「キョウゴのおかげ」「真のチームプレーヤー」「クラブのアイコン」…古橋亨梧への称賛を振り返る

2021年12月22日(水)14時1分 サッカーキング

セルティックで活躍を見せている古橋 [写真]=Getty Images

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 日本代表FW古橋亨梧(26歳)は、夏にスコットランドのセルティックに加入して以降、称賛を浴び続けている。

 ここまでチーム最多ゴールを叩き出す活躍を見せており、12月19日のリーグカップ決勝では2得点でチームの逆転勝利と2シーズンぶりのタイトル獲得に貢献した。それでは、現地メディアや関係者による今季ここまでの“キョウゴ”への賛辞を振り返ってみよう。

[写真]=Getty Images

■8月8日のホームデビュー戦でハットトリック



 古橋はスコットランド・プレミアシップ第2節のダンディー戦でホームデビューを果たし、ハットトリックを達成して6−0の勝利に貢献した。試合後、セルティックのアンジェ・ポステコグルー監督は「キョウゴは3得点したが、ゴールだけの選手じゃない。守備面の働きも素晴らしかったし、それがファンの心に火をつけた。相手にプレスをかけるエネルギー。彼はそれをチームにもたらし、味方もそれに触発された」と得点力だけでなく、古橋の献身的な働きも称えた。

 スポーツ専門サイトの『The Athletic』は、この試合の古橋の一挙手一投足を追った記事を掲載。カメラに映らないところでの動きに注目するはずが、古橋があまりにもチャンスに絡んでしまったため「記事としては失敗だったかも」と振り返りつつ、「このハットトリックは最初の1回に過ぎないだろう」とまとめた。

■加入後7試合で6ゴール



 セルティックに加入してから公式戦7試合で6ゴールを叩き出した日本のアタッカーには、宿敵のOBも賛辞を惜しまなかった。スコットランドのラジオ局『GO Radio』の番組で、セルティックの英雄である元スウェーデン代表FWヘンリク・ラーションとの比較が話題に。ラーションは、セルティックでクラブ歴代3位の242ゴールを記録してファンから「キング・オブ・キングス」と呼ばれた名ストライカーだ。

 ラーションとの比較については時期尚早という見解に至ったが、それでもセルティックの宿敵であるレンジャーズで主将を務めた元スコットランド代表MFバリー・ファーガソンまでも古橋に太鼓判を押したのだ。「キョウゴは、すべてのプレーに絡もうとする“オールアクション”プレーヤーなんだ。エネルギーに満ちており、躍動している。だからファンも彼を気に入っているのさ。彼は真のチームプレーヤーと呼べるね」

■初のオールドファームダービーは無得点も

 古橋にとって初めてのオールドファームダービーとなった8月29日のレンジャーズ戦は、フル出場するも無得点に終わり、チームも宿敵の前に0−1で屈した。左ウィングで先発した古橋は、後半途中にセンターフォワードに移ってからチャンスに絡んだ。試合後、ポステコグルー監督が「サイドアタッカーが不足していたのでキョウゴをサイドで起用したが、初めから中央で使うべきだったかもしれない」と認めたように、古橋の起用法が大一番の命運を分けたのかもしれない。

『BBC』の記者もこう指摘した。「キョウゴが、レンジャーズの守備を引き裂くと思ったが、そうはならなかった。キョウゴを左サイドで起用したのは間違いだ。今後も彼をサイドで試すのなら、スコットランド中のチームが歓喜するだろう」

 英紙『Daily Mail』での選手採点では、右サイドバックとして古橋を抑えたレンジャーズのDFレオン・バログンがこの試合最高の「8点」を得た。

■敵地でフェレンツヴァーロシュに勝利



 11月4日のヨーロッパリーグ・グループステージ第4節では、敵地でハンガリーのフェレンツヴァーロシュに3−2で勝利し、古橋も1得点1アシストの活躍を見せた。2000〜2006年にセルティックに所属した元イングランド代表FWクリス・サットンも「キョウゴは今季ここまでスコットランド国内のベストプレーヤーだ。今夜も手が付けられないプレーを何度か見せた」とツイッターで絶賛した。

 古橋については、セルティックやリヴァプールで活躍し、スコットランド歴代最多キャップを有するケニー・ダルグリッシュも惜しみない拍手を送る。同氏は英紙『Sunday Post』のコラムにて「今季セルティックの成功の大部分はキョウゴのおかげだ」と綴った。

「450万ポンドで連れてきたと思うが、それはすでに素晴らしい取引だったように思える。成功したら、他から注目を浴びるのは当然のこと。既に他のクラブがキョウゴに目を付けていても驚きではない。だが、セルティックが主軸の彼を簡単に手放すはずがない。キョウゴが年末年始の過密日程を怪我なく乗り切れれば、シーズン後半戦のセルティックは楽しみだ」

■簡単に倒れ過ぎの批判については



 古橋に関しては一部で「簡単に倒れ過ぎる」という批判も出ている。12月5日のダンディー・ユナイテッド戦では、英国放送局『Sky Sports』にて元レンジャーズのクリス・ボイドが「ミッドウィークに“深刻な”倒れ方をしたのに出場できるなんて驚きだね!」と古橋を揶揄した。だが、ポステコグルー監督は同選手を擁護する。

「キョウゴのボディーサイズは競馬のジョッキー並みだ。彼は自分より30㎝ほど大きい選手たちと戦っているんだ。私は、キョウゴに対する批判的な記事を見る気はないし、読む気もない。そういう批判に対して口論すれば、同じ穴のムジナになってしまうので無視することにしている」

「キョウゴはスコットランドサッカー界にとっても素晴らしい存在だ。彼のような能力と性格の選手を欲しがらないクラブがあったら驚きさ。彼のプレーは見ていて興奮する。そして彼には毎日成長しようとする意志がある。とてもいい奴だし、彼は紳士なんだよ」

■リーグカップ決勝で2得点して優勝に貢献



 今月19日のリーグカップ決勝のハイバーニアン戦では、万全な状態ではないにもかかわらずスタメン出場して2得点で2−1の逆転勝利に貢献。昨季無冠だったチームに2シーズンぶりの栄冠をもたらした。これにはチームメイトのMFニル・ビトンも『BBC』にて「彼が出場したこと自体が信じられない。10日前の怪我だったからね。彼はマジシャンだよ。僕たちが必要としたとき、彼は必ずチームに活気をもたらすのさ」と語った。

『BBC』のトム・イングリッシュ記者も“セルティックの小さなフォワードがリーグカップ決勝でインパクトを残す”という記事を掲載して、こう称えた。「キョウゴは、終始試合を支配したわけではないが、その決定力で勝負を決めて見せた。監督が語ったようにキョウゴは100%の状態ではなかった。しかし、肝心の場面では誰よりもフィットネスが高かった。彼は別次元にいた」

「クラブの“アイコン”になるためには時間がかかるものだが、キョウゴはそれを5カ月でやってのけた。地球の反対側からやってきて、知らないリーグ、知らない国、知らない仲間、知らない言葉で即座に結果を残したのは驚異的だ」

(記事/Footmedia)

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