出され、2014年のU−17欧州選手権では優勝と得点王、2017年のU−20W杯では優勝と大会MVPのタイトルを獲得。世代屈指のタレントとしてエリートコースを歩んできた。しかし、チェルシーではトップチームデビュー戦となった2014年12月の出場を最後に出番がなく、昨年夏にリヴァプールへ完全移籍。ただマージーサイドでも、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの3トップが君臨しているため、出番は少ない。

■タミー・アブラハム



(1997年10月2日/イングランド/アストン・ヴィラ/FW)
経歴:チェルシー→ブリストル・シティ(レンタル)→スウォンジー(レンタル)→アストン・ヴィラ(レンタル)

ソランケと同じ2004年にチェルシーの下部組織に入団。2人で各ユースチームをけん引してきた。2016−17シーズンはレンタル先のブリストル・シティで公式戦26得点と大爆発。2部リーグの10代最多得点記録を樹立し、今季加入したアストン・ヴィラでもすでに2桁得点を挙げている。チェルシーでの競争は激しいが、盟友ソランケとの直接対決を待ち望むファンも少なくない。

(記事/Footmedia)

サッカーキング

「チェルシー」をもっと詳しく

「チェルシー」のニュース

「チェルシー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ