2023年シーズン終盤の過酷な日程を受けて、チーム代表らが今後に向けた改善を求める「F1との対話が必要」

2023年12月16日(土)7時0分 AUTOSPORT web

 F1チームの代表たちは、2023年シーズンの終盤戦が非常に過酷なスケジュールだったことを受けて、スタッフの負担や疲労などについて懸念を示し今後に向けて調整が必要だと述べている。


 2023年シーズンは、欧州外で6週間に5回レースがあるという非常に多忙なスケジュールのなかで閉幕した。この数日間は、12時間の時差があるラスベガスからアブダビへの移動がさらに厳しいものになった。ヤス・マリーナ・サーキットのパドックには疲れた人たちが多く、長い移動の後で病気になった人たちもたくさんいた。エステバン・オコン(アルピーヌ)は体調不良で木曜日のメディアデーに出席できず、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は週末中ずっと激しい咳をしていた。メディアセンターでは、多くの咳やくしゃみが聞こえた。要するに、たくさんの人間の身体が「もうたくさんだ」と叫びを上げていたのは明白だ。

2023年F1第23戦アブダビGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


 2024年のスケジュールは24戦に増え、ラスベガス、カタール、アブダビのトリプルヘッダーで閉幕という、いっそう過酷な終わり方となるため、F1パドックの人々は自身や同僚たちの健康に懸念を抱いている。レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「かなり残酷な体制だ」と主張した。


「スケジュールを見てみると、アブダビを入れると6週間に5レースがある。だからガレージのメカニックや、移動するスタッフにとっては、過酷なシーズンの終わりだ。もちろん時差のせいで状況は余計に厳しくなる。我々はベガスでは事実上日本のタイムゾーンで仕事をしていた。そしてここへ来るのに12時間かかった。そのため、このことについてはF1とFIAとの交渉が行われている。彼らのスタッフも同じように感じているのだろう」


「そしてスタッフだけでなく、F1に関連するすべての移動グループにもたらす負担を考慮して、将来に向けた解決策が考えられているところだと思う」


 アストンマーティンF1のチーム代表を務めるマイク・クラックは次のように付け加えた。


「ベガスのスケジュールについては多くの話し合いが行われてきた。前から分かっていた。事前に予定表があったからだ。だからチームとして備える必要があったと思う。ドライバーだけでなく、エンジニアやメカニックもだ。そして我々のチームは、こうした困難な状況にとてもうまく対処したと言わなければならない」


「だが全体的に、将来に向けた調整がなされるべきだと考えている。そしてピットレーンのあちこちですでに議論が行われているように、今後は何らかの調整があると思う」


 マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラも、ふたりの意見に同意した。


「スタッフや全員にとって、厳しい時期であるのは間違いない。考えるべき重要な点があると思う。たとえば我々チームとしても、こうした疲労に対処するために何を調整できるかといったことだ」


「しかしそれと同時に、改善できる点を確実に改善するために、F1との対話が必要だ。もちろんだが、可能であれば特にベガスのレースのタイムテーブルについて話し合いを続けるつもりだ。人間のパフォーマンスの観点から見た持続可能性が、F1における重要なトピックになっていることは明らかだ。そのためチームがパフォーマンスに取り組む方法も進化させる必要がある。そして確実なことだが、これはマクラーレンが非常に真剣に受け止めていることだ」

2023年F1第23戦アブダビGP金曜日 FIA会見 アンドレア・ステラ代表(マクラーレン)

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