WEC参戦継続に豊田章男社長がコメント。「ル・マンこそ“いいクルマ”を育てる最適な実験場」

2017年12月19日(火)18時38分 AUTOSPORT web

 12月19日、TOYOTA GAZOO Racingは2018/19年のWEC世界耐久選手権に引き続きLMP1クラスから参戦すると発表した。この決定に合わせてトヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表している。


 アウディ、ポルシェといったマニュファクチャラーの相次ぐ撤退によって過渡期を迎えたWEC。プロモーターであるFIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブはシリーズおよびLMP1クラスの再編の必要に迫られた。


 その結果、来シーズンは2018/19“スーパーシーズン”という過去に例のないロングシーズンになることが今年9月のWEC第5戦メキシコラウンドで発表されている。


 この決定以前に2019年までの参戦を表明していたトヨタは9月以降、2018年シーズンについての正式なコメントを控えていたが、ついに参戦継続を正式表明した。


 発表されたコメントのなかで“次の100年もクルマが楽しい”ものであることを願っている豊田社長は、ル・マン24時間がその実現に向けた実験場として最適であると語っている。


 そして“いいクルマづくり”のため、トヨタは永続的にモータースポーツに取り組んでいくと明言した。


 そんな豊田社長のコメントは以下のとおりだ。


* * * * * *


 クルマが誕生して100年を超え、“電動化”、“自動化”など大きな変化の時を迎えるなか、「次の100年もクルマは楽しいぞ!」、そうしていきたいという決意を、私は強く抱いています。


 2012年より、我々はハイブリッド技術を載せたレースカーで、ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権の道に挑んでまいりました。もちろん、どのクルマよりも長い距離を走りきり、レースに勝ちたいという想いで続けてきた挑戦でしたが、我々がそのクルマに載せていた想いは、それだけではありませんでした。


「燃費など環境性能だけを高めるだけでなく『運転が楽しい』、『もっと乗っていたい……』、『もっと走らせていたい……』、ドライバーがそう思えるハイブリッドカーを実現したい」、これが私どもの強い想いでした。


 今年、はじめてル・マンに行きましたが、トヨタを応援してくださる声援とともに、「こういうハイブリッドのスポーツカーは出さないのか?」という声も多くいただきました。私自身、そのようなクルマを世に出したいと思っていますし、それは「次の100年もクルマを楽しくする」ための1台になると思います。


 今年、我々のクルマは、ル・マンの道を“速く”駆け抜けることはできました。しかしながら、24時間走り続ける“強さ”を兼ね備えることはできませんでした。お客様に乗っていただくクルマをお届けしたいと願いながらも、まだその域に達していない……それが我々の今の実力です。


 この道で技術を磨き合うライバルが去ってしまったことは大変残念ですが、スピード域の異なるクルマが混走し競い合う世界耐久選手権という競技、とりわけ、公道をも舞台にしながら24時間戦い続けるル・マンが「次の100年もクルマは楽しい」の実現に向けた最適な実験場であることに変わりはありません。


 私どもトヨタが目指す“もっといいクルマ”は、モータースポーツという極限の環境において鍛えられ、つくられていきます。だからこそ、我々は、景気の良し悪しなどに左右されることなく、永続的にモータースポーツに取り組んでまいりたいと考えます。


 TOYOTA GAZOO Racingは、来シーズンもこの競技への参戦を続けます。そして、 この先も、運転が楽しい……もっと走らせていたい……、そう思っていただけるクルマをお客様にお届けできるよう、培ってきた技能と技術をさらに高めてまいります。引き続き、応援いただければうれしく思います。皆さま、よろしくお願いいたします。


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